セカンドキャリアを歩む2人の元アイドルの葛藤と揺れ動く心情を描いたドラマ。アイドルグループ「ファンファーレ」の初代リーダーである大石万理花と元センターの須藤玲は、グループ卒業後はそれぞれ振付師とスタイリストの道へと進み、夢や厳しい現実と向きあう日々を過ごしていた。そんなある日、かつての仲間でファンファーレ現リーダーの西尾由奈から、卒業ライブのために振付と衣装を担当してほしいと頼まれる。突然訪れたチャンスをつかもうと奮闘する万理花と玲だったが、追いつかない技術や、決して良好ではなかった過去の関係により衝突が生じてしまう。「不能犯」「恐怖人形」の水上京香が万理花役、舞台を中心に活動する野元空が玲役でダブル主演を務め、「スプリング、ハズ、カム」「君は永遠にそいつらより若い」の吉野竜平が監督・脚本を手がけた。
ファンファーレコメント(3)
キャストやあらすじではなく、ポスターに惹かれた作品。
イラストのみで、空白が目立ち、そこにカラフルな色が点在する、とても印象的なデザイン。
卒業済みのふたりにだけ色(影)がないのも含め、センス良いなぁ。
話の筋としては其々の悩みや葛藤など、非常にリアル。
エクボが百田夏菜子っぽい由奈など、元も含めメンバーの雰囲気にも実在感がありました。
そのぶん中盤から、特に万里花にはちとイライラもしましたが。笑
演技も自然でみんな上手く、本音をぶつけ合うシーンはなかなか心にきた。
ただ、輪ゴムのシーンで険悪にならなかったことから、根っこの部分の繋がりが見えてたのが救い。
意味深に匂わせた“卒業の理由”は結局明かされず。
また、ファンファーレの人気や知名度といった立ち位置(大手でないのは分かるが)も分からない。
衣装のゆとり問題やダンスの落としどころなどもキチンと回収してほしかったなぁ。
女性中心のキャストの中で、見た目もキャラ付けも差別化できていたのは素晴らしい。
メイン3人のみならず、現役メンバーの赤と緑、玲の上司など、いいキャラでした。
中島歩はスーツのイメージが強かっただけに、今回のような役は新鮮。
メンバー二人が空気だったのは惜しいが、尺を考えれば英断か。
芸能人(現役アイドル)から一般人(元アイドル)に握手を求める構図は面白かった。
脚本面に惜しいところはあるが、小規模公開が勿体ない佳作でした。
コロナ禍に卒業ライブも出来ずに卒業した2人を思い、最後の結成メンバーで現リーダーが自身の卒業ライブに2人に仕事を依頼して巻き起こっていくストーリー。
ダンス教室でキッズを教える元リーダーに振り付けを依頼して、服飾の仕事をする元センターに衣装デザインを依頼してという流れだけれど、現リーダーの卒業ライブもコロナの為無観客という設定。
最近でこそ普通にライブとかやっているけれどこの作品の企画や撮影の頃は見通しが立っていなかったんでしょうね…。
元リーダーのインスタライブの視聴者数をみるに、恐らく地下アイドルレベルなんだろうな…という感じで、ダンスも服飾も一応自分で勝ち取った感じなんだろうけれど、意識不足、努力不足、勉強不足で力不足なうえに、責任感も足りていない様な…。
それでも何とかという様は結構リアリティもあるし精神的な成長物語でもあるしとても面白かった。
ただ、最後のライブとかの見せ方からすると、元メンバーを見せたいのか、現メンバーを見せたいのか…架空のアイドルとはいえ、このライブの感じにするならもうちょい現メンバーにもフォーカスを当てたドラマがあった方が良かった気がする。
今回はアイドルがテーマでしたが、女優さんの演技、間、セリフ、情景すべて素晴らしく、女の子たちのそれぞれの葛藤がじわじわ伝わってきて、アイドル経験者でも何でもないのに心に刺さりすぎました。
もう1回は観たいです。