駒田蒸留所へようこそ

7.8/10
合計10件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   91分
言語   日本語
地区   日本
書かれた   木澤行人
劇場で   11月10日 2023
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駒田蒸留所へようこそ プロット

世界からも注目されるジャパニーズウイスキーを題材に、崖っぷち蒸留所を再興させるべく奮闘する女性社長と新米編集者が、家族の絆をつなぐ幻のウイスキーの復活を目指す姿を描いた長編アニメーション。亡き父の跡を継ぎ、家業である「駒田蒸留所」の社長に就任した駒田琉生。経営難に陥った蒸留所の立て直しを図る彼女は、災害の影響で製造できなくなった幻のウイスキー「KOMA」の復活を実現させるべく奮闘する日々を送っていた。そんなある日、自分が本当にやりたいことを見つけられず転職を繰り返してきたニュースサイトの記者・高橋光太郎が、駒田蒸留所を取材に訪れる。琉生役で早見沙織、光太郎役で小野賢章、蒸留所の広報担当で琉生の幼なじみ・河端朋子役で内田真礼、ニュースサイトの編集長・安元広志役で細谷佳正が声の出演。「花咲くいろは」「SHIROBAKO」のP.A.WORKSがアニメーション制作を手がけた。

駒田蒸留所へようこそ 俳優

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駒田蒸留所へようこそコメント(20)

Komnxhgpiss
Komnxhgpiss
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私がこの世で一番嫌いな広告コピーがYoutubeの「好きなことで、生きていく」です。本作は、このコピーにアンチテーゼを唱えるような映画でした。素晴らしい。本作の提示する仕事観の方がよっぽど現実的で魅力的です。例え自分の知らないことであっても、自分なりに一生懸命に取り組んで「好きになっていく」過程が面白いのだと思います。

あと、私は声優オタクなので、本作の声優陣が現在第一線で活躍している実力派で固められていることにちょっと感動しました。アニメ映画は声の演技に難のあるアイドルや俳優さんが演じて作品の質を落としていることも少なくありませんからね。主演を務める早見沙織さんが歌うエンディングテーマも良かった。ただ、完全に駒田琉生じゃなく早見沙織の暴力的な歌唱力で歌われる曲だったので、歌手の名義はキャラ名義じゃなくて早見沙織本人にした方が絶対良かったのでは……?

・・・・・・・・・・・・・・
ウェブニュースサイトの記者をしている高橋光太郎(小野賢章)は、サイトの新しい企画である国産ウイスキーの特集を任された。ウイスキーに全く興味がなく、ただ上から振られた仕事だからと適当に仕事にあたっていたが、準備不足により取材先で失敗を連発し、取材に同行していた若きウイスキーブレンダーの駒田琉生(早見沙織)と河端朋子(内田真礼)に呆れられてしまう。ウイスキーについて勉強するため、半強制的に琉生が社長を務める駒田蒸留所で手伝いをさせられることになった。
・・・・・・・・・・・・・・

本作は人気のアニメ制作会社「P.A.WORKS」が製作したお仕事シリーズの最新作です。
これまでも「旅館」(花咲くいろは)や「アニメ制作会社」(SHIROBAKO)という狭い業界の話を描いてきた製作会社ですが、本作もウイスキーの蒸留所というかなりニッチなところを攻めたお仕事アニメになってますね。

私は本作のようなニッチなところにクローズアップした作品が大好きです。ニッチなテーマであることを製作陣も自覚して作っているので、初見に優しい丁寧な説明がされ、知識の有無にかかわらず楽しむことができます。例えば野球やサッカーやバスケみたいなメジャーなスポーツを題材にしている作品だと「これくらい知ってるだろ」と言わんばかりに用語が出てきたり試合が進んだりするので、スポーツに疎い私は理解できずに置いてかれることが多いので苦手なんです。

ストーリーも良かった。
ウイスキーに無知無関心な主人公の光太郎は、私と同様ウイスキーに無知な多くの観客にとって自己投影しやすいキャラクターであり、光太郎に対するウイスキーの説明がそのまま観客への説明にもなる、本作のようなニッチな世界を描く作品には無くてはならない存在です。そしてウイスキーだけでなく仕事に対しても無気力だった彼が、亡き父の跡を継いで蒸留所の社長となった琉生との交流や衝突を通じて、仕事に対する考え方を改めて成長していく。一人の人間の成長物語としてよくできていたと思います。

