レディ・マクベス プロット

「ミッドサマー」「ストーリー・オブ・マイライフ
わたしの若草物語」のフローレンス・ピューが2016年に映画初主演を務めた文芸ドラマ。ロシアの作家ニコライ・レスコフの小説「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を映画化した。19世紀後半のイギリス。17歳のキャサリンは裕福な商家に嫁ぐが、年の離れた夫は彼女に興味を示さず、体の関係を持たない。意地悪な舅からは外出を禁じられ、人里離れた屋敷で退屈な日々を過ごしていた。そんなある日、キャサリンは夫の留守中に若い使用人セバスチャンに誘惑され、不倫関係となる。欲望を抑えきれなくなった彼女は、驚くべき行動に出る。舞台演出家ウィリアム・オルドロイドの長編監督デビュー作。「のむコレ2020」(20年10月9日~/東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋)上映作品。

レディ・マクベス オンライントレーラープレイ

レディ・マクベス 俳優

レディ・マクベス 写真

レディ・マクベス Related

ザ・タワーオンラインで映画を見る
ザ・タワー
プロット  フランス
04月12日 劇場で
陰陽師0オンラインで映画を見る
陰陽師0
プロット  日本
04月19日 劇場で
バカ共相手のボランティアさオンラインで映画を見る
バカ共相手のボランティアさ
プロット  日本
03月22日 劇場で
貴公子オンラインで映画を見る
貴公子
プロット  韓国
04月12日 劇場で
彼女はなぜ、猿を逃したか?オンラインで映画を見る
彼女はなぜ、猿を逃したか?
プロット  日本
02月24日 劇場で
THE WILD 修羅の拳オンラインで映画を見る
THE WILD 修羅の拳
プロット  韓国
02月16日 劇場で
猫と私と、もう1人のネコオンラインで映画を見る
猫と私と、もう1人のネコ
プロット  日本
03月22日 劇場で
アイアンクローオンラインで映画を見る
アイアンクロー
プロット  アメリカ
04月05日 劇場で
K‐9 L.A.大捜査線オンラインで映画を見る
K‐9 L.A.大捜査線
プロット  アメリカ
02月23日 劇場で
宮古島物語ふたたヴィラ 再会ぬ海オンラインで映画を見る
宮古島物語ふたたヴィラ 再会ぬ海
プロット  日本
03月01日 劇場で
ゴールド・ボーイオンラインで映画を見る
ゴールド・ボーイ
プロット  日本
03月08日 劇場で

レディ・マクベスコメント(5)

kmtshvi
kmtshvi
この映画を見たらどんな監督もプロデューサーも、ピューを使いたい、使った映画を作りたいと思うでしょう!

隙間風が入り地味な部屋、質素な食事、そして嵐が丘(もキャサリンだ!)、ヒースクリフ、ケイト・ブッシュの歌声と、どんどん頭の中がイギリス連想世界になりました。

自分一人で着ることも脱ぐこともできないドレスかー。キャサリンは夫に言われたことをそのまんま最初からセバスティアンに言えたな。
ifwidm
ifwidm
ネタバレ! クリックして本文を読む
Your nightdress, take it off.
Take your nightdress off.
Face the wall...  Face the wall!
「レディ・マクベス」は例えられている... "虚無的・悲観的・退廃的な指向のフィルムノワール"、 "忌まわしく、恥ずべき魔性の女" 、 "漆黒の歴史ドラマ"、 "華麗なフェミニスト的インディーズ映画" ... etc. どれもこれもしっくり来ない。
最初、部屋の朽ちた質感や家具などの調度品の見すぼらしさから、もう少し何とかならないかと思わせる低予算のイギリス流の暗いメロドラマとしか捉えていなかった... 実際にバジェットとしてあがったのが6,800万円。いわゆるマイクロバジェット・フィルム..撮影日数も24日間... あながち間違ってはいなかったが... その後、事を知らないことがいかに見苦しいことなのかを思い知らされることに

You behave like an animal, and I'll treat you like an animal.
Now, get out. このセリフは単なる差別的表現で収まっていはいない。ジェンダーや人種といった具体的なようで抽象的な言葉の物足りなさが差別的表現という甘っちょろい言葉が吹き飛んでしまうほどの描写となっている。たとえ、言葉豊かでも言い尽くせない一連のシーケンス...

