TITANE チタン

7.2/10
合計18件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   108分
劇場で   04月01日 2022
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TITANE チタン プロット

「RAW 少女のめざめ」で鮮烈なデビューを飾ったフランスのジュリア・デュクルノー監督の長編第2作。頭にチタンを埋め込まれた主人公がたどる数奇な運命を描き、2021年・第74回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた。幼少時に交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれたアレクシア。それ以来、彼女は車に対して異常なほどの執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになってしまう。自身の犯した罪により行き場を失ったアレクシアは、消防士ヴィンセントと出会う。ヴィンセントは10年前に息子が行方不明となり、現在はひとり孤独に暮らしていた。2人は奇妙な共同生活を始めるが、アレクシアの体には重大な秘密があった。ヴィンセント役に「ティエリー・トグルドーの憂鬱」のバンサン・ランドン。

TITANE チタン オンライントレーラープレイ

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TITANE チタンコメント(14)

Mhnpkgssoix
Mhnpkgssoix
ネタバレ! クリックして本文を読む
When I see a stereotype,” says French director Julia Ducournau,
“I try to kill it.” She certainly did that in July by winning the top
prize at the Cannes film festival.
イギリスで200年続く中道左派系の新聞紙:The Guardian のweb版に載ってたコメントから彼女が傾倒する監督として変態造形映像作家デヴィッド・クローネンバーグの名前を挙げるのも何だか分かる気もする。

Honestly, I was not expecting it. We're not a country that values
genre films very much.    そして
For many years  it's been looked down on as not being serious
enough or valuable enough and it feels like now there is a rising
awareness that genre films very much talk about humanity and
individuality as well in a deep manner.
既存の視聴者と一緒に特定のジャンル、ここではホラーに適合することを目的として制作された映画のことを”genre films” と言い、特に彼女の場合はホラーのサブジャンルに当たるボディ・ホラーに傾倒している。
映画サイト:Indie Wireによるボディ・ホラーのトップテンの中には日本映画『鉄男』やデュクルノー監督が支持するデヴィッド・クローネンバーグによる『ヴィデオドローム』であり『フライ』、その他にはジェームズ・ガンの『スリザー』などが主なところとなり、それぞれの映画では人体の変形であったり、人智を超えた怪物であったり、未知の生物の造形物をCGIなんかで創造することなく精巧にできた着ぐるみというギミックを使ったライブ感を優先する製作者側の意欲の表れとなっている。

この映画を鑑賞中にほかの作品の事を考えることは不謹慎かもしれないけど関西出身で今確か吉祥寺の大通りから一本入ったところにこじゃれた和風の家に居を構えている日本の3大Sci-Fi作家の一人筒井康隆の『無人警察』の事を... 本作とは明らかに系統は違ってもこのチタニウムを頭に埋め込んだことで殺人狂になってしまうあたり、脳に関するある一部の異常な部分を指摘していることで康隆の小説が日本てんかん協会からてんかん患者に対する差別をもたらすと抗議があり、その一つが「てんかんをもつ人々の自動車運転について時代遅れの考えを述べている。てんかんをもつ人の自動車運転が認められるようになってきているという世界の趨勢に逆行し、てんかんに対する差別や偏見を助長する。」と... それについて差別的発言になるのを承知で現在てんかんを持つ方が重機で児童5人死傷事故を起こしているのも現実として受け止めるべきかもしれない。

本作の特徴としては、クラブでもトップクラスの美貌と完成されたボディを持つクレイジーすぎる踊りを披露するダンサーであり偶像的存在のアレクシアがある瞬間からマニアックな殺人狂となり、その感情の高ぶりと制御できないココロがある物体との交わりを持つことで自分自身の姿かたちが変身・変形していく様子を革新的な技術力に裏付けされた精巧にできたギミックによって痛みと恐怖を極限まで描いている。それはクローネンバーグ監督が製作した『フライ』の少しずつハエの特性である完全変態へと主人公を導くように。

Vincent: I don't care who you are. You're my son. You'll always be
my son. Whoever you are. Is that clear?   このヴィンセントの言葉は映画の核心であり、象徴的なものとなっている。
体だけを求める奴は即殺し、真に愛してくれるものを探すのは、ボディに宿ったモノからのココロの叫びと誘導であり、母体の必要性を問わない機械的感情の非道さをこの映画は最後まで貫いていて、アナボリックステロイド製の岩のような隆起した筋肉を背負い、無我になるほどアレクシアを彼自身の息子として認識する異常性を発揮している消防士団の隊長ヴィンセントとの出会いから主人公のアレクシアが一言も話さなくなるほど彼女の変態は進みあれほどの美貌の持ち主が醜い体となりラストへ...

"This year has proven that we cannot keep ignoring female voices
in the arts," Ducournau said.
作中、同性愛も含め性的なシーンが多く使われているけども、その中でも一際目立つ筋肉を身にまとった消防団員たちが踊り狂うシーンが性的マイノリティであるLGBTを超えた非日常的なものなのに全編を通じてエロティシズム感は個人的には感じさせないほどの変形ぶりということ...