不満点はあんまりないんですけど、強いて挙げるならキャラクターの顔の造形の作画がところどころ崩れているように感じたところですかね。顔面がアップになるシーンでは、特にそれが顕著でした。P.A.WORKSの作品は『花咲くいろは』しか見たことないですけど、「こんなに顔の作画おかしかったっけ?」と何度か感じ、映画鑑賞のノイズになっていました。テレビサイズで観る分には問題ないけど、劇場の大画面で見ると違和感抱くのかもしれません。

仕事をする大人にこそ観てほしいアニメ作品でした。オススメです!!
Gpinohssmkx
Gpinohssmkx
面白かった。
話は『王道』。ですが王道をしっかりと突いてこれる丁寧な作り。
『王道』なので下手な脚本家が書くと陳腐になりそうですが、木澤行人、中本宗応、流石です。
ウイスキー造りを違和感なくストーリーに入れてくるあたり、うまさと真摯さを感じました。
「画が超きれい」みたい映画ではありませんが、テレビでなく映画として作られていて、しっかりと描かれていました。背景の丁度いい感じの質感。抜くところは上手に抜いて
『ここ!』という所のキメ画をシッカリ。雲の表現が良かった。人物の細かい所作も描かれていて、手を抜いてない質の高さを感じました。
そして、その質を担保する為、アクターも上質で、それらが「この映画はこのレベルの映画ですよ」と教えてくれている気がしました。
『ツッコミ』入れたくなる所もありはしましたが、「話を進めて行くためなので仕方か~」とも思えましたし、それも上手くフォローしていたりして、それはそこまで気にはなりませんでした。
ですが一番ツッコミを入れたくなったのは、最初、光太郎がいい加減過ぎて「こんなやつ採る?できる編集長がこんなやつに仕事まかせる?」と思いました。そこも小野賢章と細谷佳正のうまさで耐えた気がします。下手なアクターがやってたらきっと駄目だったと思います。それでも、もうちょっと納得いく説明が欲しかったです。
丁寧な作りで役者も大げさな演技せず、演出も自然な感じに努めようとしていて、
少々クサイところも自然に入っていけて、途中から何回も色々とウルウル来ました。
P.A.WORKSの仕事系は面白く、好きなのもありますが、映画館で観て良かったです。
この映画自体の『まとまり』が良く見応えがあり、映画館で観る映画だと思います。
特に映画館で観て良かったなと思えた所は『音』です。『音』良かったです。
この映画はエンドロールまで見て欲しいです。で、早見沙織は才女で歌も上手い。
あと禁酒中の人は要注意です。ウィスキーが飲みたくなります。
そして飲む時は、お酒に感謝して飲まないといけないな、思わせてくれる、そんな映画でした。
Rtyteveaah
Rtyteveaah
アニメ制作会社P.A.WORKSが手がける「お仕事シリーズ」の第5弾だそう。過去4作ではそれぞれ旅館、アニメーション制作、町興し、水族館という職場や業種で働くことを通じて成長していく女性たちの物語を描いてきた。一方で今作は、駒田蒸留所の若き女性社長・琉生が幻のウイスキーを復活させるべく奮闘する姿を、取材する新米編集者・光太郎の視点から語りつつ、当初やる気のなかった光太郎が仕事の責任や面白さに気づいて成長する過程も描いていく。光太郎がいわば映画の案内役となり、蒸留所での製造工程や琉生と従業員の働きぶりを見聞きすることで、お酒に詳しくない観客にもウイスキー造りの概要を伝える格好だ。

私自身ウイスキー好きで、ニッカの余市蒸留所を訪問したこともある(大人気の蒸留所見学はあいにく予約が取れず、ミュージアム入場と試飲どまりだった)が、アニメでも蒸留所設備の質感や雰囲気がリアルに再現され、仕込みから蒸留、長期の樽熟成といった工程も分かりやすく伝えられていると感じた。

