「ハンナ・アーレント」のバルバラ・スコバが主演を務め、長年密かに愛を育んできた2人の女性が社会の障壁の中で闘う姿をサスペンスフルに描いたドラマ。南仏モンペリエに建つ眺めの良いアパルトマン。最上階の向かい合う部屋を行き来して暮らすニナとマドレーヌは世間的には仲の良い隣人だが、実際は長年愛し合う恋人同士だった。マドレーヌは不幸な結婚の末に夫を亡くし、現在は子どもたちも独立、家族との思い出の品に囲まれながら穏やかに過ごしている。2人は部屋を売ったお金でローマへ移住する計画を立てていたが、マドレーヌは子どもたちに真実を伝えられずにいた。そんな中、マドレーヌを悲劇が襲い、2人は選択を迫られる。共演は、フランスの名門国立劇場コメディ・フランセーズの団員でもあるベテラン女優マルティーヌ・シュバリエ、「ジュリアン」のレア・ドリュッケール。監督は本作が長編デビューとなる新鋭フィリッポ・メネゲッティで、2021年・第46回セザール賞で新人監督賞を受賞した。
ふたつの部屋、ふたりの暮らしコメント(3)
映画 #ふたつの部屋ふたりの暮らし (2019年)鑑賞
LGBTQの方の悩みって周囲の偏見とか職場の無理解とか言われますが、1番辛いのは家族に理解して貰えなかった時
高齢の二人にとって人生の終わりをどう迎えたいか考えさせられます
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
予告編から映画の輪郭はなんとなく分かっていたものの、実際に本編を観てみると、予想外の展開にビックリさせられる映画であった。
本作の監督は、イタリア出身だが現在はフランスで主たる活動をしている映画作家フィリッポ・メネゲッティという新鋭監督である。本作が長編デビュー作であり、セザール賞で新人監督賞を受賞。
映画の中でのセリフにあるが「年寄りのレズビアン」のドラマ。
近年、LGBTQ映画は氾濫している感があるが、高齢女性同志が愛し合うドラマは珍しいのではないだろうか…。
アパルトマンの同じ階で、向かいの部屋に住んでいる70代の女性2人は、実は長年秘かに愛し合ってきた恋人だった。
二人で相談して、ローマに行って一緒に住もうとしていたのだが、女性の1人には子供や孫がいて、ローマ行きの話をなかなか切り出せない。このあたりは、LGBTQの理解が進んでいそうなフランスでさえ、年寄り女性が家族に告白するのはハードルが高い様子。
そんな折、ある出来事が起きて、二人の仲は裂かれそうになるのだが……といった展開だが、絶えず「緊迫感が維持」されている作品なので、映像に眼が釘付けとなる映画であった。
自分は長年、旧態依然とした恋愛しかしてこなかったのでLGBTQの世界は理解不能であるが、なかなか現実的には難しい問題を色々と抱えることとなる恋愛世界らしきことが窺える。
<映倫No.49152>