早春(1956)

7.0/10
合計18件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   144分
言語   日本語
地区   日本
書かれた   野田高梧
劇場で   01月29日 1956
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早春(1956) プロット

「東京物語」のコンビ、野田高梧と小津安二郎が脚本を書き、同じく小津安二郎が監督、「水郷哀話
娘船頭さん」の厚田雄春が撮影を担当した。主なる出演者は「乱菊物語」の池部良、「チャッカリ夫人とウッカリ夫人
(夫婦御円満の巻)」の淡島千景、「君美しく」の高橋貞二、「白い橋」の岸恵子、「若き潮」の笠智衆、田浦正巳、「彼奴を逃すな」の宮口精二(文学座)、随筆家の菅原通済など。

早春(1956) 俳優

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早春(1956)コメント(11)

xhljifl
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表面的には浮気の話で、根っこは子どもを失った夫婦がやり直せるかどうかの話です。

しかし、本作はなぜかサラリーマンを徹底的にdisっており、そのインパクトが強烈すぎて本来のテーマを吹っ飛ばしているように感じました。小津ちゃんの執拗にして壮大なサラリーマンdis。これはなんなのか。

若くして死んだ後輩を前に、脱サラしたバーのマスターが「奴はサラリーマンの酷さを知らずに死んだ。幸せだ」的な言葉を吐いたり、バーで飲んでる定年前のサラリーマンが「ここまで生きてきても、少ない退職金を前に寂しい思いをするだけだ」みたいなことをのたまったりと、本作のリーマン諸氏は例外なく虚しさを覚えております。生きがいややりがいを感じている人は絶無。小津はサラリーマンを『無価値で無意味な存在』と明らかにバカにしています。

なんの根拠もありませんが、小津はサラリーマンを兵隊的な存在として見ていたのでは。意志を持たず(持てず)、大いなる力にただ従うだけの存在。人間を人間たらしめる情緒や主体性、伝統的な営みは存在しないと捉えているのではないでしょうか。
サラリーマン社会のような人間性を奪い去るシステムに対して、小津は強烈なまでの怒りを抱いていると思います。

しかし、本作はシステムdisでは飽き足らず、システムの中で生きる人までdisってますからね、ちょっとやり過ぎ感を覚えました。
登場人物の中で、情熱を持って仕事に取り組む人をひとりくらい出しても良かったのでは、なんて思いました。しかし、それだと一貫性がなくなるから難しいかも。とはいえ、本作での表現を借りるならば『窮屈なヒューマニスト』の小津ちゃんにしてはちょっと下手打ったように感じました。

物語もダラダラと長い。オチも笠智衆先生に正論っぽい一見良さげなセリフを語らせてシメるといった『晩春』パターン。このやり方は強引な荒技で丁寧とはいえないです。これは物語の推進力で話を決着できなかった証左でしかありません。私はこれを『笠智衆エンド』と名付けました。

とまぁ、今回は小津ちゃんをdisりまくりですが、観ていてかなり楽しめたのも事実です。あの構図、美人女優の説得力、オフビートギャグ(お通夜のBGMがのほほんとしていて不謹慎で最高!)の小津ちゃん三種の神器が効いていると、つまらん話でもそれなりに観れてしまう。小津調恐るべし、です。

また、本作で小津ちゃんが持つ『システムへの怒り』を実感できたのは収穫でした。小津ちゃん、上品で穏やかな作品のクセに、ボブ・マーリーとかレイジ・アゲンスト・ザ・マシーンみたいなスピリットを持っているように感じ、グッと好きになりました。
ジャームッシュやカウリスマキら小津に影響を受けたインディ監督たちは、間違いなくスピリット面の影響も受けているでしょう。

麦秋では原せっちゃんが最強すぎてあまり意識できませんでしたが、淡島千景はすげー美人ですね。立ち居振る舞いの美しさにはため息。ただ、ヘビ顔なので迫力ありすぎで怖い。岸惠子は現代的なキュートさがありますね。尻軽に生きざるを得ない寂しい女性を見事に演じたと思います。
djyxnu
djyxnu
☆☆☆★★★

