神の道化師、フランチェスコ プロット

イタリア・ネオリアリズモの巨匠ロベルト・ロッセリーニが、アッシジの聖人フランチェスコと彼を慕う修道士たちの姿を描いたドラマ。神の教えに従い、幼子のように生きるフランチェスコ。世間はそんな彼を嘲笑するが、教皇は彼を尊び教えを説くことを認める。フランチェスコとお人よしのジョバンニ、単純素朴なジネプロなど、日々をともにする“小さき兄弟”たちが、苦悩を抱えながらも伸びやかに生きる姿を、ユーモアを交えながらリアルに映し出す。ロッセリーニ監督とフェデリコ・フェリーニが共同で脚本を手がけ、14世紀頃に精選された名詩選「聖フランチェスコの小さい花」と「兄弟ジネプロ伝」に着想を得て、1210年から18年までのエピソードを導入部と9つの章で構成。フランチェスコ役をはじめとする修道士たちを、実際のフランシスコ会修道士が演じる。2023年12月、デジタルリマスター版でリバイバル公開。

神の道化師、フランチェスコ 俳優

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神の道化師、フランチェスココメント(3)

Ikhsmnxopsg
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永らく日本未公開だった為、聖人フランチェスコを初めて知ったのが、ゼフィレッリの「ブラザー・サン シスター・ムーン」だった。サンフランシスコの地名の由来ぐらいの知識しかなかった。そのゼフィレッリ作品は、現代的な青春映画のような爽やかさが特徴の秀作で感銘を受けたのだが、このロッセリーニ作品は、イタリア・ネオレアリズモ表現の厳しさに心打たれることになる。
13世紀に活動した聖人フランチェスコと11人の弟子たちの布教のエピソードを綴ったキリスト教映画。史実の伝記ものではないので堅苦しさはなく、ユーモラスな逸話集のオムニバス映画の趣が、自然に映画の世界に誘う。主演のナザリオ・ジェラルディの演技が素晴らしい。ジェラルディ始めその他修道士は全て、役者ではない本物のフランチェスコ会修道士の人達が演じている。その素朴な演技に吸い込まれ、実在のフランチェスコを難なく想像してしまう。そんな淡々とした流れの中で、レプラ患者に遭遇する夜のエピソードと、ジネプロと暴君ニコライのエピソード、この二つの挿話が作品に深さと厚みを加えている。
日本では、デ・シーカやヴィスコンティが有名で、比べてロッセリーニ作品は鑑賞の機会が限られていた。「無防備都市」で衝撃を受けたもののまだ数本しか観てはいないが、ロッセリーニ監督の映画には、映像の本質を見極めたカットやシーンがあり、観ていてハッとする瞬間がある。この作品では、特にレプラ患者とすれ違うカットに息を呑んだ。
Sruscagleuef
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従来だったら、
話の時系列順に作品鑑賞するところだが、
「ブラザー・サン シスター・ムーン」が
フランチェスコの成長期の話
と聞いているので、
若い頃のどんな体験が彼を聖人化させたのか
を探る意味で観た方が、と思い、
逆の順番だが
聖人後のこの作品をもう一度先に観てから
「ブラザー…」を初鑑賞することにした。

この作品、ロッセリーニ作品の
「無防備都市」「戦火のかなた」「ドイツ零年」
等々の戦中戦後物の
追い詰められた主人公達の深刻な描写とは
異なり、
信徒の純心さが故の不器用な布教活動が、
かなりコミカルに描かれていた。
このコミカルさは実際の修道士が演じた
ために生じた、素人ながらも
彼らのアイデンティティ溢れる演技と、
ロッセリーニ監督の
見事な演出の賜物だったろうか。

特にジネプロが布教に行ったエピソードが
面白い。
彼の純心さが、隣町を包囲した野蛮人集団
のボスの心までも懐柔して
その包囲を解く結果までももたらした。
そして、
その野蛮人のボスの存在感は圧倒的だ。
彼が「無防備都市」の神父役の俳優とは
気が付かなかったが、まさに
助演男優賞級の演技ではなかったろうか。

フランチェスコの精神が
この世の中に浸透していたら、
今日の戦争の恐怖も、
地球環境の危機も、
格差社会も、
何もかも無かったのではないかと思わせる。
ただただ神の存在を信じ、
施しに徹するフランチェスコの境地は、
私も含め、
人類が失ってしまった“心”なのだろう。

私にとっては、「ブラザー・サン…」鑑賞が
控えているためか、
初めてこの作品に接した時よりも
大変興味深く観ることが出来た。

さあ、「ブラザーサン…」では
この心境に至ったフランチェスコの
若き日々をどう描いているだろうか、
初鑑賞がますます楽しみになった。
Kpsohxsimgn
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真面目な映画だと思っていたら笑える映画だった。笑えるというのは、微笑んでしまう、もあったし、可笑しくて可愛くて思わず笑ってしまう、もあった。みんな俳優ではないけれど本物の修道士であることがとても生きていたんだと思う。

修道士以外の人々の造型も面白かった。暴君はブリキの鎧を着て部下の手助けが無ければ脱ぐこともできない。ブリキのオモチャみたいで可愛くておかしかった。

フランチェスコがハンセン病の男と出会い抱きしめ別れる野原の美しさに息をのんだ。男が去る足元もフランチェスコが男と別れて涙を流してうずくまる野原も、満天の星のように小さな花々がきらきらと光っていた。モノクロなのに、もしかしてモノクロだから輝いた美しさだったのかもしれない。

イタリア語で聞く主の祈りや神への祈りは、神様との距離がとても近い感じがした。隣人への愛や貧しい人に施す思い、もちろん今のイタリアがとかイタリア人全部が、という訳ではないけれど信仰や優しさや人懐っこさは形が変わっても残っている気がした。修道士同士の会話も、これ気にいった?とか、かわいいね、など今のイタリア人がしょっちゅう使う表現でそれこそ可愛かった。見てよかった。