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スチームボーイコメント(13)
スチーム城が蒸気を噴出しながら動くシーンは圧巻です。
ロイド博士の「エディ」と呼んだ所が吹いた。
当然のように大友克洋のファンで、CMを見て新作が観れるぞ!クオリティもやはり高そうだ!ポスターも格好良いぜ!と思って映画館で友だちと観たわけだが、見終わって何とも、無言で映画の話はしなかったというか避けた記憶がある。
期待が高すぎたのかなぁと感想として10年持っていて、久しぶりに子どもたちと見たのだけど、絵も背景も大友さんらしくて大好きなのだけど、キャラクターと設定が弱いんじゃないかと思ってしまう。子どもたちには難しくて、大人にはスチームって…と思ってしまうのではないか?他のアニメでは魔法や人の力を超えた物が主軸にあるのに弱過ぎると思ってしまい、
かなり時間をかけて調べて細部にまで拘った時代背景とそれに合うギリギリのリアルなファンタジーに感服すると同時に物足りないと感じる矛盾が生じてる気がする。
キャラクターで目立つのはおじいちゃんとヒロインだと思うのだけど、ヒロインがヒロインらしくなく(可愛くない)、いてもいなくてもいい存在で主人公はもっと男の子っぽい声でもっとやんちゃな方が良かったんじゃないかと思う。
それでもやはり細部の拘りや背景、キャラクターの表情やシワや動きは観て勉強になる。というか好きだ。
とにかく、背景、人物の動き、テンポ、設定、音響、そのすべてが見事としか言いようのない、傑作です。俳優陣も、力量のある方たちを起用していて、違和感もなく、明らかに、今作から十五年が経過した今よりも、質は高いと言わざるを得ません。
これだけの書き込み量、アニメーション力、演技力が、現在のアニメ業界にも継承されていることを、切に願います。
イギリスのヴィクトリア朝時代の科学や文化を取り込んだ舞台設定、蒸気を動力としたギミックを盛り込んだ作品世界ということだ。
今でこそ市民権を得つつある単語「スチームパンク」は、劇場公開時の2004年時点では世間一般には知られてないジャンルであったかと思う。
そういう意味では目新しい刺激を提供したはずだ。
理屈はわからんけど、蒸気がいっぱい詰まった鉄の塊"スチームボール"をめぐり、祖父と父と息子の親子三代でくっついたり離れたりの冒険活劇が本作ストーリー。
蒸気が主要エネルギーの世界で、いくらでも蒸気を生み出し、かつサッカーボール程度のサイズというコンパクトさ。現代の科学でも到達し得ないであろう超技術。こうなったら何でもやってしまえと仰天技術が目白押し。
もっとも大半は軍事兵器なのだけど。
親子三代の男臭い作品で、女っけといえばオハラ財団のお嬢様・スカーレットただ一人。
確かにイギリス産業革命は男の価値を押し上げた時代だろうが、それをそのまま映画に持ち込まなくてもいいではないか。
しかもせっかく劇中たった一人の華だというのに、ペットの子犬には虐待じみた扱いだし、どこまでいってもお嬢様然としていてレイ少年とはちっともラブラブにならない。
そして一度たりとも何の活躍もしない。
こんなヒロイン、ちょっと他に見当たらない。チョイ悪の峰不二子だって、お風呂大好きしずかちゃんだって、もうちょっと活躍するシーンあると思うんだが。
また親子三代の壮大な親子喧嘩とは別に、アメリカ財団vsイギリス政府の科学対決もあるのだけど、これがまたハードな設定。
近代化の流れに従って、科学を下地においた軍事進出が本音。蒸気満タンのスチームボールは、両陣営にとっては夢のデバイス。ボールの争奪戦を兵器プレゼンの舞台に替えてガチンコ勝負。
わりとしっちゃかめっちゃか。
しっちゃかめっちゃかといえば、キャラクターが無駄に多くて芋洗い状態なのはどうしたものか。
もっと掘ればいい味出そうな財団のエージェントとか、レイ少年の父・エディのライバル科学者・ロバートとか。
尺は2時間超で十分あるはずなのに、キャラの使い回しはどうにも未消化に終わった感が強い。
なによりガッカリするのは、ポスターやPC壁紙に描かれる画と本作映像とのギャップだ。
見ているだけでワクワクしてくる質感とエモーションが込められたポスターに比べ、本作映像は薄っぺらいシーンがチラホラと。
本作より見栄えのするポスターで釣って、観客をガッカリさせるのは勘弁して欲しい。レン少年なんぞ、引いたシーンでは3.5頭身くらいに見える。そんな映画じゃないでしょって思う。
いつまで噴出しても絶えることのないスチームボールの謎を解けとか無粋なことは言わないから、身内のケンカで収拾ついてしまう映画にしないで欲しかった。あとポスターとのギャップ。
前田有一氏も本作レビューで
「大友作品に求められるレベルは高い。まだまだこの程度では観客は満足すまい。」
といってるが、どうしたって大友克洋の長編アニメーション。否が応でも期待は高くなってしまう。
だからこそ、「なんで?」となってしまうのは否めない。
中身は親子三代の壮大なケンカ&米英蒸気兵器対決のスチームパンク。
わりとベッタベタなストーリーなのだ。
それで長尺というのも、観客にとってはかえって苦痛。もう少しスリムにできたんじゃないかと思えて仕方ない。
では評価。
キャスティング:4(ヘタとは思わないけれど、あんまり印象に残らない)
ストーリー:4(典型的な中身なのだから、もっと短くできると思う)
映像・演出:6(そんなに悪くないけれど、とりたてていいとも感じない)
ヒロイン:1(こんなにかわいげがなくて、しかも活躍しないヒロインはみたことがない)
キャラクター群像:5(もっと活躍できる潜在力はあったはず)
というわけで総合評価は50点満点中20点。
ポスターから想像させる期待感とのギャップが激しい作品。
映画『AKIRA』だけじゃ満足できない人、映画『SHORT PEACE』の予習として期待を"下げて"おきたい人にはオススメ。