映画初出演で初主演の阪本一樹と「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ以降も数々の映画やドラマ、舞台で活躍する須賀健太が主演し、2人の男子高校生がそれぞれの思いを抱えて旅に出る高校生活最後の夏休みを描いた青春ロードムービー。若手映画監督の登竜門「ぴあフィルムフェスティバル」でスカラシップの権利を勝ち取った小田学監督の完全オリジナル脚本による長編デビュー作。工業高校3年生のサイモンとタダタカシ。大学進学を目指すサイモン、実家の工場を継ぐタカシと、2人はそれぞれ卒業後の進路が決まっていた。男だらけの学生生活に焦りを感じたタカシはサイモンを誘い「運命の女」を探すための旅に出る。ギター片手に全力で突き進むタカシに対し、サイモンは親友タカシへの秘めた思いを伝えられないでいた。第28回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでフォトジェニック賞を受賞した阪本がサイモン役、須賀がタカシ役をそれぞれ演じる。
サイモン&タダタカシコメント(13)
男子目線の表現だなあと思った。女子では隠すところも全部出しちゃう。それが逆に純粋だなあ〜と感じた。
登場人物のキャラが濃い。ストーリー展開もぶっ飛んでる。
様々な想いや展開がドドドドーっと押し寄せる。ラーメンで言うならこってり濃厚スープ。
にんにくと油が多め。想像を超えて多め。
ただ鑑賞後の後味は、なぜだかすっきり爽やかフルーティ。
表現は奇抜でも、テーマとなってる思春期特有の感情や、純粋な恋心は誰もが共感できる普遍的なものだからかもしれない。
純粋な想いに、心がぎゅっと切なくなった。
井之脇海くん演じるヤンキーと、田中日奈子さん演じるヤンキーの彼女が個人的にはツボでした!
須賀健太くんの演技力もすんばらしい!
サイモン&タダタカシ。特別先行上映(2/12)で最初に観た時は、あら?このラストは、どう捉えれば良いのかしら?…と、正直戸惑った。まあ、ラストに至るまで突拍子もないことばかりなんだけど。一緒に観に行った夫は、全部サイモンの妄想だったんじゃないのか?最初の高校の授業風景から ちょっとおかしかったし…とまで言う始末。おい待て。こんなにも命がけの旅から生還を遂げた二人に対して、奇面組(漫画のほうね)みたいな、全部 唯ちゃんの夢でした的な締め方で丸く収めようってか?オマエ、鬼って知ってるか!?(夫とはこれ以来、この映画について話しはしてません)。
さて。3/24の初日舞台挨拶付き上映×2回 と、クラウドファンディングのリターンで頂いた前売り券を使って3/27に観まして。通算4回観ての私なりの感想を。
まず、どこまでが現実だったのかに関しては、これはもう、え、そんなの全部だよ、全部二人が経験してきたことだよ、と。今の私は、そう思ってます。本気で。
強いて言うなら、バス降りてサイモンから見て左、ではなく、タダちゃんから見て左 に行った時点で、あ、これはちょっと変な世界に二人して入っちゃった感じ?と。初回を観終わった時に、何となくだけど ロッキーホラーショーを観た後に似てるなーと思ったの、今なら理由が分かるなあ…。もっと言うと、『千と千尋の神隠し』的な感じじゃない? 導入部はガチ現実。旅パートは ちょっと現実離れした世界だけど、自分を見つめ直したり気づかされたり自分が変えられていく経験値アップステージ。そして現実に帰って行くんだけど、帰って来た二人は、外見は変わらないけど、新たに生まれ変わったかのような。
私はやっぱり、あの変てこな『運命の女を探す旅』は、あの タダちゃんにとって左に進んだ世界の中で、二人の身に降りかかったこと や 其々が思ったこと感じたこと 切なさも涙も驚きも勇気も愛も、全て 二人のリアルな経験値としてこれからの人生の糧となって欲しい って、凄く、凄ーく 思ってしまう。
