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ハウコメント(11)
最初から、結末が予想できそうな話なのだが、実際には、予想とは少し違う結末になって、驚かされる。それと同時に、「それでいいのか?」と、大きな疑問が湧き上がる。
主人公が、本当にハウのことを大切に思っていたのなら、やっとのことで再会できたというその時に、ハウを手放すという選択をするだろうか?ましてや、ハウは、自分に会うために、多くの時間をかけて、長い距離を歩き続けてきたに違いないと、主人公は、恋人に話しているのである。そんなハウの気持ちを理解していながら、どうしてハウを他人に譲ることができるのだろうか?これでは、猫を失った恋人に合わせて、自分も喪失感を共有するために、あえてハウを手放したのだとしか思えない。まったくもって納得できないし、何よりも、苦労して主人のもとに帰ってきたハウが可哀想である。
それ以前に、ハウが道中で知り合う人々との交流にも、あまり心が動かない。特に、修道院のエピソードは、偶然が過ぎるし、あんなことでDV夫が改心するのだとすれば、おめでたいとしか言いようがない。
結局、ジンときたのは、ハウがいなくなる最初の頃のシーンだけで、あとは、犬好きを狙ったあざとさだけが鼻についてしまった。
ー 民夫(田中圭)はある日、婚約者(深川麻衣:このワンシーンだけ登場。良く引き受けたなあ・・。)に一方的に婚約解消を言い渡され、傷心の日々を過ごす。新居も買ったのにね・・。-
◆感想
・そんな民夫を気遣った上司(野間口徹)とその妻(渡辺真起子起)は、保護犬だった白い大型犬を民夫に進め、彼は飼うことに・・。
ー ここら辺でも、民夫の気の弱さ、人の良さ、優しさが垣間見えるよね。-
・そんな民夫に”ハウ”と名付けられた犬もドンドン懐いて行くが、彼が郊外で午睡している時に、ハウは子供が打った打球を追いかけて、行方不明に・・。
ー 懸命に探す、民夫や上司たち。だが、見つからなくって・・。そんな彼を気遣う職場の女性、足立さん。(池田エライザ:ショートカットにして、今までの妖艶さが薄れ、可愛らしい女性になっている。)-
■ハウが旅先で、心を癒した人たち。
1.東北大震災で、福島の家に帰れなくなり、同級生から嫌がらせを受け、学校に行けなくなった少女。
- ハウは彼女と一緒に電車に乗り、校門まで一緒に登校する。-
2.シャッター街で、夫を亡くしながら傘店を営むお婆さん(宮本信子)
- 亡き夫(石橋蓮司)の姿をハウと重ね合わせてみるお婆さんの姿が印象的である。-
3.愚かしきDV夫から逃げ、修道院に身を預けた若き女性(モトーラ世里奈)
- DV夫が修道院に強引にやって来て、カッターナイフを振り回すシーン。嫌なシーンであるが、坂道を嫌がる彼女を連れてDV夫が失踪し、車が横転した際にハウがDV夫を助けた理由。それは、彼ら夫婦が且つては自分を飼ってくれて、一時的にしろ大切にしてくれたからであろう。-
・今作のナレーションは、石田ゆり子さんが担当されているが、柔らかく温かい声が作品のトーンに合っている。
<そして、700キロ以上も、ハウは民夫を目指して帰って来るが、新しい飼い主が既にいて・・。それは、父を亡くしたばかりの男の子と、母親だった・・。
民夫は、それを理解して哀しみを堪えて、ハウと別れる。
けれど、彼の元には彼を気遣ってくれる猫好きの足立さんがいるのである。
どうか、民夫と足立さんが幸せになれますように・・。
今作は、脚本にやや粗い箇所があるが、一匹の迷子の大型犬が、心に傷を負った人々を、次々に癒していく過程を綴った犬のロードムービーなのである。>
最初は星3ぐらいの映画かな、と思っていましたが、観ていくうちに奥が深いなあと思いました。
強く感じた事は2つあります。
1つ目は、「現実は厳しいんだよね」という人々の生活内容をリアルに描いていたと思います。
2つ目は、「ハウの優しさが人々に生きる希望を与えていた」ところです。
犬や猫等の動物は、愛情を注げばストレートに恩返ししてくれます。ハウの優しい行動や表情に何度も心が温まりました。
最後の方で目頭が熱くなりました。切ないような気持ちがジワジワと心に染みます。
ハウと青年の絵も心温かいですね。
数値で表せないような心温かい映画です。
白い天使ハウ、永遠に!
なるほどです。
足立桃子よかったです。くっつくかなと思っていました。
長澤樹さん、よかったです。線路に寝ころがった時は、ビックリしました。
ハウ大活躍でしたね!
もう一度、ハウと一緒に出会った人に会いに行くと思っていました。