ワンダーウォール 劇場版 プロット

2018年にNHK BSプレミアムなどで放送され、単発ドラマながら写真集発売など異例の広がりをみせた「京都発地域ドラマ
ワンダーウォール」に未公開カットなどを追加した劇場版。京都の片隅にある学生寮・近衛寮。その寮は一見無秩序のようでありながら、そこに暮らす「変人」たちによる磨きぬかれた秩序が存在する場所だった。100年以上の歴史を持つこの寮に、老朽化による建て替えの議論が巻き起こる。新しく建て替えを希望する大学側と、補修しながら現在の建物を残したい寮側の意見は平行線をたどり、両者の間に壁が立ってしまう。そんな大学と寮を分ける壁の前に、1人の美しい女性が現れる。脚本は「ジョゼと虎と魚たち」やドラマ「その街のこども」「カーネーション」の渡辺あや。監督は学生時代に自主製作映画を手がけ、「京都発地域ドラマ
ワンダーウォール」がNHK入局後の初演出作となった前田悠希。

ワンダーウォール 劇場版 俳優

ワンダーウォール 劇場版 写真

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ワンダーウォール 劇場版コメント(9)

cioazbe
cioazbe
青くて古くて、難しくて単純、そして見ず知らずのはずのその寮の歴史と魔力に足を踏み入れるよう。老朽化の進む日本最古の学生寮の存続をめぐる学生側 vs 大学側の対立を描いた本作は、スタンスとして学生サイドすぎて学校側が単なるヒールと化している。と全く対等ではないが、その辺も例えば見ているだけでなんじゃコイツってなるマサラみたいなキャラクターに象徴される青臭さと若さゆえの突っ走れる尊さみたいなものもあっていいじゃないかと
gkjteby
gkjteby
1ヶ月前の先月の7月13日(月)に、イオンシネマ京都桂川まで、ちょうどイオンシネマで使用可能なdポイントが貯まって来ていた事もあり、2018年7月にBSプレミアムで放送された、NHK京都放送局制作による「京都発地域ドラマ」の『ワンダーウォール』という渡辺あやさん脚本の単発ドラマに一部追撮を加えた劇場版の鑑賞に行って来ました。
今更ながらになりますが、あくまでも備忘録的に記録に留めておこうかと思います。

原案自体は、京都大学の吉田寮をモデルにした、百年以上の歴史のある京宮大学・近衛寮を舞台に、本物の吉田寮と同じく”変人の巣窟”と呼ばれ、敬語禁止、ジェンダーフリーのトイレ、全員一致が原則の会議など、学生自治によって運営されている自治寮であり、一見無秩序のようでいて、”変人たち”による”変人たち”のための磨きぬかれた秩序が存在し、一見すごく面倒くさいようでいて、私たちが忘れかけている言葉に出来ない”宝”が詰まっている場所。
そんな自治寮に、老朽化による建て替えの議論が巻き起こるのですが、寮舎を補修しながら残したい寮生側と、他の建物に建て替えたい大学側との対立を軸に描いた物語です。

従いまして、端的に言えば、大学側の一方的な京都大学吉田寮の寮生追い出し問題を題材にしており、本ドラマで描かれていた状況と同じような事が実際に起きていたことはニュース報道などで知ってはおりましたが、確かに大学内における自治問題には違いないのですが、学生側にとっては、学生時代の最大8年間のみの問題であって、ずっと住み続ける訳では無いので、余りにも分が悪いと思って観ていました。

台詞がかなり少ないので、行間を読みながら観ていく必要があるドラマとも感じました。
でも、意外に台詞が少ない割りには登場人物が皆キャラクターが立っていましたので、決してお話に付いていくのに困ることはなかったです。

主人公キューピー(須藤蓮さん)に対して志村(岡山天音さん)が語る理論立てた台詞が、寮生側と大学側の双方を隔てる<見えない壁>の存在の無力感をよく表していたと思います。

この作品が「大きな力に居場所を奪われようとしている若者達の純粋で不器用な抵抗。その輝きと葛藤の物語。」と謳う通り、お話しに結論づけることがなかなか難しいテーマの中で、ドラマ版では、やはり中途半端な終わり方をしていましたが、学生達の寮への愛情がよく伝わるドラマでした。
そこを補うべく、劇場版ではわずか数分ながら<未公開カット>や<近衛寮のその後の物語>の追撮を加え、またクライマックスには、ドラマ版に共感された人々が一同に介して参加するセッションシーンが実現。

