エマ、愛の罠

8.9/10
合計694件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   107分
言語   まだ情報はありません
地区   チリ
劇場で   10月02日 2020
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エマ、愛の罠 プロット

「ジャッキー
ファーストレディ
最後の使命」「NO」などで知られるチリのパブロ・ラライン監督が、1人の女性の奔放な愛の姿を大胆に描いたドラマ。ダンサーのエマは、ある事件をきっかけに心の拠り所を失ってしまった。 振付師である夫との結婚生活は破綻した彼女は、その妖しい魅力を武器に実直な消防士、さらに彼の妻までをも虜にしてしまう。

不可解なまでに奔放なエマの行動。その行動の裏には衝撃的なある秘密が隠されていた。主人公エマ役を新人のマリアーナ・ディ・ジローラモ、夫のガストン役を「モーターサイクル・ダイアリーズ」「バッド・エデュケーション」「バベル」のガエル・ガルシア・ベルナルがそれぞれ演じる。2019年・第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品作品。

エマ、愛の罠 オンライントレーラープレイ

エマ、愛の罠 俳優

エマ、愛の罠 写真

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エマ、愛の罠コメント(1)

gafhgqa
gafhgqa
ネタバレ! クリックして本文を読む
"Dancing is a perpendicular expression of a horizontal desire."
ダンスは水平方向の欲望の垂直方向の表現とされている。
この一節は、バーナード・ショーの言葉が、起源とされているけれど定かではない。彼は、これに「音楽によって合法化された」を付け加えている。
その意味は、文章からはあまり分からないけれど、主に男女間の性行為の婉曲的な表現方法のひとつとされている。

音声言語に移行する前にジェスチャー理論が人類の発展の途中には存在し、人以外の霊長類でもジェスチャーや記号を用いてコミュニケーションを図ろうとするものもいるとされている。その特徴として、一度に多くを語ることができる非言語的シグナルとサインの一種の組み合わせから、そのことを利用して、人の体は本能的に決して嘘をつかないので、ほとんどの人はダンスというジェスチャーで自分自身を魅力的に異性・同性構わずにアピールをする。繰り返すと、この文章は、そのジェスチャーを婉曲的に表現をしているので、アケスケに言うなら、この映画のイメージとプロットに上手くマッチしていると言える。チョット出だしから堅苦しい言い方や表現に...  失礼

映画は、あまりにも唐突で大胆な行動と描写から、幻想的にも夢想的にも感じられるオープニングから幕が上がる。

Maybe we won't see your beautiful body again. So we'll say goodbye
now. If you need us to commit a crime, just call us. Whatever you need.
We'll be nearby. It' the night thing, isn't it? Of course.
-Will someone kiss me goodbye?
エマ... 物語りの主人公。彼女の外見から、下手に女性ですか?とストレートに聞くとシラケてしまい... まして、ジェンダー的にニュートラルなんて安っぽい言葉を使いたく無くなる。彼女から放たれるオーラは、悪魔のような心を持ったアンドロジナス。そしてJanuaryの語源で過去にはテレビドラマでも取り上げられた人の心を瞬時に見抜くヤヌス神。さらには、七大天使のサリエルのように天使でありながら死神のような... これはチョット言い過ぎかな? 女性から”犯罪を犯すなら手伝うから直ぐに教えて” なんて言われるほど美貌というよりは、ただただ、魅了的で謎めいた人。映画の中でとにかく誰よりも異彩を放っているのは確かな事...

映画の冒頭。地球を模したような精巧な照明の放射性惑星を思わせる巨大球体のオブジェの前で踊るシーン... 多くのダンサーの中でも彼女の不思議観が他を圧倒するように全体が暗い中でもハッキリと彼女の踊る姿だけは終わりまでフォローすることができる。

この映画、ダンスシーンが、パズルのピースのように映画のプロットに突然加わってくる。そのことが、監督の手腕なのか、脚本家の手腕なのかは分からないが、プロットの展開においては一切、邪魔をしてはいない... それどころか、それ以上に 圧巻なのが、真っ白な内壁に薄い灰色と白とのチェッカー・パターンの床で構成されている巨大空間。シンメトリーさを追求したような構図の中にいきなり青年と少年が背に太鼓を乗せ、その太鼓をたたきながら回転しながら踊るシーン。また、エマを中心にダンサーたちが、港湾都市バルパライソの町を踊りながらめぐるシーン。そして港湾都市さながらの色とりどりの遥か向こうに散りばめられた光の模様の夜景をバックにエマのソロダンスのシーン。その踊りのピース、ピース。ダンスのワンシーンとワンシーンが視覚的にエキサイティング過ぎて素人目にも涙が... 何もかも支えているのが、ある時は母親の手の様に暖かく、またある時は悪魔的に激しく、ダンスとの融合を果たしているフィルム・スコアの存在。ただし、そんな素晴らしいシーケンスなのに集団で踊る場面はレディー・ガガのようだと揶揄する人もいるけど... Humph!

