「ジョゼと虎と魚たち」「のぼうの城」の犬童一心監督がメガホンをとり、人と保護犬の絆を描いたドラマ。犬との絆を育む主人公を、田中圭が演じた。原作・脚本は、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「余命1ヶ月の花嫁」などで知られる脚本家の斉藤ひろし。市役所職員の赤西民夫は、上司からの勧めにより飼い主に捨てられて保護犬になってしまった真っ白な大型犬を飼うことになる。民夫は人懐っこいこの犬をハウと名付け、民夫とハウは次第に絆を深めていく。そんなある日、突然ハウが姿を消す。必死にハウを捜す民夫だったが、ハウは遠く離れた青森の地にいた。偶然のアクシデントが重なり、青森まで運ばれてしまったハウは、大好きな民夫の声を追い求め、そこから民夫の待つ横浜まで798キロの道のりを目指す。田中が主人公・民夫役を演じるほか、池田エライザ、野間口徹、渡辺真起子、石橋蓮司、宮本信子らが脇を固め、石田ゆり子がナレーションを担当する。
ハウコメント(11)
最初から、結末が予想できそうな話なのだが、実際には、予想とは少し違う結末になって、驚かされる。それと同時に、「それでいいのか?」と、大きな疑問が湧き上がる。
主人公が、本当にハウのことを大切に思っていたのなら、やっとのことで再会できたというその時に、ハウを手放すという選択をするだろうか?ましてや、ハウは、自分に会うために、多くの時間をかけて、長い距離を歩き続けてきたに違いないと、主人公は、恋人に話しているのである。そんなハウの気持ちを理解していながら、どうしてハウを他人に譲ることができるのだろうか?これでは、猫を失った恋人に合わせて、自分も喪失感を共有するために、あえてハウを手放したのだとしか思えない。まったくもって納得できないし、何よりも、苦労して主人のもとに帰ってきたハウが可哀想である。
それ以前に、ハウが道中で知り合う人々との交流にも、あまり心が動かない。特に、修道院のエピソードは、偶然が過ぎるし、あんなことでDV夫が改心するのだとすれば、おめでたいとしか言いようがない。
結局、ジンときたのは、ハウがいなくなる最初の頃のシーンだけで、あとは、犬好きを狙ったあざとさだけが鼻についてしまった。
ー 民夫(田中圭)はある日、婚約者(深川麻衣:このワンシーンだけ登場。良く引き受けたなあ・・。)に一方的に婚約解消を言い渡され、傷心の日々を過ごす。新居も買ったのにね・・。-
◆感想
・そんな民夫を気遣った上司(野間口徹)とその妻(渡辺真起子起)は、保護犬だった白い大型犬を民夫に進め、彼は飼うことに・・。
ー ここら辺でも、民夫の気の弱さ、人の良さ、優しさが垣間見えるよね。-
・そんな民夫に”ハウ”と名付けられた犬もドンドン懐いて行くが、彼が郊外で午睡している時に、ハウは子供が打った打球を追いかけて、行方不明に・・。
ー 懸命に探す、民夫や上司たち。だが、見つからなくって・・。そんな彼を気遣う職場の女性、足立さん。(池田エライザ:ショートカットにして、今までの妖艶さが薄れ、可愛らしい女性になっている。)-
■ハウが旅先で、心を癒した人たち。
1.東北大震災で、福島の家に帰れなくなり、同級生から嫌がらせを受け、学校に行けなくなった少女。
- ハウは彼女と一緒に電車に乗り、校門まで一緒に登校する。-
2.シャッター街で、夫を亡くしながら傘店を営むお婆さん(宮本信子)
- 亡き夫(石橋蓮司)の姿をハウと重ね合わせてみるお婆さんの姿が印象的である。-
3.愚かしきDV夫から逃げ、修道院に身を預けた若き女性(モトーラ世里奈)
- DV夫が修道院に強引にやって来て、カッターナイフを振り回すシーン。嫌なシーンであるが、坂道を嫌がる彼女を連れてDV夫が失踪し、車が横転した際にハウがDV夫を助けた理由。それは、彼ら夫婦が且つては自分を飼ってくれて、一時的にしろ大切にしてくれたからであろう。-
・今作のナレーションは、石田ゆり子さんが担当されているが、柔らかく温かい声が作品のトーンに合っている。
<そして、700キロ以上も、ハウは民夫を目指して帰って来るが、新しい飼い主が既にいて・・。それは、父を亡くしたばかりの男の子と、母親だった・・。
民夫は、それを理解して哀しみを堪えて、ハウと別れる。
けれど、彼の元には彼を気遣ってくれる猫好きの足立さんがいるのである。
どうか、民夫と足立さんが幸せになれますように・・。
今作は、脚本にやや粗い箇所があるが、一匹の迷子の大型犬が、心に傷を負った人々を、次々に癒していく過程を綴った犬のロードムービーなのである。>
最初は星3ぐらいの映画かな、と思っていましたが、観ていくうちに奥が深いなあと思いました。
強く感じた事は2つあります。
1つ目は、「現実は厳しいんだよね」という人々の生活内容をリアルに描いていたと思います。
2つ目は、「ハウの優しさが人々に生きる希望を与えていた」ところです。
犬や猫等の動物は、愛情を注げばストレートに恩返ししてくれます。ハウの優しい行動や表情に何度も心が温まりました。
最後の方で目頭が熱くなりました。切ないような気持ちがジワジワと心に染みます。
ハウと青年の絵も心温かいですね。
数値で表せないような心温かい映画です。
白い天使ハウ、永遠に!
なるほどです。
足立桃子よかったです。くっつくかなと思っていました。
長澤樹さん、よかったです。線路に寝ころがった時は、ビックリしました。
ハウ大活躍でしたね!
もう一度、ハウと一緒に出会った人に会いに行くと思っていました。