キャラクター造形に関して、記者としてのキャリアが皆無に等しい20代半ばの光太郎が、取材対象の蒸留所社長の琉生に対し、歳が近いからか女性だからなのか、タメ口まじりで話すのには何度もいらいらさせられた。記者として社会人として未熟な面を強調することを意図した脚本だとは思うが、それ以前に人として他者との接し方に問題があるように感じられ、彼の成長にいまひとつ共感できないままだった。

観ながら気になっていたことがもう一つ。ウイスキー造りの話であるのに、肝心のウイスキーの魅力、琥珀色に透き通る見た目の美しさであるとか、うっとりするような芳醇な香り、味わった時の感覚的な喜びや高揚感のようなものが、ごくごく控えめにしか表現されていないことだ。味と体験が素晴らしいからこそファンが増えて経営が成り立ち、またそうした味と体験を提供することこそがウイスキー造りに携わる人々のやりがいや誇りであるはずなのだが。想像するに、観客の年齢を問わないG区分で劇場公開するため、酒の美味しさや飲酒の愉しさを描写するという部分で妥協せざるを得なかったのではないか。「酒そのものや飲酒する行為を魅力的に描いたせいで未成年の飲酒を誘発した」などと批判されるのを未然に防ぐため、描写を控える判断になったのでは。もしそうした自主規制がなかったなら、ウイスキーに興味がなかった光太郎が次第に味がわかるようになり、終盤で完成する銘柄を堪能して感動するという展開になったのでは、と酒好きの私は妄想してしまう。
Paeornbsewl
Paeornbsewl
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以前から興味のあった作品を出張先で観る機会があり、やっと鑑賞しました。

で、感想はと言うと…面白い!
個人的にウイスキーは大好きで、いろんなウイスキーの蒸留所に足を運んでいるので、こういったウイスキーに纏わる作品は興味津々と言うか、大好き♪
様々な土地のベンチャーウイスキーの蒸留所がモデルにしているのも良く分かるし、物凄く良く調べられている。世界中で注目されるジャパニーズウイスキーでも小規模で製造されているベンチャーウイスキーに焦点を当てられてますが、細かい部分でもきっちりと練り込まれている。
物凄くウイスキー愛に溢れています。

世界五大ウイスキーの1つとして挙げられるジャパニーズウイスキーは近年、サントリーの「山崎」や「白州」、ニッカの「竹鶴」などのブランドウイスキーの価格高騰や中国市場での買い占めが取沙汰されてますが、日本のウイスキー市場の8割近くを占めるのは比較的低価格クラスのウイスキー。
それでも「安かろう悪かろう」ではなく、様々な飲み方にも対応出来つつ、料理との相性も抜群なのは価格を超えた高品質の表れ。
サントリー、ニッカ、キリン等の大規模な企業での製造以外にも小規模で「ベンチャーウイスキー」と称される地ウイスキーは規模こそ小さいけど、ハイクオリティな物も多く、市場に出回りにくい物も多い為、プレミアが付いている物もあります。
ただ、一般流通も殆どしていなく、ウイスキーマニアでないと知らない銘柄も多い中で、様々な土地で蒸留されているウイスキーのお話はウイスキー好きには嬉しい限り♪
柔らかい絵柄に様々なウイスキーの基礎知識が盛り込まれた作風はウイスキー好きでなくても、見応えある作品なのは、流石「お仕事アニメ」を得意とするP.A.WORKSの本領発揮かと思います。

通を唸らせる様々な蘊蓄だけでなく、ウイスキー工程の流れもマル。ベンチャーウイスキーの多くの蒸留所が焼酎やジンを足掛かりにして、ウイスキーの蒸留に着手すると言うのはウイスキーを仕事にしているものには当たり前でも普通は知らない知識。
特に幻のウイスキー「KOMA」の最後の決め手になる「カスクフィニッシュ」には“よくぞここまで!”と膝を叩きたくなる程のウイスキーへの愛を感じます。

また、変に恋愛に片寄らないのも良い。
駒田蒸留所の社長でヒロインの駒田琉生とニュースサイトの記者、高橋光太郎との関係は恋愛に行ってもおかしくないのに、そこに至らなかったことがとても良い。
アニメだからと言う偏見では無いんですが、男女の登場人物がなんでもかんでも恋愛に発展すると言うのはちょっとあざとい感じで個人的に嫌。
“恋愛にうつつ抜かさずにもっと確りとウイスキーについて考えんかい!”と言うオジサンの気持ちをよく御理解頂いてますw