夜全体と言うか夜景をとにかく美しく描き撮影されているのは間違いがなく、色使いであったり、点滅する光であったりと... 南米ってこんなに美しいなんて  朽ちた壁や汚れたビル、コンクリートがくずれた橋の欄干なんてものまで美しく見える。それもそのはずで、前半の何とも言えない物足りなさがあるシナリオに加え、表現のしにくい話の進み方から後半では、その夜間の風景と彼女のエロティックさ、若さ弾ける姿態が溶け合い、また多く登場するカット割りとプロット・ポイントが激しく変化をし、最後は、日本の固定観念や道徳理念、まして倫理観では到底理解のできない、そんなものが通じない代物に... ラストの場面は、あたかもたく卵するカッコウのような行動と同じような表現に... 意外過ぎて意味不明かも?

印象的な火炎放射器で街を焼くシーン... 予告編で知らされない別の想いから
「私は自分の好きなものを焼き払って破壊するあらゆる権利を持っています。私は娘のためにしているので、誰かの許可を求めるつもりはありません。なぜなら、彼らが私の娘を殺す前に、彼らは多くの、他の多くの女性を殺したからです。」
これは、2016年1月メキシコで起こったマリチュイ事件。わずか19才の若さで亡くなったマリチュイの母親が、政府が事件を娘マリチュイの自殺とただ処理したことによる抗議の言葉より(sound and color と The New York Times より)
今、メキシコでは、”フェミサイド(femicide)” と呼ばれる女性・少女だけを狙った殺人事件が横行している。その事実から発想を得てオマージュしたのではないか?... と あまりにもこの映画での火炎放射器の使用がマリチュイの母親の言葉通りに街を焼き払うかのように連想させるため...

最初から、途切れ途切れでトリッキーな構造のためにとっつきにくいシナリオの中に劇的なシーンと物語の本筋との数々のピースをつなげ合わせるのに時間がかかりすぎてイライラするあまり、パズルを投げ捨てるような気分にも.. でも情報の最も荒い破片の中には、あなたが決して見ることのできない前衛的で決して考えも及ばない不道徳であり、また非倫理的な演技スタイルとダンス・スタイルをエマは見せつけている。

常識や倫理を覆すクライマックス・シーンを受け入れられるのか? あり得ると思えるのか?...
その事は、チリの軍事政権崩壊後10年ほどは、落ち着いた社会のあったチリ。それが、ミレニアムを迎えると一変し、教育予算の低下や貧困率や経済格差が最悪の状態となっている。映画でも港湾都市の通称:”天国の谷” バルパライソ... 天国なんておこがましくって、やり切れなくって何故か街全体が華やかさが失われているようにも感じる。
映画の何とも言えない意外性を表すには、チリの危機的な状況の経済格差が成しえる業が必須と言えるかもしれない。

映画監督のパブロ・ラライン… Notebook Interviewより
この映画の主題は、エマ流の愛、欲望、家族、ダンスの表現方法であり、彼女は映画の論理から太陽だとし、彼女の周りにすべてのものが形成され、近づきすぎると、火傷をする可能性があると、だから私たちにとって、彼女はある意味、母なる自然を表し、母なる自然は、優しくて大らかであると同時に、非常にタフで決断力があると...  付け加えると、この映画にフェミニン映画というレッテルを貼ってほしくはないと語っていた。

最後に言える事は、ここに出てくる男性陣は魂のない、または抜かれちゃった動くデク(人形)のように形・物としては、存在はしていても人としては存在していませんから

シノプスの象徴 : 40億年後の母なる星が、赤色巨星になり、それでも狂ったように踊り続ける女性というジェンダーを超えた生き物の誕生を描き、そのパワーを持て余すぐらいに激しくダンスと性に生き続ける神に近い存在となったジェンダーなんて取るに足らない事を意識させない未来形の躍動する生き物の姿...   何か?