身代わり忠臣蔵
プロット
日本
02月09日 劇場で
フレディ・マーキュリー The Show Must Go On
プロット
イギリス
02月16日 劇場で
ザ・パイロット
プロット
ロシア
02月16日 劇場で
鈍色ショコラヴィレ ビエンナーレ
プロット
日本
02月16日 劇場で
QUEEN ROCK MONTREAL
プロット
アメリカ
02月22日 劇場で
ただ、あなたを理解したい
プロット
日本
02月23日 劇場で
このサイトは、映画のポスター、予告編、映画のレビュー、ニュース、レビューに関する総合的な映画のウェブサイトです。私たちは最新かつ最高の映画とオンライン映画レビュー、ビジネス協力または提案を提供します、私達に電子メールを送ってください。 (著作権©2017-2020 920MI)。メール
赤い闇 スターリンの冷たい大地でコメント(11)
ー「ホロドモール」1932年~1933年にかけて肥沃な筈のウクライナ地方で起きた”人為的な”大飢饉。-
・イギリスの政治家、ロイド・ジョージの外交顧問を務めその後ヒトラーへのインタビューも行ったガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)はフリーランス記者として、ソビエトの経済繁栄に疑問を持ち、モスクワに乗り込む。
■怖ろしく、印象的なシーン
1.モスクワで出会った、ニューヨーク・タイムズ支局長デュランティ(ピーター・サースガード:怪演である・・)。(デュランティはピューリッツァー賞受賞者でもある。)にパーティに誘われるシーン。
裸女が多数踊り、アヘンの煙漂い、麻薬を打つ女性がソファーでひっくり返っている・・。デュランティは全裸で裸女と戯れている・・。驚くガレス。
ー徐々に明らかになるが、デュランティはスターリンの経済実験の実態を知っていたが、命を守るためなのか、真実を明らかにしていない・・。ソビエトに染まったのか?
きっと、自身の精神バランスを何とか保つための奇行であろうと推測。ー
2.同じく、タイムズ紙の女性記者エイダ(ヴァネッサ・カービー)はガレスと同じ思いでモスクワに来たの友人の死の真相や”ウクライナに謎が・・”と執拗に粘るガレスに漏らす・・。
ー彼女なりの、記者魂を示そうとしたのだろう・・。ガレスに対する記者としての熱き思いに折れたのではないか・・。-
3.ソ連当局の目を欺いて漸く乗った列車の中で、エイダから貰った果物を食べるガレス。異様な目付きで見る薄汚れた人々。そして、ガレスが食べ終わった皮を列車の床に捨てると、争って奪い合う人々の姿。驚きを隠しきれないガレスの表情。
4.列車から飛び降り、雪中行軍の後、たどり着いた村で”穀物のたっぷり詰まった袋”を地元民に交じって運ぶ際の”これは、どこに運ばれるのか・・””モスクワだ・・”
雪が降る中、無言で荷物を運ぶ人々。
一人の女性がガレスに囁く・・。”男たちがきて、自然の法則を変えると・・”憲兵らしき男たちに連れて行かれる女性。逃げ出すガレスに向けて、無数の発砲音が響く。
ー真実が明らかになる、ショッキングなシーン。人々の虚ろな表情・・。-
5.漸くある寒村にたどり着いたガレス。幼い男の子と女の子に出会い、家に・・。そこで、振舞われたスープ。少し年上の女の子が無表情でスープを温め、肉片を刃の先に一片だけ突き刺しスープの入った椀に入れ、幼き二人とガレスに差し出す。
無表情で小さな肉片を口にする少女。ガレスが”何の肉?”と聞いても答えない・・。スープをよそってくれた女の子が”兄・・”と口にし、驚愕したガレスが裏口に行って見たもの・・。激しく嘔吐するガレス・・。
-武田泰淳の”ひかりごけ”を思い出す・・。-
6.デュランティがエイダに対して、ある文章をタイプライターで打たせるシーン。
-エイダの抵抗・・。職が無くなるのに、立派である・・。-
7.何とか、イギリスに帰ってからも、ソ連に人質に取られた技師たちを案じて、ロイド・ジョージ含めた政治関係者は彼を責める・・。
無念の涙に暮れる彼を子供たちもからかう・・。
根拠は、デュランティがニューヨーク・タイムズに寄稿した”彼の言っていることは、嘘。スターリンの実験は多少の犠牲を払っているが・・”という記事。
-デュランティ!お前、ピューリッツァー賞受賞者ではないのか! 政治関係者の判断は、当時の政局を考えれば、そうなるか・・。はあ・・。-
8.そして、漸く真実が記事になり・・
◆今作品では、冒頭、中間、ラストでジョージ・オーウェルが彼の代表作の一つである、「動物農場」をタイプし、モノローグで文節が流れる。これが、何を暗喩しているかは一目瞭然であろう・・。
<黒い大地と呼ばれた豊饒な土地を持つ、ウクライナ地方で僅か90年ほど前に起きた出来事を、モノトーンに近い色合いで寒々しく描き出した作品。
ウクライナ紛争の起因になっている「ホロドモール」の実態を明らかにした意義ある作品。
だが、”エンドロールで流れた言葉”に、戦慄と怒りを覚えた作品でもある。>