ロープ プロット

アルフレッド・ヒッチコック監督が、アメリカで実際に起きた「レオポルドとローブ事件」をもとにした舞台劇を映画化。物語の全編をワンシーンで繋げ、映画内の時間と現実の時間が同時進行するという実験的な手法で描いた。ニューヨークのとあるアパートの一室。大学を出たばかりの青年フィリップとブランドンが同級生を絞殺し、その死体を衣装箱に入れる。殺害の動機は、自分たちが他者より優れていることを証明するためだけだった。2人はさらなるスリルを求め、被害者の父や恋人、恋仇、伯母、そして恩師である大学教授を部屋に招いて晩餐会を開く。犯した罪の恐ろしさに次第に冷静さを失っていくフィリップと、大胆にも死体を見せたい衝動に駆られるブランドンだったが……。教授役に「素晴らしき哉、人生!」のジェームズ・スチュワート。

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ロープコメント(20)

Clyrtiitfudf
Clyrtiitfudf
ワン・シーンをワン・カットで撮影しているので演劇を見ているかのような感覚になります。
一つの部屋で起こる頭脳戦は、現在の映画にも負けないくらいスリリングです。「犯罪とは芸術だ」という台詞に重みを感じました。
Odscltypuo
Odscltypuo
実在したNathan LeopoldとRichard Loebという2人の殺人犯の殺害動機を題材とした作品。
はじめからブランドンの異様なキャラクターに恐ろしさを感じる。この人は怪物だ。ブランドンが息を吹き返したニワトリの話をするとパニくるフィリップ。
フィリップの態度を訝しむジェームズ・スチュワート。この鶏の話の実際のことを知っていたし、フィリップに詰め寄る。問わず語りの場面もあったけれど。
帽子を見て確信してるから、タバコ入れを忘れたと言って戻ってくるところがドキドキハラハラ。
殺人は他者よりも優れた少数の者の特権だとか曰うサイコ野郎の言葉にこたえを出して締めるラスト。
Opxgmkihnss
Opxgmkihnss
殺人も芸術だと言ってデイビッドを殺したブランドンとフィリップは、遺体を隠したチェストを食台にしてデイビッドの父親はじめ関係者を招いてパーティーを開いた。ジェームズスチュアート扮するブラックユーモア好きのルパートカデル先生も招かれてパーティーを楽しんでいた。カデルは、何か変なパーティーだと言い始めた。しかし、主役のデイビッドはいつまで経っても現れない。家政婦がパーティーを勝手に片付け始めたりカデルがフィリップを問い詰めたりするくだりはドキドキするね。ましてカデルが忘れ物をしたと戻って来て様子見するからね。ブランドンは学生時代からいたずら好きだったとか昔を知られているし、カデルは推理好きだ。さすがにヒッチコック、ジワッとくるな。
gwyixs
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1924年に現役のシカゴ大学生レオポルドとローブ二人の誘拐殺人鬼が起こした”世紀の犯罪”を元にしたアルフレッド・ヒッチコック監督の、全編ほぼワンシーンで繋げて時間の同時性をサスペンスフルに生かした実験演劇映画。パトリック・ハミルトンの同名舞台劇を原作としている為、犯行の詳細は事実と異なるが、映画の殺人鬼ブランドンとフィリップが裕福な家庭で育ち知能指数も高く犯罪を犯すような青年には見られない点や、ニーチェの超人思想の信奉者だったのが共通する。実際は殺人行為のスリルを味わい完全犯罪の達成感の快楽に酔う為だったと思われるが、映画はこのニーチェの理論に染まる象牙の塔を象徴する恩師ルパード・カデルを主人公にして、哲学的な思考の解釈についての問題提起を施している。当時の社会通念でのモラルハザードの危険性を承知したヒッチコック監督の犯罪心理学上の野心と、主演を務めたジェームズ・スチュアートのどう演じて良いものかの困惑が演技の質にまで表されている。時代に先駆けた主題の内容は、実験的演出の斬新さと共に、60年経た今の社会状況や映画表現においても注目に値すると思う。

