PFFアワード2023に入選した短編「サッドカラー」などで高い評価を得る新鋭の映像作家・高橋栄一監督が、ASD(自閉症スペクトラム症)のグレーゾーンと診断された自身の経験に着想を得て手がけた長編作品。その独自の視点と切り口で、「愛すること」をテーマにモノクロームの映像で描いた。不動産会社に勤める茂木ハジメは結婚して数年になる妻のミツと2人暮らし。ある日の勤務中、ハジメは普段とは全く違う格好のミツを街で見かけるが、帰宅後に本人に聞いてみると、ミツはどこにも外出していないと言う。ミツへの疑念や行動を掴めないことへの苛立ちから、ハジメは家に隠しカメラを設置する。周囲の人々の言動に心を掻き乱されながらも、妻の監視行動を続けるハジメ。そしてある日、ミツを尾行しようとする彼の前に、見知らぬ少年が現れ……。主人公のハジメ役は「MAD CATS」「クレマチスの窓辺」のミネオショウ。映画デビュー作「少女 an adolescent」で国際的にも評価されて以降、活躍を続ける小沢まゆがヒロインのミツ役を演じているほか、プロデューサーも務めている。
ホゾを咬むコメント(3)
夫婦円満の秘訣を伝授する教育的作品とか、◯津◯二郎のパロディとか、色々解釈・連想できる面白い一本。
柔らかいトーンのモノクロで綴られる白昼夢。夫が務める不動産会社を訪れる変な客たちやら、日焼け止め男 (「はこぶね」の 木村知貴) やら、飛行帽の少年やら、クセのある脇役が可笑しい。
実にあっけない結末も良い。客を選ぶ作品とは思うが決して出来は悪くは無い。
普段家から出ずに過ごす妻とそっくりだけど派手な服装の女を見かけ、帰宅後聞いたら出かけていないと言われて…。
モノクロにしている狙いも良くわからないけれど、全体的に引きの画が多いし画面が暗いし、殆どの場面で表情がよく見えない。
何がしたいのかわからないシーンも多いし余計な間が多く、会話も噛み合っていなかったり、兎に角まったりで非常に冗長。
カメラを買いに行くシーンも店内のポップを読んで察して下さいですか?
疑心暗鬼に陥って、闇堕ちしたり狂気的になって行く様な感じもなければ、鬼気迫る様子もなく、子供がついてくる辺りからの流れはかなり無理があるし。
自分には何から何までと言っていいぐらいハマらなかった。