彼岸花

6.7/10
合計12件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   118分
言語   日本語
地区   日本
劇場で   09月07日 1958
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彼岸花 プロット

里見とんの小説を、小津安二郎・野田高梧のコンビが脚色したもので、結婚期にある三人の娘と、容易に意見の合わないそれぞれの家庭の親とを描いたもの。「東京暮色」以来一年ぶりに小津安二郎が監督し、「若い広場」の厚田雄春が撮影した。山本富士子の他社初出演をはじめ、有馬稲子・久我美子・佐田啓二・佐分利信・高橋貞二・桑野みゆき・笠智衆・渡辺文雄という豪華な顔ぶれである。

彼岸花 俳優

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彼岸花コメント(10)

Sxompsihnkg
Sxompsihnkg
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父権主義が、子供への愛情と時代の移り変わりの中で崩れていく様を、冷徹かつ温かいまなざしで見つめる。
最高の脱ぎっぷりを見せてくれるのは、残念ながら主演の有馬でもなく、特別出演の山本富士子でもない。毎度おなじみの、佐分利信である。勤め先から帰宅すると、洋服は畳の上に脱ぎ捨てられ、自分では片付けることなどない父権の象徴。これに正面から反発して、恋愛結婚を成就させようとする佐分利信と有馬稲子の不器用な父娘関係。
そこに、山本演じる京都の旅館の娘が現れて、子の幸せを願う気持ちを、父親に確認させることで、父権の旗を降ろすことに成功する。この山本が、非常に美しく、性的な魅力に富んでいる。この魅力は親世代にも伝わるもので、彼女との駆け引きをすることになる父親役の佐分利信は、存在そのもので、言外にその心情を観客に伝えることができる俳優だと思う。
しかし、何故他社の俳優である山本をこの作品に起用したのだろうか。その美貌だけが理由ではないはずだ。それまでの松竹作品には出ていない俳優を起用することで、外界からの来訪者という位置づけを観客の先入観に織り込ませたとしたら、大当たりのキャスティングではなかろうか。この作品における山本の役は、それほどまでに重要だということだ。
そういえば、佐多啓二の学生時代の知り合いで、佐分利の会社の若い社員、「東京マダムと大阪夫人」にも出ていた、高橋貞二。彼もまた、物語のアウトサイダーとしての役どころをその飄々とした雰囲気で、端役ながらきちんと勤め上げている。
npuvhkr
npuvhkr
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監督初めてのカラー映画だったそうですが、あまり映像にはハッとなりませんでした

個人的には晩春のほうがストーリーもシンプルでよかったです

晩春に比べると、えらく亭主関白な父親像でしたが、
これはこれでおもしろかった
Kshgmxniosp
Kshgmxniosp
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小津安二郎作品
本当に素晴らしい。
父親万歳の時代。
母親は防空壕で家族で過ごせた事を懐かしく思う、と言う。
この素晴らしい昭和観は忘れずにいたい。
東京と京都弁のギャップ、父親心、娘心。
結婚は金かと思ったけど真鍮だった
けれど真鍮を金にするのが夫婦
色々な立場の人の心の機微を上手に撮ってあり本当に素晴らしい。
山本富士子、有馬稲子の美しさにもウットリでした。
結婚してみても良いかもと思える作品です。
bofjnzw
bofjnzw
・他人の子の結婚話だと理解示すくせに、自分の娘となると譲らないのが頑固親父なんだな
・こんちゃんのバーのくだりで大笑い
・笠智衆の詩吟、聴き入っちゃった。ぐっとくる
・頑固っていうより、素直じゃないのか
Eimueieemdlvb
Eimueieemdlvb
4人の若い娘が登場しますが、実のところ本当のヒロインは田中絹代です
彼女は実年齢49歳、母親役ですが、それでも彼女が一番長く登場し、一番多くカメラのアップを受けます

そのチャーミングなこと、そして美しいこと、可愛らしいこと
若い美女達をものともしません

監督もカメラも彼女を美しく捉える事に全身全霊をかけていることがひしひしと伝わってきます

序盤の結婚披露宴での夫の祝辞の言葉の中で、自分達夫婦には恋愛もなくとか卑下した時に、彼女が見せる微かな笑顔で、それを否定してみせるなんとチャーミングなこと!

そして披露宴が終わって夫が友人達と飲んで帰って来てからの彼女が甲斐甲斐しく夫の衣服などを片付けたり整えたりとチョコマカとする動きを画面の中に延々と捉え続けるカメラの視線は恋人を追う視線のようですらあります

小柄で控えめで、それでいて妻として母親として毅然と夫に意見もする

頑固で感情表現の不器用な夫の本当の心情の理解の深さ、夫のコントロールの手綱さばきの見事さを、素晴らしい演技とカメラで、理想の妻の姿を具現化してみせています

山本富士子も浪花千栄子も生まれは大阪ですが、それぞれ高校だったり、女給で働いたところが共に京都で、本当の流れるような京都弁を話しています
いくら方言指導してもネイティブには直ぐに分かります
というか現代ではネイティブですら、このような本当の京都弁は話せなくなってしまっています
本当の京都弁を久方ぶりに聞いて本当に懐かしく、嬉しくなりました

配役においてこの二人の役は、この本当の京都弁を話せるか否かで決まったものだと思います
他にいないのだから、例え大映の女優であっても配役するほかなかったのです
それは小道具に本物の美術品を使って撮る姿勢と同じことなのです
この二人の登場シーンは、特にコミカルで愉快で楽しいものでした

本作は小津作品初のカラー撮影作品です
白黒でなければという監督もおられる中で、本作はカラーでも全く違和感はありません
しかも単に色が付いただけではなく、カラー撮影になってよりクォリティーが増しているのです

色温度が低めの暖色系の色調のアグファカラーのフィルムに、一種独特のレンズの味が合わさって、えもいえない格調ある写真になっているのです

そして要所のシーンにアクセントとしておかれる赤い小道具の数々の使い方
ため息がでます

けれども題名の彼岸花も赤い花ですが、それは劇中には登場しません
赤い小道具が、彼岸花を代わって象徴しているのだと思います

花言葉は情熱、独立、あきらめ、思うはあなた一人、また会う日を楽しみに、とあります
その花言葉に本作の内容が込められているのです

そして夏の終わりから秋にかけて咲く花でもあります
娘は巣立ち、親は歳を取っていくのを実感するのです
それが蒲郡でのクラス会の翌朝シーンの台詞とつながっているのです

クラス会の夜の詩吟の内容は、叛逆者を討つ為に決起したものの結局敗れてしまう武将のことです
つまり親は子供には勝てないということなのです

素晴らしい傑作です