余談:Taken from life: The unsettling art of death photography
ヴィクトリア朝時代、葬儀でのおぞましい風習:ポストモーテム・フォトグラフィー
※ 遺体記念写真 "死は家で起こり、日常生活の一部であった"19世紀では、写真撮影の環境も整い肖像画よりも安価なために盛況を見せたと言われている。この映画でも義父との偽りの思い出の一枚の写真として死者と並んでキャサリンが写真撮影をする場面が描かれている。
関連して「Post Mortem Mary (2017)」という10分の名作も

Tied up too long...  Mr Lester wouldn't be happy if he knew what
was happening in his absence.
What's been happening in his absence, Anna?
The dogs, sir.
Thank you, Anna. I'll look into that. It's good of you to keep such a
close eye on things. このセンテンスの意味するメタファーとは..何か ?
映画「レディ・マクベス」は、ロシアの小説がベースとなっている。また他方では、真実主義とも現実主義とも呼ばれるイタリアの言葉ヴェリズモを基にオペラや戯曲にも活用されている。 チマタの日常生活における暴力などの残酷な描写を多用するストーリー展開... 日頃見るワイドショーで取り上げられるような事件では済まされない、遙かに超えた凄惨な描写や表現もファクターとするヴェリズモ・オペラ。日本でも少なからず縁があり、2009年に新国立劇場で「ムツェンスク郡のマクベス夫人」の演目で上演されている。(新国立劇場HPより)
マクベスと言えばシェークスピアの四大悲劇の一つとして知られている... この映画のタイトル「レディ・マクベス」とは、主人公のキャサリンがシェイクスピアの悲劇「マクベス」に登場するマクベスの妻(野心家タイプの悪女の典型とされる)にただ、なぞらえた表現であるという事だけ... 多くの人が、全くの脈略もない別物として捉えているが

"Through hell and high water I will follow you, to the cross, to the
prison, to the grave, to the sky."
心のこもった男性から言われたいセリフじゃないのか? でも女性が気性の激しさゆえに

You are entirely without shame.
-I have nothing to be ashamed of.
Nothing to be ashamed of?... Do you have any idea of the damage
that you're capable of bringing upon this family? You have failed
miserably in all of your marital duties, more specifically, to provide
your husband with a legitimate heir.
-Where is your son? Where is he?... He has made that impossible.
映画に対する視点から、彼女の性的ほん放さに目がゆくのは当然で自然な成り行きとして、まだベッドでの営みも済んでいない新妻に対して、"Take your nightdress off." って、しかも壁に向かって立てと命令をしておいて、自分だけ自慰行為にふけって、それでは、ハイ、サヨナラって... それでも旦那ですか? 話の流れ的には、一度も彼女に触れようとしない身勝手な夫に主人公のキャサリンがあきれ果てて、若くて、ハンサムさん?なナイス・ビルドの使用人のセバスチャンと不倫をしても道義的に許せる場合もあるけれど... そんなイロ・コイ沙汰の低俗なメロドラマに落ち着いて終わらないところに、この映画「レディ・マクベス」の意味や意義が存在する。

