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FLOWERS フラワーズコメント(20)
唯一の2枚目、大沢たかおさんに変なメガネを掛けさせるし男どもはヒール役か引き立て役に回された。エピソードの配置が杜撰で母子3代のつながりの必然性は画面からは感じられない、血縁などストーリーの関係性を出す為に頭で考えたこじつけだろう、脚本を練りに練って、昔の巨匠をもってしても難しい題材を甘く見たとしか言いようがない。
夫婦の在り方、家族の在り方を考えさせてくれました。少し前の日本の女の強さを、お母さんやお父さんの思い、夫婦の思いやり、こどもへの慈愛を教えてくれました。お互いを力強く支え合えって生きるっていいですよねぇ。なんかじーんときてしまいました。
結局は人気女優の競演といったイメージが強く、何も残らない。
映画館で観たのに、そのときは誰と誰が親子関係で・・・などと考えるのが楽しかっただけ。
「美しい日本女性」を題材にするのならば、もっと女性を個として掘り下げるべきだろう。年代を行き来して6人の女優を見せただけで、「美しい日本女性」を感じろというのは、なんとも乱暴な話だ。6人の女優も、婦人雑誌の表紙の変遷を見ているようなだけで、誰が誰の娘だったのかごちゃごちゃになる。
昭和40年頃の雰囲気を出したくて、小物を集めた努力は評価するが、こういうものって、写るかどうかわからないところにまで気を配るからプロの味が出る。それを、これ見よがしになんでもかでもカメラに収めるのって、つけすぎの香水みたいで下品だ。
キャスティングでよかったのは、官能小説家の長門裕之ぐらいだ。彼の役にしても、なぜ文芸作家から転換したのか、その過去は結局明かされない。
同じく女優をいっぱい集めた駄作に「NINE」があったが、あっちは女たちを翻弄する魅惑の男が主軸にいたが、こっちにはそれすらもない。
映画「FLOWERS フラワーズ」(小泉徳宏監督)から。
日本を代表する女優たちが、それぞれの時代に沿って
それぞれ悩みながら、一所懸命生きている姿を演じている。
その中で、どの時代の誰の生き方が良かった、といえば、
私は、素直に「広末涼子さん」演じる佳に一票を投じたい。
自分がこの世に生を受けるために、母親が命を落とした。
それは、彼女の中で、いつまでも引きずっていくことなのだが、
いつの時からか、それを喜びに変える術を覚えた。
平凡ながらも幸せな生活をおくる妹の佳を、
ピアニストになる夢が破れ、彼氏にも振られ、妊娠が発覚し、
心が折れそうな「鈴木京香さん」演じる姉の奏が呟く。
「桂ちゃんは何をしても楽しそうだなぁ」と。
それを受けて、妹がニコニコ顔で、素直に返す。
「楽しいよ~。ごはん美味しかったし、お風呂はあったたかったし」
妹は、こんなことにも、幸せを感じることができるのか、と
たぶん、驚いたに違いない。
布団に入り、むせび泣く姉を、大丈夫だよ、という気持ちを込めて
妹が、子守歌のようにさするシーン、思わず涙腺が緩んだ。
平凡とも思えることに「幸せ」を感じることは、
自分の生んだ子どもが小さい時に、母親なら誰でも体験しているはず。
「絵なんかすご~く上手なんだよ、天才だと思う。
何でもないことでもね。この子がすると特別に見えるの、不思議だよね」
この時の気持ちを、いつまでも持ち続けられる女性が、増えて欲しい。
きっと、周りも幸せにする力がある、と思えたから。