小津安二郎作品と言うと、『東京物語』や『晩春』等の作品が真っ先に浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
その様な親娘の関わりを描いた歴史的な名作を撮る一方で、《人間の業》を炙り出す作品も多い。
その代表作と言えるのが、自身が撮った『浮草物語』をリメイクした『浮草』ではないか…と思っている。(小津作品を全て観た訳ではないが…)
さしずめ、この『早春』は。『浮草』を撮るにあたり、習作となったのでは?…と思わせる程。男女の【腐れ縁】に関し、「これでもか!」とばかりに畳み掛けて来る。

【腐れ縁】とは書いたが、主演の2人、池部良と淡島千景は夫婦。
夫婦だけに、本来の【腐れ縁】の言葉の意味する〝くっついたり離れたり〟と言った関係では無い。
…無いのだが、まさに【腐れ縁】と言うに相応しい様な描かれ方だった様に思える。
映画の舞台は蒲田在住の夫婦が、夫の浮気から仲違いをするも。その関係が修復するまでの姿を描く。

映画は、サラリーマン社会の悲哀を背景にしているのだが。小津が描くサラリーマン像はまさに会社の中。ひいては、日本経済発展の中での《歯車の一つ》にしか過ぎない…とゆう思惑の様な描かれ方で。昔から時々、小津安二郎に対して少しばかり感じていた…。

意 地 の 悪 い お っ さ ん !

そんな思いを深めたりするのだった(。-_-。)

何てったって、死んでしまった池部良の同僚に対して。元上司の山村聰は「サラリーマンの辛さを知らずに死んで行ったのだから、幸せだよ!」(←完全に覚えてはいないが、こんな感じで)だものなあ〜(¬_¬)

そんなサラリーマン社会を描きながら。小津の本質にはどこか、日本社会が以前から抱えていた。男女封建制度による、男女の(立場的な意味から発生する)差別的な一面も多少有るのでは?…と思わせるところ。
そんな面を感じるのが、淡島千景の母親役の浦部粂子。
夫が浮気した事で実家に帰って来た娘に対して言う台詞は、昔ならいざ知れず。現代ならば全女性を敵に回しそうな程だ!
ただ個人的に、浦部粂子と娘との言葉のやり取りと言えば。何と言っても成瀬巳喜男の『稲妻』での、高峰秀子との母娘の口喧嘩の素晴らしさを思い出してしまい。観ていて楽しくなってしまった(´ω`)

もう一つ男女差別の面として付け加えるならば。
田中春男を始めとする通勤仲間。
彼らが岸恵子に対して起こす、池部良の仲を巡っての〝吊るし上げ〟は。浦部粂子同様に、男の側の一方的な封建的な考え方に近く感じる。
だが、そんな吊るし上げに対して、全く怯む事がない岸恵子の姿。一体、女性側から観たらどう映るのだろうか?…「気持ちがスカッとした」って人もいるだろうが。その開き直りに対して、イラっと来る人の方が多そうな描かれ方に見え、「小津らしくないなあ〜」と、つい感じてしまったのですが…。
(他にも、「妊娠したかもしれない」と言う妻に対し。「そんな訳ないだろ!」…との台詞も有る)

※ 1 かねてより、小津安二郎が現代で監督をするならば。かなり凄腕のホラー監督として一流の腕を発揮しているんじゃないか?…と思っているのですが。岸恵子が受ける〝吊るし上げ〟に対するかの様に。池部良に対して淡島千景が行う単独での〝吊るし上げ〟

こ れ こ そ が ホ ラ ー 映 画 !

もう滅茶滅茶怖い((((;゚Д゚)))))))

名作多数の小津安二郎作品を意識して観ると。それらの作品の高みにまでは到達していない…とは思うのですが。小津安二郎その人を研究するには、やはり必見な作品だろうと思わずにはいられない作品でしょう。

※ 1 ホラー監督同様に、戦争映画作家でも在る…とも思っています。この『早春』でも、池部良は元軍人。元軍人仲間との集まりが有り、加東大介と三井弘次とゆう名脇役2人の演技をたっぷりと堪能出来る。しかし、『東京物語』の原節子の「私…狡いんです…」の様に。直接戦争の話では無いところから、突然此方の脳天をガツンと叩かれるが如く。戦争の無意味さを炙り出す様な台詞・演出がそれ程なかったのが、ちょっとだけ残念ではありました。

