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わたしのグランパ プロット 日本 04月05日 2003 劇場で
わたしはダフネ プロット イタリア 07月03日 2021 劇場で
わたしは元気 プロット 日本 10月30日 2020 劇場で
わたしの見島 プロット 日本 11月13日 1999 劇場で
わたしは最悪。 プロット ノルウェー・フランス・スウェーデン・デンマーク合作 07月01日 2022 劇場で
美わしき思い出 プロット アメリカ 04月20日 1956 劇場で
わたし出すわコメント(14)
小雪 初の単独主演
予告編をみてかなり期待していました
だからわざわざ、終電ぎりぎりのレイトショーしかないのに
見に行ったんだけど・・・・・・・・・・
えらい駄作
薄っぺらい
ただ株で儲かった女が同級生に無駄に大金をくれてやるだけのお話です
公式サイトのコメント
この映画を見てのコメントなの???
おじさんはこの映画みてこんな褒め称えるコメントは書けないけどな
おかんのヘルメットも安っぽすぎるぞ!
一日一回 レイトショーなのもうなずける
大抵の人が思ったことがあると思います。
ただし、お金があっても幸せになれない人がいるし、お金がなくても幸せな人がいる。
全ての事がお金で置き換えられて価値はお金で図られる現代社会の矛盾をみているようでした。お金にできない価値を誰もが一人一人お持ちなのではないでしょうか。お金を持っていても、結局人は死にますしね。虚しいですね。
どのように稼いだお金なのか、なぜ出すのか、脚本も担当した森田監督は意図的にネタバレせずマヤには、その場の思いつきで、いろんなダーティーな方法で稼いだ金だとジョークを飛ばし、同窓生たちを煙に巻きます。
さらにマヤは仕事もはっきりしないという非常にミステリアスな存在として描かれています。いかにも森田監督が好みそうな展開で、掴みとしては、すごく好奇心をそそられました。
ただ、最初の台本では完成稿よりもさらに説明が少なくて、断片的な情報しかなく、主演の小雪は、これで本当に観客に伝わるのかという疑問を持ち、不安を感じたそうです。だから、最初は役作りに悩んだそうなのです。
そんな不安を消し飛ばしたのは、ロケ地函館の存在。近年函館を舞台として製作される邦画作品が多くなっています。エキゾチックな港町だが、どこかうらぶれた表情もさせる函館は、本作の隠された主人公の秘密を補って余りあるものがあるのでしょう。
小雪も、現地に入って、役をつかめる瞬間みたいなのがあったと語っています。「函館特有の空気感、土地柄、そこに住む人たちの人柄みたいなものが彼女を惹きつけているんだということが、肌で感じられるようになった」と試写会のインタビューで語っていました。
マヤのお金の出し方も不思議です。対象は高校の時の同窓生限定。その同窓生から自分なんかよりももっと貧困に喘ぐ世界の人たちに寄付したほうが、有効なのではというもっともな質問が出たけれど、マヤはニコッと笑って、あなたを応援したいのという一点張り。リアルティがないなと苦笑しつつ、次のエピソードのところでハタと気がつきます。
この物語自体が、『箱庭』なんだと。
箱庭の話は、同窓生のなかには、夫が箱庭を愛好しているというエピソードから出てきます。その夫が語る箱庭の魅力とは、自らが天地を想像した神のごとく、「地上」を俯瞰して、箱庭の世界を想像できることであるとのことなのです。
森田監督も、このリアルティーのないストーリーを敢えて作ったのは、大金を得て故郷に戻ってきたマヤと、旧知の5人の同窓生で箱庭世界を創造したのだと思いました。
本作で監督は神となって、主人公と同窓生達に大金を恵んだら。どのようなアクションを起こすのか、独り楽しんでいるのだと思います。
神となった森田監督が、用意した結末は、やはり褒章必罰となりました。あるものは妻が使い込んで、夫婦不仲となり、あるものは研究を止めたり、それぞれに挫折していきます。ここで神が語ろうとする教訓は、お金の与え方。お金を人に与えるときは、よく考えて出さないと、かえってその人をダメにしたり、不幸を招き込んだりすることがあると言うことです。
だから票になるからといって、国民にばらまく政府も問題ですね。それぞれに人たちが自立していこうとする意欲をそぎ取り、国家に安易に依存しようとする政策は、やがて国を滅ぼしていくことになるでしょう。与えることにおいて、智慧が必要なんだということはよく分かりました。
箱庭を楽しむ作品なので、結末は何でもありというのは理解出来ます。でも突然お金をあげた人が殺されたりするのは唐突過ぎました。特に金の延べ棒バラマキ事件のネタバレは、絶対に主婦が無益にそんなバラマキをするはずがないだろうとしらけましたね。
ラストは、マヤのスッキリしないネタバレと相まって、後半の展開がネタに詰まった感じがしました。掴みはよかったのに残念です。
感動するところは少なくて、不思議な主人公の行動によって、お金の使い方を考えさせてくれる作品と言えるでしょう。
路面電車ファンの小地蔵としては、市電の運転士道上とマヤが語り合う路面電車談義に多いに賛同した次第です。エコが叫ばれている割には、日本の路面電車はなかなか復活しません。そんな現状に憤慨し、世界の路面電車事情を見学したいという道上の夢にマヤはお金を出したのでした。それなら函館市電にも、ポンと新車購入資金を出してあげてもよかったのにね、マヤさん!
そして最終的に、主人公にはひとつの大きな救いが与えられ、、、。
人と金にまつわる真理を、静かに、たんたんとしたテンポで表現している。
金が題材であるにもかかわらず、静寂があり、しんみりと後味が良い。良作である。