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フリーダ・カーロの遺品 石内都、織るようにコメント(3)
フリーダの遺品と対峙するフォトグラファーの石内都さんをメインで捉えた映画。
石内都さんを知らない人にとっては、なんでこのおばさんばっかり映ってるんだろ?となるので要注意。事前に彼女のことを知っておいた方がいい。
フリーダが身につけていた服や靴、病の治療に使っていた包帯や薬などは、とても興味深い。遺品に染みついたフリーダの残像、存在感、記憶が感じられるよう。
ただ、映画としてはやや単調で物足りない。
フリーダの遺品写真集のメイキングムービーのような映画。
途中、演出とし加えられた(?)石内さんのパーソナルな出来事を伝えるシーンは、まったく不要だと思う。
インディヘナの鮮やかな伝統衣装や、原色が溢れるメキシコの街並など、映像自体はとても美しく、メキシコに行きたくなる。
人と物との出会いだ。
その物達は、アーティストの着ていた服、履いていた靴、飲んでいた薬、靴下、コルセットなど。もちろん描いた絵も少し出てきますが、受け継がれる民族衣装、それを今も着ている女性達、作っている女性達をしっかりと見られたのがとても良かった。
写真には、それを身に着けていた人の感情、意志、魂の気配まで感じられた。
フランスでの写真展に来ていた人達もきっとそれを感じていたのでしょう。
良い映画でした。
前情報として、フリーダカーロの遺品を石内さんが撮影するドキュメンタリーということしか知らなかった。石内さんの写真が好きだったから、きっといい映画なんだろうなぁと期待していた。
でも、期待をはるかに超えて作品としてすばらしいな〜と思いました。
作家の名前でタイトルは題されているけれど、中心にあるのは画家でもなく、写真家でもなく、死と生きるというとても根源的なもの。
すべてが繋がっていて、映像の中に写る人皆の生を写している。美しく優しい眼差し。
ここに導いたのは誰なのか、なんなのか、また映画館へ行って浸ろうと思う。
ダンサーがメキシコの民族衣装で踊るシーンは必見です。