不可解な殺人事件をきっかけに運命を狂わされていく男女の姿を描いた韓国製ミステリー。ヨンフンの妻ユジュンが殺害される事件が起こり、ヨンフンの親友ジュンソンが逮捕される。ユジュンとジュンソンは不倫関係にあったという。それから半年、廃人同然の生活を送っていたヨンフンのもとにジュンソンの妻が訪れ、夫の無実を証明したいという。彼女は、ジュンソンは不倫をするような男ではなく、そのことはヨンフンもよくわかっているはずだと訴える。最初は彼女を疎ましく思ったヨンフンだったが、真実を明らかにすることを決意。そして、ある男の存在にたどり着くが、男の口から思いもよらない真実を知ることになる。登場人物全員が疑わしく先の読めない展開が好評を博し、プチョン国際ファンタスティック映画祭で観客賞を受賞。主演は「花、香る歌」「七年の夜」のソン・セビョクと「幼い依頼人」のユソン。
真犯人コメント(2)
傑作だ。だから韓国映画はやめられないと感じてしまう一本。
妻を殺された男が、犯人を探す話。ある意味ありふれたワンテーマなはずなのに、全編無骨、不気味、ダーク、狂気に溢れていて、誰が犯人かまるでわからないし、むしろ新鮮味さえ感じる。
あえて、時間軸を複雑に何度も行き来させた展開で、ただでさえ謎な内容にさらに謎が加算させられて混乱してしまう。この観せ方、展開はもはや天才的に練られており、監督の頭の良さを感じてしまった。
誰が犯人なのか、監督の思惑に面白いくらい乗っかってしまい、まさに翻弄されてしまう。
最後の最後まで翻弄された挙句、ラストの一部描写だけ駆足的でやや雑だが、韓国映画らしいラストでこれも感嘆の息。
お見事な一本。ミステリー好きならもうたまらないはず。
資金もかけず、キャストでもなく、ただ内容がずば抜けている、本質的な映画の素晴らしさが詰まっていて、大変面白かったです。
あんまり、作品の内容読まないで、
『韓国映画』『ミステリー』『レイトショーで、ちょうど良い時間にやってる』という理由だけで観たのですが、それがよかったのか、最後めちゃくちゃ、やられました。ギミックが炸裂し、衝撃の種明かしの後に待ち受けるラストに身悶えして、あぁとなりました。
とにかく情報入れなかったから、ミスリードに見事に引っかかり(良い観客)、楽しめました。
多分、事件そのものは真実が分かってしまうとそれ程ではないのですが、シナリオの構成が上手く、視点が代わると、意味合いが変わる回想シーンなど、驚かされます。
もう一度観ると、たぶん、あのシーンのアレは、こう言う意味だったのかと気付いたりして楽しそうなので、また、観たいですね。
一本の髪の毛が引き起こす、運命のイタズラ。しかも、たちが悪い。