ディス・マジック・モーメント
プロット
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11月25日 2023 劇場で
ディス・イズ・マイ・ライフ
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アメリカ
10月24日 1992 劇場で
ジュラシック・ワールド
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アメリカ
08月05日 2015 劇場で
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アメリカ
04月22日 2006 劇場で
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11月18日 2006 劇場で
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11月07日 1992 劇場で
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イン・ディス・ワールドコメント(4)
エナヤットの、少年のような純粋さと、たまに出る大人びた表情が、自然な彼の特性と、求められる特性が、入り混じっているように思える。
ラストの故郷への電話でのジャマールの表情が、もはや少年とは噛み合わない深さを感じられ、願いが叶わない残酷さを表しているようだった。
誰かが世界から取り除かれてもこの世界は、止まらない。ジャマール個人も止まることはできず、それは生きるための手段である。
作品はただただ2人のロンドンまでの道筋を淡々と映し出す。
「百聞は一見にしかず」、伝えたいことはドキュメンタリータッチの映像が全て語る。
フィクションでありかながらも圧倒的に事実に近い難民の現実をありのままに映すことで、この作品は映画として、伝える道具として大きな力を持つ。
自分たちに何が出来るか分からなくても、ただ知ることしか出来なくても、無関心よりはずっと意味のあることだ。
たまたまその国に生まれたばかりに、過酷な運命を背負わされてしまう子供たちのなんと多いことか。本作はパキスタンのアフガン難民キャンプからロンドンへ亡命する少年のドキュメンタリー・タッチのロード・ムービーだ。
タイトルから解るとおり、主人公ジャマール(実際のアフガン難民の少年を起用)は、生まれてから難民キャンプを出たことがない。それなのに彼はいきなり6400キロも離れたロンドンまで、正に命がけの旅をすることになる。旅の途中で彼らはいかがわしい“運び屋”に会ったり、検問に引っかかって連れ戻されたり、暗くて狭いコンテナの中で40時間も絶えたりなど、それはそれは過酷な経験をする。途中で連れが死んでしまうという不幸に見舞われながらも、ジャマールは時に盗みを働いたりしながら、何とかロンドンに辿り着く。こうまでして求めた“自由と希望の国”は、果たして彼にとって本当に自由と希望を与えてくれたのだろうか?ロンドンで皿洗いの仕事をしながら日々細々と暮らす彼の姿は、余り幸福そうには見えない。
パキスタン→イラン→トルコ→フランス→イギリス、これが彼が辿った道程だ。砂漠地帯の中東からヨーロッパへ舞台が変わると、セピアがかった明るく乾いた映像が湿ったグレーに変化するカメラも秀逸だ。ジャマールが初めて観た世界(イン・ディス・ワールド)は、彼の目にどんな風に映ったのだろう。日本人が“娯楽と癒し”の為にする海外旅行とは全く異なる彼の旅。それでも雪を頂く山に見惚れたり、大きなアイスクリームを舐めたり、サッカーに興じたりと、時折15歳の少年らしい無邪気さをのぞかせるが、ロンドンのモスクで一心に祈りを捧げるラストカットの彼の顔は精悍な大人の顔だ。
実際のジャマールが撮影直後ロンドンに亡命(難民保護申請は却下されたが、特例で18歳までロンドン滞在を許された)できたのも、この祈りが心からの祈りだったからに違いない。
ウィンターボトム監督の詳細なリサーチと即興演出で臨場感あるリアルな難民問題の衝撃。本作がイン・ディス・ワールドから少しでも難民が減ることへの第一歩となれば良いと思う。
実は予習無しで観てしまい、見事にだまされました。あくまでもドキュメンタリータッチにこだわった撮影のおかげで、ずっとドキュメンタリーだと思ってしまったのだ。恥ずかしながら、「ドキュメンタリーなのに人が死ぬのをだまって見過ごすのか!!」と真剣に考えてしまったり、前半部分で二人がイランからパキスタンへと引き戻された時にも映画のスタッフに怒りをも覚えたオバカさんでした。
それにしてもこの監督は現実と虚構の微妙な空間を表現するのが上手いです。『ウェルカム・トゥ・サラエボ』では、どちらかというとその両者の架け橋のせいでイマイチのめり込めませんでしたが、今作は成功しています。この映画の唯一の弱点は、ある程度裕福な難民を扱ってるということで、実際にもっと悲惨な大多数難民を上手く取り入れれば、更に素晴らしい映画になったに違いない。ジャマール少年の寒いギャグも素晴らしい・・・