まむしの兄弟 お礼参り
プロット
日本
10月01日 1971 劇場で
お祭り野郎 魚河岸の兄弟分
プロット
日本
05月29日 1976 劇場で
ウィロビー・チェイスのおおかみ
プロット
イギリス
07月28日 1990 劇場で
愛のお話
プロット
アメリカ
09月06日 1996 劇場で
花の兄弟(1961)
プロット
日本
12月27日 1961 劇場で
カラマーゾフの兄弟(1968)
プロット
ソ連
07月12日 1969 劇場で
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お盆の弟コメント(13)
耳に残りました。
ガンの手術をした兄の身の回りの世話を名目に実家に転がり込んだ冴えない男がドン底から這い上がろうとモガく哀愁を描いた人間ドラマ。
監督の大崎章が出身の群馬を舞台に同郷の渋川清彦、岡田浩暉を迎え、私小説に近い世界観を全編モノクロで綴っている。
90年代以降でも敢えて白黒でこしらえる映画は、バイオレンスの『シンシティ』や、時代劇の『サムライフィクション』etc. 主にアクションもので、目にするパターンだが、現代の何気無い生活をモチーフにした人情噺で此の手法は珍しい。
しかし、最後まで違和感なく楽しめたのは、何事も不器用な主人公の時代遅れな生き方を象徴しているからであろう。
其の世界観は、兄の光石研や腐れ縁の友人・岡田浩暉にも当てはまり、裏目裏目に出る男の情けなさに涙を滲ませながら、何処か笑ってしまう。
対して、奥さんや、岡田が必死にアプローチするカノジョ、そして、主人公が身分を偽って親交を深める地元紙の編集者etc. 女性陣は男どもの醜さを冷めた眼で見つめ、悟っている立場に感じた。
男はいつまで経ってもガキのままで、女は呆れた母親のような距離感で接していく。
そんなギコチなさが主人公の憎めない苦笑いに集約されている。
兄弟もいなければ奥さんも居ない天涯孤独の私だが、職場で女性の上司から説教ばかり喰らって、八方塞がりの日々に、ふと目の前が真っ暗になることが多い。
それでも、まぁ何とかなるやろと根拠の無い前向きな思想で今日も歩もうとしている。
未練だらけにも拘わらず、ふと覗かせる主人公の微笑みに自分を重ねていると、曇った現実が少しは晴れた様な気がした。
では、最後に短歌を一首
『ボツの山 埋もれて愛も 立ち止まる 近くも遠くも ぎこちない夏』
by全竜