ライダーズ・オブ・ジャスティス

マッツ様演じる軍人が、妻の列車事故死は故意に仕組まれたものと知って復讐に乗り出すというリベンジバイオレンス…なんだけど、ひょんな事から仲間に加入した理数系オタクとの奇妙なやり取りがオフビートな笑いを誘う。
ストーリーが進むにつれ事態はどんどん悪化し、終盤で判明する列車事故（事件？）の意外な真実が惨い。でもその後味の悪さ感をハートフルな人間関係が癒していくという、多面性を持つ作品として評価したいところ。
物事全てを暴力で解決してきて、感情を捨ててしまった鬱状態（ある種これもPTSD？）の軍人の変容ぶりにも注目。にしてもマッツ様はクセのある役がホント多いね。

惜しむらくは日本公開が1月な事。舞台時期がクリスマスなので、できればそれに合わせてほしかったなぁ…

列車事故で妻を失った軍人
事故は仕組まれたことと主張する数学者
犯罪集団
｢ライダース･オブ･ジャスティス｣に
復讐するために集まったのは
問題を抱えた人たち

悲しみから怒りを相手にぶつける軍人を
デンマークの至宝 マッツ・ミケルセン が演じる

怒りをぶつける相手がいれば
楽になれる、、、
ハードな復讐劇かと思いきや
集まった皆が持つ過去、問題に触れ
苦しくなったり笑えたり
生まれる共同体にホロっとしたり

デンマーク映画
私。好きです( ᵔᵒᵔ )ᵍᵒᵒᵈᵎᵎ
ニコラス・ブロ
メン＆チキンにマッツと一緒に出てましたよね😅
映画を思い出してしまいました笑⃝ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)

ライダース•オブ•ジャスティス…
彼らは何をしたのか…
登場人物それぞれがとてもよく
面白い?!作品でした。
(できればクリスマスに観たかったｶﾅ🦌)

The modern Danish Christmas action. It's like Die Hard on ground level. Mads is a pretty stern Liam Neeson-like character. He eludes strong Jean Reno The Professional vibes. Nikolaj lie Kaas is like a Seth Rogen with a conscious. Some info-laden story, conflicted characters, jokes, and action. It's a welcome little indie package from 1-time Oscar Winner and 2-time nominee Anders Thomas Jensen.

2022年12月22日
映画 #ライダーズ・オブ・ジャスティス (2020年)鑑賞

はじめは、妻を殺された男の深い悲しみと復讐劇かと思いきや、統計学者、ハッカー、男娼・・・と魅力的な人物が続々登場し、単純なシナリオではない、笑いと温かさのある想定外に素敵な映画

@FansVoiceJP さん試写会ありがとう

ネタバレ！ クリックして本文を読む
映画のテーマはこんな感じかな？
カオス運動の予測困難性であり、また個人的には科学者や統計学者の逃げ口上となる "バタフライ・エフェクト" ．．．　それを簡単に言うとほんの些細な事がさまざまな要因を引き起こし、遂には非常に大きな事象の引き金に繋がることがあるという考え方で無理に日本語に曲げると「風が吹けば桶屋が儲かる」の儲かるどころか全員最悪な事態に陥るなんてね？
突然、アルゴリズムで計算しきれない予想不可能なことが降りかかり、軍人マークスを究極の怒りに燃え上がらせる。

Markus: You have to be able to distinguish between reality and fantasy.
母親を亡くし神の助けに逃げ込もうとする一人娘に彼の信念が分かる言葉として
Mathilde: The priest was certain that God had a reason for why Mom
had to die. We just don't understand it.
Markus: Dammit, listen to yourself. It's the kind of stuff crazy people
say.
Mathilde: Sorry. I just miss her so much. And I can't stand the thought
that she's ... all alone.
Markus: I understand. But she's not alone. She's nothing now. She's
gone.
Mathilde: It's so unfair.
Markus: Yeah. When people die, they're gone for good, sweetie. And
you might as well learn that now. For unless you also die at
a young age, you will end up burying most of the people you
love. And if you keep tormenting yourself every single time
with false hope about souls and little angels in the clouds,
you'll go crazy. Okay? Now... 　Close your eyes and sleep.
Count backwards from 500. It helps.
ヤングアダルトから自立した一人の女性になる途上のマチルダがまだ3才のままで止まっていしまっている頑固おやじマークスが親娘における家族のギャップ感をどのように修復するのか？このジャブ的な話が最後にはグッとくる？

