芥川賞作家・中村文則のサスペンス小説を、「EXILE」「三代目J Soul Brothers」のパフォーマーで、「植物図鑑
運命の恋、ひろいました」などで俳優としても人気の岩田剛典主演で実写映画化。婚約者との結婚を間近に控えた新進気鋭のルポライター耶雲恭介は、盲目の美女が巻き込まれた不可解な焼死事件と、容疑者の天才写真家・木原坂雄大について調べはじめる。しかし真相を追ううちに、いつしか抜け出すことのできない深みに飲み込まれていく。耶雲の婚約者・百合子役に「ピーチガール」の山本美月、事件の容疑者・木原坂役に「昼顔」の斎藤工。「犯人に告ぐ」の瀧本智行が監督を務め、「無限の住人」の大石哲也が脚本を担当。
去年の冬、きみと別れコメント(20)
かなり見応えのある映画でした!
まんまと、騙されました。笑
岩ちゃん、、こんな表情ができるんですね!
びっくりしました。。
挿入歌の洋楽が、余計切ない気分にさせてよかったです。
主要登場人物は大なり小なり異常なところがある。特に妹は子供の時から異常で、ホラーマンガもかくやと思わせる。そういう人が普通の人の皮をかぶって生活できるとは思えない。そういう妹に惚れて指示に従う編集者というのもありえない。
映像表現にしても、部屋の壁一面にターゲットの写真がギッシリ貼られていたりして、またか!とうんざり。異常な執念を視覚的に表現したいのだろうけど、他に思いつかないのか?
あなたはきっと騙される、というのがこの作品の惹句だが、そりゃ都合よく異常者を配置しているんだから、常識のスキーマで見ている人は騙されるわな。
去年の冬、君と別れ、僕はケモノになった。大した穴埋め文ではない。
面白かった。
朱里はなんであんな簡単に着いて行ったの?とかDNA鑑定しないの?とか引っかかる部分はあるけど…
怖気付いたり情に流されたりせず冷淡にやり切ったところが◎
その私が言うのですが、これほど素晴らしくも凄みのある推理小説に出会ったことが、いまだかつてないと思える、そんな作品が原作です。
ただ、おそらくはこの圧倒的な小説に直面して、映画人たちは途方に暮れたことでしょう。
文字だからこそ成立する話。無理なものは無理だ……と。
しかし、文学の世界からの挑戦状だと感じたであろう映画人たちが、おそらく何年も頭を捻り、悩み抜き、完成させた本物の映画こそがこの映画なのだと思います。
映像があるからこそ、一瞬で成立しうる「説明抜き」の納得・得心。
美しくも凄惨な映像群によって観客に示し、哀感はあくまでも清く哀しく、言葉に尽くせない作品に仕上がっていると感じました。
小説を凌駕した映像。
その一例が、たとえば執筆家の秘密の書斎に踏み込んだ時に編集者が見た風景だったりするわけです。
映像だからこそ、一瞬で事件のすべてが理解できる。
観客の心にモヤモヤしていたものを解消させてしまえる映像力。
こういうのを観ると、映画ってのも捨てたものじゃないな、と感じるのでした。
ネタバレになることを恐れて、歯に物が挟まったような書き方しかできませんが、この映画は昼飯夕飯を抜いてでも観なくてはと思える大傑作だと思います。
二転三転するストーリー。炎に包まれた屋敷の中での虚構と真実。
実に面白い。近年の邦画のミステリー・サスペンス映画としては出色の作品ではないか。
哀しくも切ない結末まで、一気に魅せられる作品。
<2018年3月29日 劇場にて鑑賞>