ラストナイト・イン・ソーホー

ネタバレ！ クリックして本文を読む
序盤の掴みは良く、前半部分はかなり惹きつけられた。
しかし、中盤以降は主人公が亡霊にパニクるの繰り返しで、間延びした感じがある。
ラストもちょっと強引であり、詰め込み過ぎた感がある。

途中、激しく画面が点滅する場面があるので、苦手な人は注意した方が良い。

幽霊の立場がなんとも違和感。救われたいならちょっと行動が違うのではないかと思うんだけどなー。が、なかなか先の読めない展開は面白かった。誰が犯人？と結局種明かしまでわからなかったし。殺しのドレスやらサスペリアやら赤青のビビットな画面やらパクリかリスペクトかわからないけどこれらも見ていて楽しかったなー。

ネタバレ！ クリックして本文を読む
"The movie really moves to the rhythm of the songs that are playing
in the background, and those songs tell your own story and become
your own character," says McKenzie . 　"There was music playing in
the background, and sometimes if it wasn't music it would be
metronome beats. You'd hear the tick and you'd have to be exactly
on that beat. The continuity on this film was unlike anything I'd ever
done before."
フィルムスコアと役者の動きの同時性について語っていた主演のエロイース演じるニュージーランド人のマッケンジー．．．　元首が同じなので、国民はイギリスとの2重国籍の人が少なからずいるし嘘つきも多い．．．　失礼辛辣過ぎて、でも実体験ですから、何か？
彼女が映画の中でレコードプレーヤーをかけるシーンは監督のライトも同じようにローリング・ストーンズを中心に5～6才の頃には60年代のアルバムをかけていたとか？
そんな監督にカットバックなんて撮影方法を多用する60年代から70年代にかけてのサイコ・スリラー系の映画に、エドガー・ライト監督は参考というヒラメキを与えられたのかもしれない。

The basic premise of the movie is not sort of anti-nostalgia in terms
of being like, “Everything’s terrible now, and guess what? Everything
was terrible back then as well.” It’s more a note of caution about the
danger of romanticizing the past.（監督の本作に対してのお言葉）
尻尾の無い間抜けなエイプでは何故？監督である彼が特に♪Downtownをアカペラと合わせて本編で3回プレイリストに載せて60年代の音楽をフィルム・スコアの中心に置いているのか？　また主人公がファッションデザイナーとして60年代のファッションを模倣するのかを知らなければ映画製作者はこれからイエローを日本と言うサブカルの無い猿真似だけはある動物園では無視をするかも．．．　言い過ぎです。また失礼？

Eloise: Has a woman ever died in my room?
Ms Collins: This is London. Someone has died in every room in every
building and on every street corner in the city.
個人的には場面展開が歪なカットバックによる映像からスレッドがギクシャクして見える映画は受け付けないけどイギリスでは最高のスリラーとしてニコラス・ローグ監督の人の心に宿る愛する者が亡霊になっても帰ってきてほしいと願う『Don't Look Now(赤い影)1973』では愛娘を無くした父親役を演じたドナルド・サザーランドが亡くなった娘のイメージとなっていた赤のレインコート姿に悩まされ追い求めるシーケンスに表れ、またダリオ・アルジェント監督によるジャッロ映画『Deep Red(サスペリアPART2)1975』における映画のカギを握る鏡の特殊効果が象徴するように本作では同じように多用している。
一番影響を受けたと思わせるのがロマン・ポランスキー監督の『Repulsion (反撥)1965』と言えるかもしれない。それは　．．．
個人的にこの世で一番嫌いな監督であり続ける少女・性愛者のポランスキー監督．．．　彼がおよそ56年前に製作した『Repulsion』のラスト近くで見られるように他の作品よりも深く影響していることが映画を見終えて感じる。確かにジャッロ映画にみられる血糊の質感や映画全体の色調など耽美的に描かれていてもラストの階段の空間の歪みや変形具合とともに日本でも陳腐な怪談や妖怪ドラマなんかで登場する無数の手の表現は現実との"かい離"と言うスリラーやホラーが持つ不安定な恐怖の演出にはもってこいになっているのでポランスキー監督の演出の印象が強いものとなっている。