この映画は現代の女性が拒否るようになっているけど女性でしか経験できない崇高で人としての存在価値のある行為として美的と尊厳的なメタファーとして描かねばならないのに、この監督さんは真逆に醜く、汚泥のように描写するあたり高額なSMフィルムに仕上げている。

「スクウェアな奴を見ると殺したくなる!」とパフォーマンスのように語るデュクルノー監督 ... 明確にするとこの人ミソジニストでしかない。   ... 何か?
Ishmgoksxpn
Ishmgoksxpn
シンプルに発想から何から気持ち悪いなーって思う。その、面白さとか描写における隠喩とかどうでもいい。割と論点も外れてくから何とも…。

まだ『ミッドサマー』的な一貫性があれば、かろうじてウケているポイントやメッセージ性は分かるんだけど、これはカオスすぎて言葉が出ない。シンプルに良くこんなの思いつくな…ってなる。こういう映画の多いフランスは、女性像的なものに神秘性と変態的な解釈を加える作品が多い気がする。しかも、それが評価されているのも不思議でしょうがない。どこに惹かれるんだか。

と言うのも無理はなく、『RAW』の監督と聞いたところでピンとくることもなく、初めて観たので驚きが強すぎる。経緯とか普通にふっ飛ばすし、凄いねぇ…。

アメ車って確かにサスペンションが柔らかくて、あんな風に遊ぶこともあるイメージだけど、あんなに興奮して揺れるかね…汗。凄い変態的な紳士を観た気分。
Ihotscytpyr
Ihotscytpyr
第74回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールに輝いた作品と知った上で本作を見ると驚く人が多いかもしれない。序盤のイメージは妖艶ながらも、恐ろしくて痛いシーンが続き、見る側は早い段階で予想を裏切られたような気分になり、展開も含めて謎だらけで、最後まで見届けるしかない映画でもある。風変わりな作品のため、怪作が苦手な人なら途中で退席してしまうかもしれない。
父親が運転する車の後部座席で、エンジンの音に合わせて唸る少女(アレクシア)の冒頭シーンから、既に独特な雰囲気を醸し出していた。アレクシアは父親に注意されても止めようとしない。「彼女は車と会話でもしているのだろうか?」と感じた瞬間、交通事故に遭ってしまう。この序盤の少女の時のエピソードから、話はどんどんエスカレートしていく。
アレクシアは事故の治療で、頭蓋骨にチタンプレートを埋め込まれる。
この先の大人になってからのアレクシアについては、常識を軽々と超えるような展開になり、時には痛々しい描写もあり、本作を見る際には「目を背けない」という覚悟が必要になってくる。
とは言え、後半の孤独な高齢の消防士との奇妙な共同生活から何かが変わっていき、アレクシアの底力と生きることへの執着心が、見る側の心に突き刺さっていくと私は感じた。
ラストの結末も想像を絶するもので、これがカンヌ国際映画祭で最高賞を受賞するというのもカンヌの懐の深さのようなものを感じる。
恐らく見る者によって感想は全く異なるであろう衝撃作。私はこの独自性を評価したい。
Uxssebecyu
Uxssebecyu
カンヌでパルムドールを獲得したフランス映画の本作。デヴィッド・クローネンバーグ監督が自動車事故に性的興奮を覚える女性を描いた「クラッシュ」との類似点を挙げる声が多く、クローネンバーグ好きな評者も確かにそう感じるが、思えば「クラッシュ」もカンヌで審査員特別賞を受賞したし、他の5作が最高賞の候補になり、さらには審査委員長も務めるなど、かの鬼才はカンヌに、さらに言えばカンヌが象徴するフランス文化的価値観に愛された監督でもあった。

根拠の弱い憶測になるが、フランス文化圏では20世紀中盤頃までに旧来の男女の愛をあらかた語り尽くしたと感じたのではないか(もちろん同性愛を描く作品も以前からあったにせよ)。そして、80年代以降に愛と性に関する価値観が多様化したことと、異形の者への偏愛と人体改変・破壊への執着(広い意味でマイノリティと言える)を描くクローネンバーグ作品が時代的にマッチしたのでは、と思うのだ。

さて本作「TITANE チタン」は、幼少期に車の事故による怪我で頭にチタンプレートを埋め込まれ、成長したのち車と“愛を交わす”ようになる女性の話。カンヌは若い女性同士の性愛を描いた仏映画「アデル、ブルーは熱い色」にも2013年にパルムドールを授けたが、「TITANE」もやはり旧来の枠にはまらない愛を描いている点で共通する。マイナーなセクシュアリティが繰り返し描かれ、また支持されるのは、もちろん物珍しさからではなく、知らなかった愛の形を映画で疑似体験することにより、愛とは何だろう、さらには人の性、生とは何だろうという根源的な問いの答えを求めようとするからではないか。

愛と疑似体験に関して話を別の方向に転じると、他者のlife(生活、人生)を疑似体験できるメディアとして映画は現在まあまあポピュラーな選択肢だが、仮想空間のアバターで何者にもなれるメタバースが今後普及すれば、体験の面では映画を超えるメディアになる可能性が高い。そこでは性自認と異なる性のキャラクターにもなれるし、人間以外の動物、異星人、そしてもちろん機械との恋愛だって自由だ。

前に「フリー・ガイ」のレビューで、続編の筋の妄想として、ゲーム世界で「各キャラクターのコードをDNAに見立ててカップルで組み合わせ、自分たちの子のコードを書いて誕生させる」ことが実現すると書いたが、同じことは将来のメタバースでも実現可能だろう。メタバース内のオプションサービスとして、愛し合う2人の両アバターのコードを組み合わせて「子供」を作る、気に入ったマシンとのハイブリッド(混血)の子を創造する、というのだってあり得る。それはもはや疑似ですらなく、リアルな体験なのかもしれない。そんなことを考えると「TITANE」は、そうした将来のメタバースにおける「愛のかたち」を予見しているような気もしてくるのだ。
lfshsi
lfshsi
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刺殺、撲殺、放火、自傷、汚物、嘔吐にまみれた前半から、妄想に憑かれた後半へなだれ込む様は黒いユーモアの表層か。
ホラーのみならずミュータントのごとき生命体の登場とその展開の飛躍は近未来型変態映画の称号に相応しい。