ロベール・ゲディギャンの検索結果、合計14(0.001419秒かかります)。

Mnohskpgxisのレビュー:海辺の家族たち

3 years ago
『マルセイユの恋』、『キリマンジャロの雪』などで、一貫して出生地マルセイユ近郊を舞台とした作品を手がけてきたロベール・ゲディギャン監督にとって、マルセイユはもうひとつの主役。 マルセイユには地中海を通って各地の難民・移民が集う。これは、彼の父親が長らく紛争地帯だったアルメニア出身である事が関係しているのは明白。終盤で登場する難民の子供達と、辛い過去と厳しい現...

eqnbigのレビュー:海辺の家族たち

2 years ago
労働者階級や移民・難民などの社会的弱者を描き続けていることから“フランスのケン・ローチ”と称えられているというロベール・ゲディギャン監督。確かに扱うテーマは似ているが、ローチ監督が弱い立場の人間の生き様を通じて国や役人や大企業の不公正や冷淡な仕打ちを非難するマクロの視座とメッセージ性を強く感じさせるのに対し、ゲディギャン監督はそうした大きな問題への意識を溶け...
3 years ago
フランスの長閑な田舎を舞台にしたコメディ映画「わんぱく戦争」「ぐうたらバンザイ!」のイブ・ロベール監督の作品だが、以前のユーモア溢れる作風は影を潜めて、淡々とした大らかな演出が19世紀末の時代を再現する。小学校教師の厳格な父親と若くて美しい母親を尊敬し愛する9歳の少年が過ごした夏の日の出来事。母の妹夫婦と家族同様に触れ合う描写も良く、当時のフランス中流階級の...

eahtlzdのレビュー:少女ムシェット

3 years ago
少女ムシェットの悲劇的な人生。狩人達が獲物を追い詰めるかの如く、大人達の無神経な行動が少女を追い詰めていく。少女の繊細な心に襲いかかる大人達の無神経さ。遊園地のバンパーカーのシーンは唯一の楽しいシーンだが、その安らぎも束の間。ロベール・ブレッソン監督は確実に厭世主義者。身勝手で無慈悲な世の中の罪悪を炙り出していく。厳しい内容だが芸術的で真理をつく素晴らしい作...

zgykiggのレビュー:Love Letter

3 years ago
日本映画の新作を観て久し振りに満足した。人気タレントの中山美穂が対照的な性格の二役を演じるテレビ局制作の単なる商業映画と高を括っていたら、語り口がとても素直で心優しく映画的なのに嬉しくなってしまった。まず、タイトルバックがいい。何でもない冬山の白雪の上を主人公が歩いていくだけなのだが、これが唸るくらい良い。現在進行形で亡くなった男を愛する女性と、中学時代の過...

Obrwordgooのレビュー:EO イーオー

1 year ago
タイトルにもなっている主人公のロバの名前「イーオー」(ポーランド語の原題はIO)は、ロバの鳴き声に由来する。ちなみに「くまのプーさん」に登場するロバのぬいぐるみのキャラクター「イーヨー」も、英国でのロバの鳴き声の表記\"eeyore\"にちなんだもの。偶然の一致かもしれないし、イエジー・スコリモフスキ監督がイーヨーを意識したのかも。 もっとも、スコリモフス...

Pmgssxkihonのレビュー:やさしい女

2 years ago
タイトルのバックに映る夕闇のパリ。走っている車は60~70年のもの。郷愁で胸が一杯になる。フランスが、パリが、まだ世界の文化に多大な影響を持ち、日本人にとってはまだまだ憧れだったころの風景である。 この華やかで先進的な消費社会の光景がスクリーンから消えると、その墓場ともいえる質屋が映画の舞台として現れる。そして、始まるのは世知辛い銀行員くずれの質屋とその若く...

aafinfuのレビュー:少女ムシェット

3 years ago
ネタバレ! クリックして本文を読む "What will become of them without me? I can feel it in my breast. It's like a stone inside." 簡素なオープニング・クレジットも終わり、悲しそうで哀れむような眼差しで、ムシェットの母親が言葉を残して直ぐに立ち去って行く。本編では考えら...
3 years ago
ネタバレ! クリックして本文を読む "All happy families are alike, but every unhappy family is unhappy in its own way"              アンナ・カレーニナより 取り留めもなく... ? No, you can't!And you're gonna blink you...

jhktjmのレビュー:愛情萬歳

3 years ago
台北の不動産屋で富裕層を相手に働く女性メイ、違法な露天商で日銭を稼ぐアロン、そして納骨棚の営業マンのシャオカン。空き部屋となっている高級マンションの一室での三人の奇妙な交錯を通じて、都会の中の小さな歯車にすぎない、紐帯を失った若者の孤独を描く。 全編を通じて音楽は鳴らず、セリフも最低限に切り詰められているため、くどくどしい説明や分かりやすい感情の誘導は皆無...
5 months ago
保坂和志の小説にこういう一節がある。作中に登場する映画青年のセリフだ。 \"映画って、だいたいしゃべってる人を中心に撮るでしょ。そうすると、そのあいだって、聞いてる方が何してるかわかんないでしょ。 だけど、しゃべってる人の動作なんて、だいたい見なくたってわかってるしーー\" 保坂和志『プレーンソング』より 発話者を、ひいては音の鳴る方向をひたすら愚直に...

Dskomrcseaeのレビュー:怒りの日(1943)

2 years ago
ネタバレ! クリックして本文を読む おお、ちょっと前まで映画.comには本作の項目がなかったのに、いつの間にかイメージフォーラムでの上映に併せてレビューが書けるようになっている! なので、他の三作品もこれから観る予定ということもあり、昔Yahoo!映画で書いた評をこちらにお引越ししておく。 正直、オールタイムベスト級の傑作だと思う。 カール・テオドール・ド...
3 years ago
ネタバレ! クリックして本文を読む When you're sick, you need a lot of love. Love is the best medicine in the world. 原作者ジュディス・カーの息子マシュー ・ニールが8歳の時に映画「サウンドオブミュージック」を見て「お母さんの子供の頃のようだね」という言葉から、実際に起こった事...
2 years ago
ネタバレ! クリックして本文を読む 逆境に対する勝利の心温まる物語ではない。 オーレル監督は、寸描作家のジュゼップ・バルトリの描写の中で、印象派のアプローチを採用し、抽象的で静的な捉え方でレンダリングしている。さもなければ不気味なフレーミングの中だけの表現に留まり、間違った解釈をされる可能性がある為で、オーレル監督独自の正当化によるインスピレーションを適用し...