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終電車 プロット フランス 04月10日 1982 劇場で
駅前満貫 プロット 日本 01月14日 1967 劇場で
月の満ち欠け プロット 日本 12月02日 2022 劇場で
命の満ち欠け プロット 日本 07月01日 2023 劇場で
満月のくちづけ プロット 日本 04月08日 1989 劇場で
嗚呼 満蒙開拓団 プロット 日本 06月13日 2009 劇場で
満員電車コメント(3)
社員研修へと向かう前に、デパガ、映画館もぎ嬢、同級生と、それぞれ過去を清算するため別れを告げる、かなりのプレイボーイだった茂呂井。就職すると、そこはオートメーション化された工場の片隅にある無機質な事務仕事。最初は伝票処理を就業開始から10分で片づけてしまったが、それを一日8時間でこなさなければならなかったのだ。独身寮の隣人・更利満(船越英二)に色々教えてもらうが、彼はこっそり会計士の受験勉強をしていたというオチもあった。
サラリーマンの悲哀を描いた前半と、予測不可能なほど転落していく人生をブラックコメディで描く。母親が精神病にかかったと思わせておいて、実は父親のほうが精神病だというオチもなかなか面白いが、それよりも大企業を解雇になった者が就職難で再就職できない社会なんて現代と同じ構造だと痛烈に皮肉ってる。
同級生だった壱岐留奈(小野道子)が突然独身寮を訪ねてきて「結婚してもいい」なんて言ってたが、それもかなわず、職安で再会。そのときはすでに彼女も結婚。小学校の小使いとして雇われるが、大学出身であることを偽って就職したものだから、またもや解雇・・・現代だと、よくある話だろうけど、この時代はまだ高度成長期前夜。希望が見える分だけまだ救われるのかもしれない。
大学を出て社会に出ていく男を描く話。若い川口浩が主役。
テンポよく話は進む。崑監督はリズミカルでいいねぇ。主人公はサラリーマンの悲哀を覚悟の上でなったと語るのだ。
カリカチュアされた退屈会社員姿を描くのだが妙にすっとぼけたタッチ。あと父親役で出てくる笠智衆に妙な面白みがある。
しかしリーマン苦悩街道を進むかと思ったら、どんどんダークな方面に。今では無理めな内容もいくつか…。最後は苦く苦く終わる。
令和の時代でもさほど変わっていないというのがまた苦い。でもビターなコメディとして楽しめました。若き川口浩すきだわ。