サブカルを置いてきぼりにするポップカルチャーなんてものがない現実を否定ばかりの日本では"Swinging Sixties" なんて文化革新は存在しないし、今後も生まれもせず、理解もされない。この映画は過去に回帰するロマンティシズム的に単純に理想化する危険性とそれとは別に反懐古主義でもないと言われているけれどもそんなの意味が分からない。

でも一つ言えることは．．．
セックスは、少なくとも潜在的にはトラウマであったと感じたことがあるなら．．．
本作も含めた4本の映画に共通することが、もちろんジャッロ映画ではこれが無くてはジャッロ映画と言えないけどエロティシズムの表現にある。イギリス人が変態的なのが、あるサイトの評価では『Don't Look Now』が「映画に出てくる名セックスシーンベスト10」で1位って、あのね⁉　それと『Repulsion』ではカトリーヌ・ドヌーブがかなり大胆な演技をしている。だって『シェルブールの雨傘』で御フランスを代表する押しも押されもしない可愛い女優さんだったのに？　ただ既に稀代のプレイボーイの21才にして子供を産んでいたので良いかなって⁉ミソジニィ過ぎてこれまた失礼？

ライト監督はアニヤ・テイラー＝ジョイの以前公開された出演作の演技を見てたいそう気に入ったということらしいけどもフロリダ生まれのヤンキー女子の彼女のイギリス英語には不満を持たかなかったのかが不思議なくらいに違和感が、かなりあるけれども、その反対にトーマシン・マッケンジーが演じるエロイーズを、タフさ、誠実さ、そして素朴さの完璧なブレンディングされた彼女のディザイナーとしての成長を描き、映画の風刺的意味合いとCGIで強化されたジャンプスケアが素晴らしい仕掛けを持っていて、それがその仕掛けのおかげで説得力のある何かをするつもりであるかのように一瞬見える。けれども残念ながら、稚拙なつまらないものから有望なホラー映画までよくあることで、それは終わりに向かっていくに従い、がっかりさせるただ複雑なだけの混乱する展開へと発展するツギハギだらけのカットバックの "ツイスト・エンディング" となっている。

例え世界で一番嫌いな監督であっても半世紀以上前の映画とは思えない作品を製作できたことが彼が超が付くほどの天才であるとともに芸術肌の映画製作者でもあり、その後のカルト映画の金字塔の『ローズマリーの赤ちゃん』へと進むあたり、彼の才能を鋭く表している。
この映画で名前のない役でテレンス・スタンプって、この人も完璧主義者のユダヤ人監督の下、サイコパス映画に出ていたっけ？　お久しブリブリってか？
amazon.comでは既にVODで配信されていますけど．．．　何か？

ネタバレ！ クリックして本文を読む
ポップミュージックを信じている作品だった。
ポップミュージックのメロディとリズムに合わせてきちんと怖いホラーを描けてしまうとは。

女性の潜在的な恐怖感を反映した幻影の怖さ、オールディーズへの憧れ、ロマンティックさ、裏側のグロさ、がどんどん映像で溢れてくる。
その溢れるテンポが実に音楽的なのだ。
だから心地よく、ただしっかり、怖い、というあまり観たことない映画になっていた。

ジャンル映画のアップデートの担い手としてのエドガー・ライトに、リズム感の良い映像の連打という匿名性が強く刻まれた良作でした。
満足っ！

第六感って、本当にこんな感じで見えてしまうのかしらってくらいリアルだった。

60年代と現代を行き来しているような錯覚、少女が精神を蝕まれていき表情までも変わっていく様が見事に描かれていた。

オリジナル脚本だし、60年代の町並みや音楽ファッションもあり、なかなかなかなか見ごたえあり。

私の推理が見事に外れ裏の裏、やられました。その結果にわぁぁぁぁっとなった(笑)

エロイーズを演じたのが《OLD》の長女だったの今ごろ気づき、今作はめちゃくちゃ可愛くさらに大人っぽくなっていてウットリしちゃった(*´∀｀)