「そうか、土佐か」

「そうだよ、坂本龍馬だ」

「龍馬も居れば、トンマも居るか!」(^^)

初見 並木座

2019年5月9日 シネマブルースタジオ
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ネタバレ! クリックして本文を読む
戦争帰還者が現役サラリーマンをしている頃の昭和。

蒲田に住む杉山は、丸ビルに勤めるハンサムなサラリーマン。幼い息子を亡くしており、大恋愛の末に結婚した昌子との関係は冷えきっている。そんな中、通勤仲間の一人である派手な千代と不倫関係になってしまう…。

昌子の実家はおでん屋。
杉山は客だったのかな?
ともかく昌子からしたらエリートを捕まえたって感じなのかしら。

杉山夫妻を中心に、サラリーマン人生や結婚生活のあらゆる典型例が網羅されていました。

組織や他人と契約を結ぶことで得られる安定した生活の一方で、義務と退屈と不自由への忍耐が試される…。

隣の芝生は常に青いし、何でも思い通りに行くとは限らない。

儚く虚しい人生は、何も会社員に限ったことではないですよね。戦争が終わり無事生きて帰れて平和を味わっているけれど、待っていたのはこんな暮らしか、お国に従った次は会社に従うのか、と嘆いているのかも知れませんが。
いつの時代も、人生の春が過ぎるのは早いもので…。散ってから気付く春の花、乾いてから気付く青春の汗?

ほぼ毎朝駅で顔を合わせるからと、同世代の社会人らが職業の垣根を越えて学生のように仲良くなっていることに驚き。「通勤仲間」で日帰り旅行なんて、今ではちょっと考えられません。他人との距離がとても近いです。近過ぎて不倫にまでなるのだけれど、同じ最寄駅だからなかなかリスキーですね。

妻も不倫相手も「バカにしないでよ!」「何さ!」と男に噛み付きますが、結局折れて男の決断に従うのは女性側。こんな自己中男が愛され許されるのはイケメンだからなのか?!

妻が夫を懲らしめたい時に強制鑑賞させる映画は”Gone Girl”が最恐だと思っています(^^)。本作を夫婦間で活用するなら、なかなか許してくれない妻に観てもらう映画でしょうか…。しかし、昭和の価値観を押し付けないで!!とかえってブチ切れられる可能性もありますので、責任は持てません(^^)。

オリジナルでないものもありますが、名言(今や迷言?)がぎゅうぎゅうに詰まっておりました。

「人生からサラリーもらってるようなもんだよ。」

「間に合うってことはつまんないことね。」

「歴史は夜作られる。」(他作品)

「もう、これで男の子は一人もいなくなってしまいやしたもの。もう、誰も私に文句言ってくれる人はありません。」

「我が身をつねって人の痛さを知れだ。」
「つまり反省だな。Self-examination だ。」
「それがなきゃ人間、犬猫とおんなじだぜ。」

「Humanismってものはな、そんな時羨ましがっちゃいけねえもんなんだ。そういう風にできてるんだ。窮屈なもんなんだ。」

「女は三界に家なしだから。」
「古くたってね、人間に変わりはないよ、おんなじだよ。」
「折れべき時に折れないとね、取り返しのつかないことになりますよ。」

「色んなことがあって、段々本当の夫婦になるんだよ。」

「間違いは、お互いに努力して、小さいうちに片付けろ。」
「つまんないことに拘ってこれ以上不幸になるな。」

***

幸一と母親の、ずり下がった腰巻きのやり取りには大爆笑。

所で「アイスウォーター」は有料なのかしら(^^)。

…→氷が貴重な時代だから有料だろうとのこと!
npnnsee
npnnsee
いやー、昭和ですなぁ。社員が男女共々仲が良い。今なんかもうギスギスですぜ(笑)
しかしこの仲の良さが仇となり、今回のテーマは「不倫」いつの時代も変わりませんね。まあいつもの嫁に行くやら行かぬやらよりは面白い。
結論がねー、やっぱり昭和だ。そこがこの時代の良さだったのかもしれない。今ならもー血みどろですぜ(笑)
昭和の女性もなかなかしたたか、逞しい。日本の庶民の歴史の記録となろう。
wiyrvyn
wiyrvyn
淡島千景のどこに不満があるのさ!と言いたい映画。

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