また、シングルモルトではなく、ブレンデッドなのも良い♪
どちらかと言うとシングルモルトとブレンデッドでは価格の違いもある分、シングルモルト>ブレンデッドと言う風潮がありますが、会社規模の経営関係でベンチャーウイスキーの本懐はブレンデッドかなと個人的には思います。
また、ブレンデッドは様々な組み合わせでシングルモルトを上回るようなウイスキーが産まれることもあり、それこそがブレンダーの本領発揮ではないかと思います。

琉生がウイスキーのイメージをイラスト(それもBLテイストw)で表現しているのはご愛嬌w
この辺りがちとアニメ作品っぽいし、何処か「神の雫」的な感じもあるw
けど、そのイラストが海外でウケると言うのは結構伏線回収としては上手いと思います。

ただ、多少なりともツッコミどころが無い訳ではなく、高橋光太郎のイージーなミスはちょっと“…おいおい…”どころの騒ぎではない。校了に際してのミスの確認はし過ぎてもし過ぎないのに、時間が無かったとかはあり得なさ過ぎ。
またウイスキーを樽で熟成保存する「ウェアハウス」の漏電火災は最初光太郎が原因かと思ったw
琉生の兄の駒田圭がライバル企業の社員でありながら、終業後にライバル先のウイスキーの開発に多分に加担するのは実家の家業の手伝いとは言えど、どうなのかとw
“ベンチャーウイスキーの希望でウイスキー好きが待望する「KOMA」の復活になら、喜んでお手伝いしますよ”と言うぐらいのくだりがあればまだ納得出来ていたけど、光太郎のチェックミスで起こしたトラブルを鑑みると…ちょっと難しいわなw

個人的にはもう少し、ベンチャーウイスキーの開発に地元活性化や地元食材とコラボ企画なんかが作中に盛り込まれていると良いのかと思いますが、本筋に変な流れが組み込まれる感じもしなくもないので、悩むところではありますが如何でしょうか?

約1時間半と言う上映時間も観やすいし、かと言って中弛みもない。光太郎の成長物語でもあるけど、琉生の成長物語でもあるし、ベンチャーウイスキーの成長物語でもあるのはいろんな意図が含まれる作品の懐の深さかなと。
とても上質な作品でウイスキーをよく知らない人でも楽しめるし、ウイスキー好きな人ならより一層楽しめる。
ウイスキーをストレートで味わうような重厚さやロックで味わうような変化の妙。また水割りのような飲みやすさやハイボールのような爽快感が味わえる作品!…と言うと…言い過ぎですかねw
でも、とても良い作品なので機会があれば是非鑑賞してい頂きたい作品。お薦めです♪
Misgspohkxn
Misgspohkxn
ネタバレ! クリックして本文を読む
「その映画に”感動”できたかどうかは、
その映画にどれだけ”共感”できたかの指標である」ように思う。

新人ライターの高橋 光太郎は、無気力な若者である。仕事に真面目に取り組む人たちと自分を比べ、頑張れない言い訳ばかりを並べて、行動に移さない。

「好きなものがないから」「得意なことがないから」と、何かしら理由をつけて、頑張らない。そんな光太郎の姿が自分に重なる。自分も、なんだかんだと言い訳をして、周りを妬んではいないだろうか。

そんな光太郎は、社長の琉生に対しても妬みをおぼえる。
「自分の好きなウイスキーを仕事にできて幸せだよな。自分もやることが決まっていれば...」と。

しかし、琉生は社長になりたくてなったわけではなかった。
思い入れのあるウイスキーを復活させるために、社長にならなければいけなくなっただけであった。そのことを、古株職員の努さんから教えられる。

そこから、光太郎は変わっていく。

好きなことを仕事にしている人ばかりではなく、楽しそうに仕事をしている人でも、何かを諦めて仕事をしているのかもしれない。

自分が”今”を楽しめていないだけであるのに、言い訳を並べて、他人を妬んで...

今の自分に集中して生きていきたい。そんなことを考えさせられた。映画だった。