Lennart: Forensic evidence brings down the perpetrator in 87.4% of
all homicides.
キングのバイブルと言っても良い彼のホラー作品群の根幹となっている『ダークタワー』やヨブ記をベースにしたコメディ『アダムズ・アップル』でも活躍したイェンセン監督が今回はどんな映画に仕上げたのか？
強迫観念の強い確率統計家のオットーと4000時間セラピーを受けたと自慢する彼の仲間のレナート、そして人見知りの激しいハッカーで顔認識専門家でもあるエメンターラー達が、一見とぼけた奇妙な社会的不適合者のトリオの中年のおっちゃん達でそれでも風貌からは似ても似つかない人となりの誠実さや心に蓄えている柔軟な優しさが人間性を分かりやすくストレートに描いているところにただの暴力映画では済まさないイェンセン監督流の正義は観ていても気持ちが良い．．．

感性の豊かなマチルダがすでに父親が自分の意思に反して、不合理な考えやイメージに頑固なまでに固執するマークスを知りセラピーを勧めても頑として拒否る父親よりもプライドを優先するマークス．．．　その彼も含めたこの変態カルテットが彼らが持つ唐突で不確実な笑いと相いれそうにない絆が組織立ったギャング団をどのように撹乱し倒していくのかを単純に見せると思いきやその目的すら忘れさせるほどユーモア満載のスレッドの為にいつの間にかイェンセン・ワールドにドップリと浸かることを覚悟しなければならなくなる。

そしてもう一人、ウクライナ移民の青年ボダシュカがメンバーに加わるとついに奇妙な最終形社会的不適合者のデコボコ・クインテットの完成となる？
Mathilde: We can play Star of Africa. We've played that a lot.
Bodashka: I had colleague who was called Star of Africa. He was
strangled New Year's Eve by a regular client.
ボダシュカの友達が何故？"Star of Africa" とフィンランド生まれのボードゲームの名前で呼ばれていたのか？　あまり知らなくてもいいけどこのゲームの舞台がアフリカを巡ることでその意味合いがピンと来たならこの青年の立場も分かるかも知れない。このシーンは結構さらっと流さられているのでゲーム自体を知らなければただのサブプロットでしかなくなる？
それも含めてボダシュカが彼の命の恩人であるレナードにせめてもの想いから寝る前に尋ねるシーケンスは、近頃の移民問題の場面をすべて吹き飛ばすぐらいに強烈で毛沢東の造語、その反面教師的言葉はしれっとしたイメージとなっている。
Bodashka: Do you want to fuck in my ass before you go to sleep?
So you can sleep well?
敢えて汚い言葉をそのまま載せているので．．．　失礼しました。

今回の映画『ライダーズ・オブ・ジャスティス』ではギャング団の一人が子供が使う矯正箸で食事しているところやボダシュカが男娼として生きていかなければならないことと関連して"Au pair制度" などを『アダムズ・アップル』でもネオ・ナチをシナリオに取り上げたように嫌みのない程度に風刺的表現をしているイェンセン監督．．．　夜中に銃撃戦をしても警察が来ることのないのは「あれっ⁉」と思ったけれども南の島で働いていた時、日曜日にはアルコールはもちろんの事ダウンタウンにあるスーパーも休んでしまうし、大通りに人っ子一人いないゴーストタウン化したのを想いだして、きっとデンマークってそういうところかもね？

In an interview, Mikkelsen said "that was a little painful"
予告編で出ていたので．．．　スタンドダブルの代役を立てずにミケルセンが実際に頭をバスルームの鏡にオモクソぶつけるシーンは彼自身が自分が頭突きをさせるように監督と映画の保険会社を説得している。だって彼は以前出演してた『残された者　北の極地』では「ハードだったから見た目をハードにする必要はなかった」と言ってのける方ですから．．．　何か？

There's a centillion reasons.
この映画を暴力的な映画と捉えるのは人の勝手というものでハリウッド流のバイオレンスを見慣れている人には結構あっさりと銃撃戦の幕を閉じているので拍子抜けをするかもしれない。個人的には、暴力の中にもユーモアを加えたどちらかというとイェンセン監督の世界観でそれを受け入れなければ最後のシーンの意味と結果は決して許されないかもしれない。ただクリスマスってこと⁉

最後はクリスマス・ソングの♪The Little Drummer Boyを聞きながら．．．　 "青い自転車" をもらった桶屋が儲かっちゃいましたとさ．．．　意味不明かな⁉