波紋

7.4/10
合計10件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   120分
言語   日本語
地区   日本
書かれた   荻上直子
劇場で   05月26日 2023
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波紋 プロット

「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の荻上直子が監督・脚本を手がけ、震災、老々介護、新興宗教、障害者差別といった現代社会が抱える問題に次々と翻弄される家族の姿を描いた人間ドラマ。須藤依子は「緑命会」という新興宗教を信仰し、祈りと勉強会に励みながら心穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、十数年前に失踪した夫・修が突然帰ってくる。自分の父の介護を依子に押しつけたままいなくなった修は、がんになったので治療費を援助してほしいという。さらに息子・拓哉は障害のある恋人を結婚相手として連れ帰り、パート先では理不尽な客に罵倒されるなど、自分ではどうしようもない苦難が次々と依子に降りかかる。湧きあがってくる黒い感情を、宗教にすがることで必死に押さえつけようとする依子だったが……。主人公・依子を筒井真理子、夫・修を光石研、息子・拓哉を磯村勇斗が演じた。

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波紋コメント(16)

Usgynrfrhu
Usgynrfrhu
軽快なパルマが場面転換に打ち鳴らされるたび、徐々に何かに向かって熱量が上がっていく。

映画はヒビ割れていそうな足裏のアップから始まる。なぜか?と不思議に思って見ていると引きの画面でその足は夫のもので、それを見つめているのが夫に嫌気がさしている妻であることがわかる。
更年期と言われる年齢を迎えてもこの夫婦は(きっと結婚当初から)ダブルベッドで寝ているのだ。
それだけでもこの妻に敬服だ。私ならムリ××

けど、この女主人公--依子も枕を並べて眠るのは夫のイビキの煩さ、加齢臭などからムリだったんだね。
なんと足と頭を夫婦で交互にして寝ている。
あー、だよねー。やだよねー。
この夫婦の関係が一目瞭然の冒頭シーン。お見事!

そして、朝起きてリビングのカーテンを開ける妻が目にするのは色とりどりの花が咲く庭。このガーデニングは実は夫の趣味であることがのちにわかる。

毎食の付け合わせに登場するらっきょう。これをぽりぽりと咀嚼する音が会話のない食卓に響きわたる不穏さ。
これからこの家に起こる災厄を予告するかのようだ。
案の定、突如家出する夫。
数年後、リビングの様相は一転し一人息子の影もない。驚くのは庭。花は一切なく、その代わりに見事な枯山水が整えられている。

夫の家出後、舅の介護を押し付けられ最期は葬儀も出してやった。パートで働くスーパーのレジでは故意に商品に傷をつけ「傷があるから半額にしてくれ」と毎度やってくる爺さんの相手をし、整えた枯山水の庭に鎮座する隣家の猫を飼い主に注意すれば謝罪もなく「本当にウチのなの?」と睨まれ、依子ストレス度MAX!
見ていてストレスメーターがグングン上がっていく感じ(共感)。
これらの程よいエピソードの盛り込み具合もうまくて所々で笑えるのだ。

現実とイメージが交錯する心象風景では、枯山水ではなく彼らは実際の水面に立ち発言を繰り返す。都度、次々と発言者の周囲に水紋が拡がっていく。この演出がとても舞台っぽい。役者が巧くないと成り立たない。小道具なしの表情と台詞勝負の芝居だ。

そもそも枯山水は砂や石で水のないところに水の流れを描く古くからの庭園様式で心を無にしてじっと見つめるとそこに実際の水の流れを感じることができるとか。
いずれにしても主人公は雑念を取り払い、心を無に帰する必要が常にあったのだ。だから宗教にも頼った。同僚に勧められたら市民プールにも通った。

けれども、その果てに訪れた未来は、彼女の予想をはるかに超える新たな苦難だった。

役者が皆うまい。特に須藤依子を演じた主演の筒井真理子が最高。私の中では優秀主演女優賞確定。

ラスト、喪服で情熱的なフラメンコを踊るシーンは語りたくなる名場面に仕上がっている。
喪服着物の襦袢を真紅にするって(発見と驚き!)この赤と黒のコントラストからフラメンコを踊らせるって(めっちゃ合ってる!)このラストシーンを思いついたところからこのストーリーを描いたのでは?荻上直子監督は。
…と思ってしまった。