「ケイン号の叛乱」に続きスタンリー・クレイマーが製作初の監 督に当たった作品。モートン・トンプソンのベスト・セラー小説から、「暗黒の恐怖」で1950年度アカデミー書下ろし原作賞を得たエドナとエドワード・アンハルト夫妻が共同脚色し、「ケイン号」のフランツ・プラナーが撮影、「平原児」のジョージ・アンシールが音楽作曲、「失われた少年」のジミー・ヴァン・ヒューゼンとバディ・ケイのコンビが主題歌詞を担当した。主演は「わが従姉レイチェル」以来銀幕を遠ざかっていたオリヴィア・デ・ハヴィランドと、「零号作戦」のロバート・ミッチャム、「三人の狙撃者」のフランク・シナトラの3人で、「夜の人々(1954)」のブロデリック・クロフォード、「スタア誕生(1954)」のチャールス・ビッグフォード、「復讐は俺に任せろ」のグロリア・グレアムらが助演する。
見知らぬ人でなくコメント(1)
冒頭、いきなりの解剖実習のシーン。熱心なルークとアルは、ある看護婦のはからいで学生が見ることのできない手術まで見学させてもらう。
授業料納入に困ったルークは看護婦の1人クリスが貯金を持っていることを知り、彼女と結婚することにしたのだ。オールドミス、美人でもない、そんなクリスだったためにアルからも非難されるが、予定通りに結婚した。
ルークは「金で患者を区別する」ことに反対。それが原因でディートリッヒ教授の授業でも反感を食らう。帰宅しても医師の倫理で妻とケンカ。研修医にもなれないことになると威かされ、素直に謝り、なんとか研修医の道へ・・・ある日、交通事故の遺体が運ばれてくるが、それはルークの父親だった。などなど苦労しながらも開業医となった医学生たち。ルークは田舎町で貧しい患者を相手にするのだったが・・・
診療所の物語になってからはルークの不倫とクリスの妊娠問題が中心。伝染病のことでパニックも起こすが、どうも普通のメロドラマになってしまったのが痛い。医者の尊厳、間違いを犯すことを恥とする潔癖さもラストでの診療所院長のオペミスで最後のよりどころが妻クリスであることに気づくというもの。展開速すぎ・・・