江戸時代、大坂や伊勢と並ぶ日本三大商人に数えられた近江商人たちの活躍を描いた時代劇。現代の経済においては「裁定取引」(アービトラージ)と呼ばれる取引方法に着目した近江商人たちが、そろばん片手に知恵をふりしぼり、商売で勝負に出る姿を痛快に描く。ある近江商人との出会いから、大津の米問屋・大善屋で丁稚奉公することになった銀次は商才を発揮し、店の仕事はもちろん、ケガをして働けなくなった大工を救済する方法を考えたり、閑古鳥が鳴く茶屋に客寄せのアイデアを出したりするなど、さまざまな方面で町の人たちを助けていた。そんなある時、悪らつな奉行の罠で大善屋が千両もの借金を背負わされてしまう。銀次は店を守るため、大津と15里(60キロ)離れた堂島の米の価格差を利用した裁定取引を思いつく。飛脚でも半日かかかる距離を越え、情報を迅速に入手するため銀次は仲間とともに作戦を練る。銀次役は「許された子どもたち」で注目された上村侑が務めた。銀次の先輩・蔵之介役に「ちはやふる」シリーズなどで活躍する森永悠希、銀次や蔵之介とともに働く楓役に「アルプススタンドのはしの方」の黒木ひかり。監督は「老人ファーム」「鬼が笑う」の三野龍一。
近江商人、走る!コメント(7)
ストーリーは、幼い頃に身寄りをなくした銀次が、たまたま出会った薬売りに見込まれて紹介された大津の米問屋・大善屋で丁稚奉公することになり、そこで徐々にその才覚を表し、やがて周囲からも認められる存在となり、大善屋に訪れた絶体絶命のピンチをその商才で救ってみせるというもの。江戸時代の商売の話ではありますが、歴史や経済の知識が皆無でも楽しめるほどわかりやすく描かれています。
前半でその商才を生かして周囲の人たちを助ける銀次の様子を描きながら、ここで助けられた人たちが後半の伏線になっているという構成がなかなかよかったです。終盤で一致団結して手繰り寄せた大逆転劇はなかなか胸熱でした。さらに最終盤でもう一度ピンチが訪れますが、序盤で打った布石が大逆転につながるという展開で、王道時代劇のテンプレを想起させるものの、悪くはなかったです。
その一方で惜しいと感じたのは、ところどころに現代要素を大胆に取り入れたり、かなり誇張して描いたりしている点です。本作が史実に基づくものかどうかは知りませんが、少なくとも実在する「近江商人」をテーマに掲げている以上、あまりに軽いエンタメに振ったのはいささか疑問です。特に茶店の看板娘のくだりや悪徳奉行の悪ノリは、絵的にはおもしろかったですが、好みが分かれるのではないでしょうか。もっと知恵を絞って、当時の世相を反映した現実的な手法で庶民のピンチを救ったり、奉行の悪巧みを暴いたりして観せてほしかったです。そのほうが、より銀次の才覚を観客にアピールすることができたのではないかと思います。
他にも、気になることが多くて物語に浸れなかったのも残念でした。喜平は、大根一本まともに売れない銀次のどこに商才を感じ取ったのでしょう? その後に銀次が開花させる商才は、いったいいつどこで培われたのでしょう? なぜ親方と大げんかしていた大工が急に心変わりしたのでしょう? どうして中途半端に関西弁の人が混じっているのでしょう? 最後は本当に「三方よし」でした? そもそも近江商人はどんな点が優れていたのでしょう? 挙げだしたらキリがないですが、軽いエンタメと割り切って観れば気にならないのかもしれません。
キャストは、上村侑くんを主演に、筧利夫さん、真飛聖さん、堀部圭亮さん、前野朋哉さんらに加え、滋賀県とゆかりのある方々が脇を固めます。予算の都合で演技力と集客力のある役者さんを揃えられなかったのかもしれませんが、拙い演技は没入感を著しく削ぐので、もうちょっと頑張ってほしかったです。そんな中、矢柴俊博さん、森永悠希くんが、作品にいい意味の緊張感をもたらし、ひときわ存在感を放っていました。
人間犬にまたがった奉行が登場するに至って、真面目に時代劇を作るつもりがないということはわかったので、バカ映画として鑑賞を続行。
時代考証を期待する作品ではないとしても、しゃべり言葉は統一してほしいね。最悪、標準語ドラマでもいいんだけど、中途半端に関西弁がまじる。
どうやってケリをつけるのかと思いきや、あの時代劇フォーマットですか。半笑いです。
阿弥陀如来に来世を任せて、商売に邁進した近江商人は、近代資本主義を生み出したプロテスタントに近いと言われている。その一端を知ることができると期待した自分が、おバカでございました。
時代劇というあまり観ないジャンルの映画でしたが、これが意外にむかしむかししていなくておもしろい。チャンバラなんかもありません。
商才あふれる主人公の若者がまわりのひとを助け、そして巻き込みどんどん話が展開します。
小気味よいテンポ、わかりやすい内容、ちょとした笑い。見終えた感想は「きもちいい!」ですね。
年末年始、ゆるーく観るのにもってこいの作品です!
ヲタ達が踊り狂う、アイドルのダンスシーンなんて、絶句してしまった。ビジネス系エンタメと謳っているが、狂気の沙汰かと思うくらい、そうじゃない展開。
演出力も高校生は作ったのかと錯覚させられる酷さ。醜さ。
映画館や興行側など上映する側もちゃんと考えて欲しい。
江戸時代の近江商人たちが米問屋を舞台に、
日常生活の中で起こる問題を一つずつ、人と人の助け合いによって乗り越えていきます。
農村の子どもが人とのご縁を通じて、商人として成長していく中で出会う人々の商売の課題を発見し解決していきます。その人たちとは仲間となり、家族のような深い絆を育んでいき、大切な人たちとの輪が広がっていきます。
ストーリーの展開、テンポが早く、商売にうとい人にも難しくなく、あっという間に見終わりました。ついつい一人で考え行動しがちだけれど、仲間に頼る大切さ、そしてそれぞれの得意な事を活かし、みんなで目標達成に向けて行動することの大切さも表現されている楽しい映画でした。