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黄色いリボン プロット アメリカ 11月02日 1951 劇場で
白いカラス プロット アメリカ 06月19日 2004 劇場で
白い馬 プロット 日本 04月22日 1995 劇場で
白い牙 プロット 日本 06月11日 1960 劇場で
白い手 プロット 日本 10月13日 1990 劇場で
白い船 プロット 日本 07月06日 2002 劇場で
白いリボンコメント(20)
第一次世界対戦の始まる前のドイツの北の小さい村の話。
嫉妬、DV, 近親相姦、暴力など、こういう環境が、ナチスを台頭させたんではないかと感じた。
もし教師とガールフレンドの二人がここに登場しなければ暗黒。
大戦に突入する直前のドイツの田舎町での出来事が回想されます。
次々と陰惨な事件が起き、犯人は藪の中のまま軍靴に紛れます。モノクロの息苦しい薄暗さに背筋の凍る恐怖が迫ってきます。
見えない針金が予兆する闇の深まりは、領主と教会はじめその取り巻きと貧しい農奴らとの格差社会の必然です。支配者に対する妬みと弱者に対する優越に、大人はあきらめ甘受し、子供は抑圧に正直に反応します。
格差と貧困が暴力を正当化することはできません。平和と繁栄が真の希望をもたらします。
事件は起こるが犯人探しがテーマではない。
強権的に振る舞う町の名士である父親たちの、
抑圧的・暴力的な行為や思想が、
子供たちや人々に及ぼす影響とその過程を、
丹念に不快感たっぷりに描き出していく。
ドクターが助産婦に吐いた暴言は、
これまで観た映画の中でもトップクラスに酷い。
男たちの抑圧が強くなればなるほど、
子供たちの邪悪な悪戯の対象も、しだいに弱いものへと移行していく。
終盤、時制が第一次大戦直前であることが示される。
時代を支配していたこのような構造や空気が、
国々を勇んで戦争に突入させる引き金になったのか。
このあたりはわからないことが多いので、
色々と調べてみたいと思った。
今と関係ないとは決して思えない。
たしかに面白いのですが、他人から、それでどこがよかったの?と尋ねられても説明できないのです。
封建制が色濃く残る20世紀初頭のドイツの田舎で、横溝正史的ともいえそうな不可解な事件や出来事が次々に起こり、なんの解決も見ないままに映画は唐突に終わります。
ミステリではありません。歴史物でもありません。
おぞましい人間の業を描いたのでしょうか?
前近代的なムラ社会の因習を批判しているのでしょうか?
神と人との断絶を問題提起したのでしょうか?
ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへと移ろうとする大戦前夜の混沌をカリカチュアしたのでしょうか?
子供たちの無垢と獣性の対比を露わにしたかったのでしょうか?
狂言回しの教師の目で、ただ淡々と話は進み、観客にすべては委ねられます。
ストーリ運びや人物描写、映像の美しさなど、非の打ち所がないのですが、作品の意図がわからない。わかる必要などないのかも知れませんが、そこがわからないとこの映画を理解したことにならないのではないかと思ってしまうのです。
わからないまま無批判によい評価を下すことはできませんので、4.0という中途半端なスコアにさせていただきます。