アルフレッド・ヒッチコック監督が、「太陽がいっぱい」で知られるミステリー作家パトリシア・ハイスミスの同名小説を映画化。探偵小説作家レイモンド・チャンドラーが脚色を手がけ、交換殺人を持ちかけられた男の恐怖を描く。テニス選手のガイは、不貞な妻ミリアムと離婚して上院議員の娘アンと再婚することを望んでいた。そんなある日、ガイは列車の中で見知らぬ男ブルーノから話しかけられる。ブルーノはなぜかガイの事情を良く知っており、ミリアムを殺す代わりにブルーノの父親を殺して欲しいという“交換殺人”をガイに持ちかける。ガイは相手にしなかったが、その後ブルーノは本当にミリアムを殺害し、ガイにも殺人を実行するよう付きまとう。
見知らぬ乗客コメント(12)
落ちた眼鏡のレンズに歪んで写る殺害シーン
テニス試合の観客席でひとり首を左右に振らず主人公を見つめる男のショット
映画の効果を知り尽くしたヒッチコック監督の繰り出す手管に酔いしれました
起承転結の結の盛り上がりは予想を超えてきます
正にスリルとサスペンスとはこの事
クライマックスの有名な回転木馬のシーンは圧巻そのもの!名シーン中の名シーンです!
ヒッチコックの娘パトリシアがヒロインの妹バーバラ役でそのいまいちな容姿が重要な意味を持たせてあるのもなかなか見物
演技もしっかり出来ている
本作はヒッチコック作品の中でも、成る程名作に挙げられるだけのことはあると唸ってしまう納得の作品でした
まずは電車で乗り合わせた男と交わされた「交換殺人」という仕掛けがレールとなり、冗談かと思っていたら本当に犯行が行われ、さあ次はお前の番だと迫られるテニスプレーヤーが崖っぷちに立つ。なんとも奇妙で不気味な物語なのに、主人公のアクティブさと恋人の聡明さが雰囲気を一向に暗くさせない。それでいて謎の男もまたサイコパスとコミカルの間を絶妙にドリフトして観る者をハラハラドキドキと楽しませる。あげくには遊園地のあの遊具が恐るべき最終舞台となる展開には本当に恐れおののいた。ヒッチコック5本の指に入る秀作なのでは。
お酒まで奢ってもらって…
挙句にその人の個室でランチまで…
アメリカ人はフランクすぎる?
“交換殺人”を題材にしたアルフレッド・ヒッチコックの1951年の作品。
それにしても、毎回毎回、ショッキング?ユニーク?な題材を見つけてくるなぁ…と感心する。
冗談だと思っていたガイだったが、ブルーノが本当に殺人を決行。
ブルーノは約束の殺人を決行するよう迫り、妻殺しの容疑までかけられ…追い詰められていく主人公の姿をサスペンスたっぷりに描写。
ブルーノに扮したロバート・ウォーカーの怪演がさらにスリルをプラス。
ブルーノが殺人を決行するシーンが秀逸。
男たちと遊園地に出掛けたガイの妻(尻軽の性悪女!)を尾行、余計な台詞はほとんど無く、遊園地の軽やかな音楽だけ。
クライマックスでも再びこの遊園地が舞台となり、軽やかな音楽がかえって、何かが起きる緊張感を印象付ける。
また、ブルーノがガイの妻を手にかけるシーン。地面に落ちたサングラスに映るシルエットとして描かれ、直線的な描写を避けて当時の厳しい映倫審査をパスしたヒッチコックの巧みなアイデア勝利。
たまたま列車の中で足がぶつかった。
たまたまそれが機で話しかけられた。
たまたま居なくなればいいと思っていた相手が居た。知り合った方も同じだった。
決して非現実的ではない、人生の落とし穴。