You think me to be stupid, perhaps. But perhaps you had no idea
that your whoring had been noticed. You seem surprised. And
surprised that the news of you opening your legs and your cu*t
for any worthless dog should have reach my ears, but then you
opened your legs so very wide, Katherine. And you've acted so
very shamelessly and so very stupidly. And you've begun to smell,
Katherine. You've gotten so fat and foul-smelling, it was inevitable
that the whole county would hear of your behaviour.
My father bought you, along with a piece of land not fit enough
for a cow to graze upon. I do not like being talked about, madam.
神学の学生はもともと司祭になることを夢見ていたが、大学で信仰を失い、代わりに演劇を見つけた人... 彼、ウィリアム・オルドロイド監督は、連日の映画祭の忙しさを表に出さず、インタビューに答えている。小説「ムツェンスク郡のマクベス夫人」が今日ではすでに過去のものとなっている事を前置きし、「私たちは、女性が沈黙の中で苦しみ、逃避しかできない時代の多くの文献に触れています。キャサリンは血を流してまで力強く、両手で運命を勝ち取ります。それはジャコビアンの悲劇的な伝統の中に現れています。」(ジャコビアンの悲劇:シェイクスピアのハムレットを代表する復讐劇。時はイギリスのジャコビアン時代)

映画「レディ・マクベス」は確立されたヴィクトリア朝時代の慣習の中でゴシックメロドラマと言われながらアンティーク・マテリアルから新鮮なテーマである人種、ジェンダー、身分制、家父長制の歪みを描き、また暴力的で不道徳的、非倫理的な曖昧なものをゆっくりと明らかにする為にシンプルなフレーズで、差別的主従関係、人格そのものが存在しない非人間的な社会を簡潔に表現している。情熱と抑圧の融合が生む冷たく不安な物語として非常に近代的なテーマ... 偏見、蔑視に通じる、完璧に作られた19世紀の特筆すべき衣装ドラマともいえる。それは、衣装デザイナーのホリー・ワディントンが一目ぼれをしたキャサリンの華やかな衣装自体がサブプロットとなっている事より。その理由は鮮やかなピーコック・ブルーともコバルトブルーとも見て取れるドレスが残酷な無色の世界で彼女の解放された精神の象徴となり、キャサリンがドレスの下に身に着けている補正役のクリノリンとコルセットは家父長的抑圧について表し、それをドレスで覆うかたちで美彩ながら大切な自信と喜びに満ちあふれ、心の痛みと苦しみを表す胆汁色素を想わせるカウチに優雅にゆっくりと真正面に座る... 色のコントラストによる印象的なシーンで映画の幕は閉じていく。

Anna will say if otherwise. I did nothing.
ナオミ・アッキーによって演じられたメイドのアナ... 彼女はキャサリンに対して半分同情的で半分批判的な眼差しを持ち、凄く不安定なこころに強烈な出来事を経験したせいか、彼女の理解の許容量を超えてしまい... 映画「異端の鳥」の主人公の少年、ヨスカと同じ失語をしてしまう。ただ言えるのは彼女抜きの映画は考えられないと言えること... 50秒という演技に感動をしてしまう

映画「レディ・マクベス」は、イギリスが培ってきた身分社会に裏付けされ、今の日本では、到底描ける環境でもなく、仮に描けたとしても滑稽で資質の低さが、自然と彼女の上辺だけの行為にバッシングだけを走らせてしまう。あるレベルでは、女性の欲望や衝動という究極の危険性に対して、極端でひるまない隠れたフェミニズムに構わず、さらに虐待と沈黙を続けるにつれて徐々に"被"抑圧者という犠牲者を作るという一般的な社会通念ではおよびもしない反社会的・非社交的な忌み嫌われる嫌悪・猜疑・背信という月並みな精神的汚物のキャサリンというアイコンを魅力的で美的な "女神イシス" よりも昇華させることに映画「レディ・マクベス」の脚本家のアリス・バーチとオルドロイド監督は見事に成し遂げている。

撮影監督アリ・ウェグナーは、フォーマルな対称性と霧に包まれた絵画的なロマン主義にイギリス北部の田園の冬の風景をブロンテの唯一の長編小説の中で描かれているヒースしかないような"トップ・ウィゼンズ"を見上げた風景のように映し出し、均整の取れたインテリアの中で繰りひろげられる一対一の静かな会話劇に答えるように固定したアングルで撮影をしている。ただし、それ以外でのシーンでは不可解にも微妙な手ブレ感も画面から見てとれてしまう... 気になる方は気になるかも?
それでもどうやって撮影したのか説明できないキャサリンがライフルを使って至近距離から馬を屠殺する迫力のあるシーンは自ずと目に焼き付いてしまう。