後半に進むにつれて、大学側と寮生側の双方に各々の言い分がある状況は、あたかも大袈裟に言えば、中東のパレスチナ自治政府とイスラエルの関係の様にも見えて来て、より普遍的な問題として問題提起なされるべきとも思えなくもないドラマでしたので、つい引き込まれる様なお話しでした。
しかしながらも、自由な校風を標榜してきた印象の旧帝国大学でさえも、学生による自治まで資本主義の合理化の波にあらがうことが出来ない現実はあまりにも悲しすぎました。
私を含む多くの観客の声は、成海璃子さん演じる女性の励ましのメッセージに込められているのではと思いました。

私的な評価としましては、
お話しに結論づけることがなかなか難しいテーマであり、普遍的な問題を採り上げてながらも、そんな中で、少しでも抵抗しようと不器用に頑張る若者たちの姿をよく描いていたと思います。
但しながらも、京都を舞台にしたご当地ドラマでしたが、贔屓目に見ましても、追撮部分があまりにも少な過ぎて、単発ドラマを映画化した劇場版と呼ぶには惜しい映画に感じましたので、五つ星評価的には、★★★☆の三つ星半評価に止まる評価とさせて頂きました。
advpqev
advpqev
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世界では人々を隔てる壁はなくなってきているイメージなのだが、現実には逆の状況が身近なところでも起きていることを告発する作品。旧い大学自治寮の存続運動をめぐる若者達の姿を、打ち込む者あり、冷める者もあり、モテるためにやる気になる者あり、と青春期の熱情を交えながらごく自然に描いていて好感が持てた。自由を標榜してきた印象の、大きな国立大学でさえ資本主義の波に逆らうことができない現実は悲しすぎる。私を含む多くの観客の声は、ラストの成海さん演じる女性の励ましのメッセージに込められていると思った。
rckylt
rckylt
築105年の京宮大学近衛寮。言わずと知れた京都大学吉田寮がモデル。変人の巣窟とよばれ、敬語禁止、ジェンダーフリーのトイレ、全員一致が原則の会議、など学生自治によって運営されている。端的にいえば、馬鹿な学生ばかりなら犯罪の温床になるだろう。しかしそこは、かれらこそ本邦における頭脳の雄山、憂慮は無用だ。むしろ、安寧と堕落にむさぼる快楽こそが彼らの敵。その危惧は、存続交渉の彼らの態度に現れている。かつての学生もこんなヤワだったのか?ってくらいグダグダだ。たぶん、先日、映画で観た三島と討論を交わした学生たちを覚えているからであろう。退寮要求に無関心な学生もそりゃいるだろう。だけど、せめて何人かは一本気な強弁者はいなかったのかと歯がゆい。戦略の見えない抗議に苛立つ。厭だ厭だと駄々を捏ねてばかりじゃなくて、せめて建築関係や自然環境や心理学等々の学友を巻き込んで代案を出せないのかとジリジリした。裏返せば、すでにもう無理だと諦めていたのだ彼らは。利益を求める大学の進める方針に抗うつもりがないのだ。堅苦しい大人たちと隣り合わせに生きている、自由を謳歌する若者たちに過ぎなかったのだ。

鑑賞後、人間の幸福にとって必要な何かって何なんだ?って漠然としながら、久々に渋谷の宮下公園の横までやって来た時、変わり果てた宮下公園の現状を目の当たりにして驚いた。数階建ての商業ビルとなり果てた姿を見て、これじゃない、と思った。屋上に緑地があるが、そうじゃない、と思った。宮下公園は、木陰で一息出来て、側には空き缶拾いのオッチャンが座り込んでいて、気が休まるんだけどそれでいて夜はうら寂しい、そんな渋谷の異空間でなきゃだめなんだよなあ、って。ああここにも経済至上主義の波が、と思いながら、それは僕個人の勝手なノスタリズムであることも自覚した。そうか、近衛寮もこれを求めていながら、世の趨勢に逆らうことの愚を悟ったのか、彼らは。
rzxxiz
rzxxiz
近年の分断を題材とした作品で最も優れた作品の一本ではないか。大学の自治寮の存続を巡って学生側と大学が対立、議論を続けてきたものの、ある日学生課に物理的な壁ができて以降、学生と大学のコミュニケーションは成り立たなくなる。経済合理性を追求して廃寮を強引に進める大学をなんとか止めようと学生側も連日学生課に詰めかけるも、話を聞くものはいなくなってしまう。やがて学生側は何と戦えばいいのかわからなくなり、学生側の中にも分断が生まれていく。
民主的な自治で寮を運営してきた学生たちが、全く民主的でない態度の大学側に窮地に追い込まれる。話し合いは時間の無駄で経済的に合理的でない、スピードばかりが重視され、学生の声を無視して計画を進めた方が世の中の競争には勝ちやすいのだ。
学問も何もかも、あらゆるものが合理性に吸収されていく世の中を、一枚の壁をモチーフに見事に描いている。渡辺あやの脚本は本当に素晴らしい。