ジブリのあの世界観をすんなり受け入れて拍手喝采な日本人が、こと、実写になると途端に 現実世界との辻褄合わせに必死になるのは何故なんだろうか。いや、最初に観た時の私もそうだったけど。そんなアタマに響くのは、河原でタダちゃんがサイモンに言い放つ、
「 つまんねーな、おまえ… 」。
…そうか。そうだよな。リアルな現実だけを観たければ。ドキュメント番組を観ていれば良い。
旅の終わりに、じゃ…、と別れようとするサイモンから始まる一連の会話がとても好きだ。
「じゃ…」
「おい、どーすんだ?」
「俺、諦めたから 大丈夫だよ」
「そうじゃなくて。今日も おでんだって。… やっぱ俺は女が好きだよ」
「うん」
「なあ、俺のどこがいいんだよ?」
「全部」
「じゃあ なんで彼女出来ないんだよ?」
「みんな 見る目が無いんだよ」
「じゃ、お前は あるのかよ」
「ある」
「じゃあ、彼女出来るまで手伝え」
「出来なかったら?」
「後輩に手ぇ出す」
「ダメじゃん」
「うるせーよ。ジュースくれよバカ!」
冒頭のアニメーションのタダちゃんは、健太ウロ…いや、ケンタウロスとして神々しく混沌としたサイモンの前に現れて心を射抜いたけど、ラストに現れる健太ウロ…(しつこい・笑)いや、ケンタウロスには、翼が生えてる。大きな翼を広げ、ケンタウロスでありペガサスになったタダちゃんは、サイモンを背中に乗せて大空を駆ける存在に変貌を遂げた。
サイモンの気持ちを受け入れることは出来ないけど、受け止めはしたタダちゃん。自分の全部を良いと言ってくれる存在が居ることを知ったタダちゃん。
サイモンがジュースを投げたその場所に居たのが変貌前のタダちゃんだとしたら、一瞬消えても不思議じゃない。光輝くケンタウロペガサスのチカラで、ズタボロになったTシャツだって真っさらになれちゃうだろうし、そんな真っさらな気持ちで、サイモンはまたタダちゃんを好きになる。
エンディングに流れる どついたるねん の『静かなるドン』の歌詞が心にじんわり沁みていくエンドロールは、夜空のようで。『サイモン&タダタカシ』は、見る度に、私を好きにさせてくれる。
バスに乗って窓から手を出し、おっぱいの感触を想像する二人。時速60キロの風圧がちょうどいいんだよね(by『おっぱいバレー』(2008))。途中で知り合った自転車暴走族のヤンキーたちや、スナック・デュエットの雰囲気もいいし、のんびりしたロードムービーに突如出現するUFOもいい。これがでっかい組織だったのか・・・何考えてんだよ、リーゼント。
UFOが登場したときには、低予算なんだからこんなシーンで無駄遣いすんなよ!と言ってやりたかったが、その声が届いたかのようにフィギュアになってアクションシーンが展開する(笑)。
同じ塾の女生徒に告られたサイモンは「好きな人が別な人を好きだったら」という問いに「応援する」という答えを得て、タダにはただ着いていき陰ながら応援する立場だった。このサイモンの葛藤が清々しくも微笑ましい。
間宮夕貴が〇リマンだったら・・・しかし、そんなことは問題ない。タダの一途なアプローチはマイコの心も揺さぶるのだ。UFOが絡んできて純愛もぶっ飛んでしまうが、これも巨大な組織のメタファーとしてとらえれば面白い。ただ、おっぱいがでかくて美少女だというだけで惚れ込んでしまったような感じもするので、その辺りはタダが大人になってから気づいて反省すればいいのかもしれない・・・
アニメーションやジオラマを使った演出など、
最近の映画には見ない、挑戦的で斬新な映画だったと思います。
主人公二人の恋愛物のように見えるのですが、バカバカしすぎるコメディでした。
「バカバカしいことに本気で全力で挑んだ映画」みたいな感じがしました(笑)
カオスで笑ってしまうシーンが沢山あり、ハチャメチャなのに
伏線や小ネタなどを綺麗に回収していく几帳面さがとても好きです。