シェイクスピアの"マクベス"では表裏一体の精神的支柱である夫人としか小説に記されていない彼女は、混乱のままに、この世を去り、またレスコフの小説「・・・マクベス夫人」のカテリーナは囚人という汚名を着たまま身を投じてしまう。つまり2人は悲劇の主人公に落ちてしまっている.. でも、しかし、監督オルドロイドは天才的な描き方で幕を閉じさせている... その鮮やかさに思わず見入ってしまいエンドロール・クレジットが流れているのにもかかわらず、そのまま気付かずに見続けていた   恥ずかしくもなく  何か?
uilocna
uilocna
ネタバレ! クリックして本文を読む
裕福なお屋敷に嫁いで来た17歳の嫁が、欲求不満を拗らせて怪物になる話。

広~いお屋敷にメイド付きで至れり尽くせりだけど、自分の存在意義は…。
義父への当て付けなのだろうか、裸でベッドに入らせるくせに触れても来なかったり、裸で壁の方を向かせ1Pだったりな旦那。

最初は拒んでいる様子だった使用人との関係も、一度始まってしまえばノリノリで、身体の関係だけじゃ満足出来なくなっていき、という展開からの流れは不気味だし、恐ろしいし、内容的には自分的には大好物。
義父の時はマジカー!!とニヤニヤしてしまったのはここだけの話w

しかしながら、心境が変化していく様子をみせる描写があまりなく、突然変わった後になっていたり、極端に間が長かったり、淡々としていたり。
最後のセバスチャンの心変わりも何でここで?と感じてしまったし。

淡々としていることで狂気をみせたいのかも知れないが、ヤケにまったりした空気感が自分には合わなかった。

内容的にはホントにもの凄く好みだったんだけどね…。

冒頭のベールが花冠だったら+1
uagcfhy
uagcfhy
ピューイストの僕としては、2016年製作の作品が蔵出しされたことは、嬉しい限り。フローレンス・ピューの凄みのある演技力、圧倒的な存在感を堪能できた。

ピュー演じるキャサリンは、不貞のことを義父からなじられるが、眉一つ動かさずに堂々と夫の生殖能力のなさを暗に示して切り返す。ピューの迫力ある顔力にたじろぐ義父を見て、こりゃそうなるわなと、独りごちた。

もうここからは、ピューの独壇場。使用人アンナも愛人であるセバスチャンも女主人たるキャサリンの威圧感に気圧されて、道理に合わない命令も呑み込んでしまう。

この作品は、ほとんど音楽が流れない。劇場内は静寂を保っているので、ため息すらつくことができない緊張感がある。そしてラスト。思わず吐きそうになるくらいの衝撃があるのに、余韻に浸ることも許してくれない曲なしのエンドロールにギブアップ。

マクベスってもうふりでしかない。こんなにクラクラした作品は久しぶり。
rckylt
rckylt
「きれいは汚い、汚いはきれい」

シェークスピアの戯曲「マクベス」の中で、占い師が繰り返す言葉だ。

この矛盾してるようで、人間の本性を端的に表しているような言葉は、マクベスの物語の不穏な先行きを象徴するかのようだ。

そして、この作品は、実は、この言葉そのものではないのか。

身なりは汚くとも、人を殺めることに後悔の念や恐れを隠さないセバスチャン。

キャサリンには反省どころか、後悔も感じられない。

感情のままに振る舞い、策略を巡らし、資産を手中に収めたところで、安心など手に入れることは出来はしない。

疑心暗鬼や裏切りは続き、滅亡の道を辿るしかないのだ。

少し前のイギリスの地方の領主の物語のようで、実は、僕達の生きる今の世界にも通じるようにも思える。

歴史は、実在したマクベスの生涯をなぞるように、あちこちで繰り返すだけなのかもしれない。

シェークスピアの悲劇は、形を変えながら続いていく。