近未来のデンマークを舞台に、世界的に高まりつつあるナショナリズムの問題をスタイリッシュな映像で描いた政治サスペンス。23人の犠牲者を出した爆破テロ事件から1年が経った2025年のコペンハーゲンでは、移民排斥を訴える極右政党が支持率を上げていた。移民や難民に対するヘイトクライムが激化する中、19歳のアラブ系移民ザカリアはそれに対抗する過激派組織に入り、党首の暗殺を命じられる。自身もイラク移民の両親を持つウラー・サリム監督の長編デビュー作。「トーキョーノーザンライツフェスティバル2020」や「SKIP国際Dシネマ映画祭2019」では「陰謀のデンマーク」のタイトルで上映。ヒューマントラストシネマ渋谷&シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2021」上映作品。
デンマークの息子コメント(2)
なにも新鮮な話題ではないし、デンマークでは近似値未来のはなしかもしれないが、既に現実的になっている話題。米国大統領の政権交代時期(2020-2021)にもトランプの極右の動きに介入していたとされている。でも、2019年の作品なんだねえ。この話で二時間もかける必要があるのかと単純に思った。だから、監督は誰なのか調べてみた。サリム監督はイラクの両親を持って、デンマーク生まれで彼は二つの文化の中に片足ずつを入れて仕事をしていた
と。まるで、この映画の主人公マリックのようある。モスリム 国からの移民の流入が社会混乱の原因であって、移民は自国に帰るべきだと主張する白人至上主義と諸アラブ国の移民が二つに分かれて闘う。コペンハーゲンのNORREPORT駅で 二十三人が爆弾によって殺されたから マーティンはMartin Nordahl新しく極右の党を二千二十四年に(?)結成した。
極右とモスリム の移民の間の警察の情報収集を仕事にしているマリック(Zaki Youssef)は十九歳のザカリヤ(Mohammed Ismail Mohammed)や家族にあってから、マリックのこころが動揺し始めた。ザカリアの母親の息子に対する愛。それに、十九歳と言う年齢でテロに足を踏み入れ、母親はこの息子をまだ子供あつかいしているようだ。『いい見本になる友達ができてよかった』とマリックに直接いう。それに、母親は二人分の弁当まで用意してくれている。マリックがザカリアの自宅を訪問するシーンが好きだ。それにマリックの目の動きはあるが、厳しい目つきをしながら、その奥底にある戸惑いや疑問点があり揺れ動いてるのがわかる。
その十九歳と言う少年がテロ行為に走る。それも、マーティン殺しを命令される。マーティンは白人至上主義者。自分の妻はスウェーデンからきた移民なのに、彼の理論からいくと移民でも、白人の移民は許可されるようだ。マーティンとユーゴスラビアの移民と結婚しているドランプがかなり被るが、これが、監督の思惑かどうかは見当もつかない。それに、マーティンの深みのなく論理を押さない会話力もトランプと被ってしまう。
私はデンマークのことを良く知らないが、デンマークがこうなるなら、世界の小国もこのような闘いがもっと起こるだろうと示唆している映画のよう。すでに、現実かなりそうなっているけど。
私たちに、人道的に移民を受け入れることの一つの悪い結果を見せて果たしてどんな解決策を取ったらいい結果になるのだろうということを考えさせてくれる。
極右政党の台頭と、アラブ系移民の排斥。警察の潜入調査。
極右は暴徒化し、移民はテロで対抗する。
ストーリーはシンプルだし、デンマークに特有の状況ではないはずなので、特に面白い作品ではなかった。
ただ、現実問題として、極右政党が政権を取れば、「追い出そうとしても、しつこく居座っている」移民に対して、本当に権利を制限したり、簡単に追い出せるものだろうか?
自分たちの“価値”を全欧州に分からせてやる、と決意した移民との、「対テロ戦争」の泥沼に陥るのではないか。
そういう問題提起を、改めて今一度、投げかけた作品ということなのだろう。
監督は、移民二世であるという。
日本も、「外国人受け入れ政策」を進めている。
日本にメリットがなければ、外国人は自ら逃げ出すだろうが、皮肉なことに、日本が魅力的なほど、欧州の現在は未来の日本となる。