物語は、アパートの一室で繰り広げられるハーバード大学を卒業した同級生3人の愛憎劇が主軸になる。恩師カデルの哲学思想に最も共鳴する主犯格のブランドンは、悪戯好きの虚栄心が強い自意識過剰な鼻持ちならない男。彼の虐めに合いながら服従するフィリップは、犯行後動揺を隠せずカデルの観察対象になり、そのカデルの推理の過程が映画展開を進める。最初の訪問者は、被害者デイビッドのライバル ケネスで、デイビットの婚約者ジャネットの元彼になる。ふたりの殺人鬼を特徴付ける為か、最も平均的なアメリカ青年のキャラクターだ。そこへジャネットが現れケネスと鉢合わせとなり、ブランドンの策略と彼女が疑い始める。更に驚くべきは、フィリップの送別会を兼ねた今宵のパーティーにデイビッドの両親まで招待したことである。ジャネットはケネスと付き合う前はブランドンと交際していたとの会話があるので、この男女4人の痴情のもつれが犯行動機であるのかと思わせる含みがある。ハーバード大学の平凡な学生なら誰でも良かったとケネスの名前も挙げていた。しかし、デイビットの両親までとなると、完全犯罪を目論む自らの行為を見せびらかす優越感に浸る歪んだ心理状態が想定される。だが、デイビットの母親は風邪を引いて来れず代わりに伯母のアニータが父ヘンリーと訪れる。これは、いつまで待っても居場所を掴めないデイビットを心配する母親を舞台の外に置くことで、会話劇の中身と変換を多様にするテクニックに繋がっている。そして、家政婦ウィルソンが舞台を自由に動き回ることでカメラワークの単純化を防ぎ、最後に突然と現れるカデルとの会話では、客観的な視点のアドバイスを提供することになる。

小道具の使い方は、相変わらずの巧さを見せる。題名のロープは勿論、チェスト、燭台、本、チキン、帽子、シガレットケース、拳銃、と固定された狭い舞台を飽きさせない。異常殺人ではキャプラの「毒薬と老嬢」がブラック・コメディの傑作だが、このヒッチコック作品にはユーモアが全くない。強いて言えば、占い好きなアニータがフィリップの手を見て大きな名声をもたらすと予言する会話と、アニータとジャネットがカデル演じるジェームズ・スチュアートを真ん中に挟みながら、好きな男優の話でジェームズ・メイソン、エロール・フリン、ケーリー・グラントの名前を挙げるところくらいだ。しかも、グラントがイングリッド・バーグマンと共演したヒッチコック作品「汚名」での両者を褒め称えるオマケつきだ。

最後、ふたりの犯行に愕然とした哲学者ルパード・カルデは、アパートの窓から夕闇の空に向かって拳銃を三発撃ち、通報を促す。崇高な哲学的理論の代弁者を自認する彼の、教え子に裏切られた無念さを表す三発であろう。論理と知力の教えを曲解し、単なる殺人者に堕ちたふたりを自ら制裁する二発と、そんな教育を結果してしまった自責の念の一発なのではないだろうか。

ブラック・ユーモアをひとつ。ヒッチコック夫妻が日本に来日した折、映画が変わるたびに新たな殺害シーンを見せるヒッチコック監督にそのアイデアについて質問したところ、少しも表情を変えず隣にいる夫人を指して、彼女がすべて考えてくれると答えたそうです。嘘と分かっていてもヒッチコック監督らしいユーモアに、納得のエピソードで忘れられない。
Msnpghoxski
Msnpghoxski
撮影技法が取り上げられがちですが、ストーリーとしても秀作だと思います。

追い詰められ、動揺していく青年フィリップや、最後全てが暴かれたときのそれぞれの振る舞いかたが印象的でした。

どんなに理屈を並べても、罪をごまかし続けることは出来ない。