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浜の朝日の嘘つきどもと プロット

福島県南相馬に実在する映画館を舞台に、映画館の存続に奔走する女性の姿を描いたタナダユキ監督のオリジナル脚本を高畑充希主演で映画化。100年近くの間、地元住民の思い出を数多く育んできた福島県の映画館・朝日座。しかし、シネコン全盛の時代の流れには逆らえず、支配人の森田保造はサイレント映画をスクリーンに流しながら、ついに決意を固める。森田が一斗缶に放り込んだ35ミリフィルムに火を着けた瞬間、若い女性がその火に水をかけた。茂木莉子と名乗るその女性は、経営が傾いた朝日座を立て直すため、東京からやってきたという。しかし、朝日座はすでに閉館が決まっており、打つ手がない森田も閉館の意向を変えるつもりはないという。主人公・莉子役を高畑が演じるほか、大久保佳代子、柳家喬太郎らが顔をそろえる。本作と同じタナダユキ監督&高畑充希主演で、福島中央テレビ開局50周年記念作品として2020年10月に放送された同タイトルのテレビドラマ版の前日譚にあたる。

浜の朝日の嘘つきどもと オンライントレーラープレイ

浜の朝日の嘘つきどもと 俳優

浜の朝日の嘘つきどもと 写真

浜の朝日の嘘つきどもとコメント(7)

ffhowex
ffhowex
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お叱りや恥を忍んではっきり言ってしまおう。
福島県民でありながら、この“朝日座”の事を知らなかった。
無理もない。
朝日座があるのは南相馬市。私が住んでいるのは郡山市。同じ県内でも結構離れている。(福島は広い!)
朝日座が建てられたのは1923年で、閉館したのは1991年。私が生まれたのは1982年。
こういう作品が無ければ、なかなかご縁が…。
だからまず、作ってくれた“ご縁”に感謝を!

100年近い歴史を持つ朝日座。開館時は、“旭座”。
1991年に一度は閉館するも、2008年に“朝日座を楽しむ会”が発足。
2011年の東日本大震災をも乗り越え、再び地域の人々の集う場に。
そんな実在の昔ながらの映画館を舞台に上映する、話自体は創作の“嘘物語”…。

シネコンの波。
さらに、東日本大震災とコロナのWパンチ。
借金もあり、朝日座の支配人・森田は閉館と売却を決意する。跡地には健康ランドが建設予定。
断腸の思いで古いフィルムを焼いていると、若い女性が現れて、突然水をぶっかける。
何でも遠い親戚に当たり、映画館を立て直す使命を帯びたという。
名は、“茂木莉子”。
そんな映画みたいな唐突な出来事がある訳…。
そう、嘘。
“動機”以外は。

本名は、“浜野あさひ”。
両親、弟と南相馬で暮らしていた。
あの震災が起き、家族が崩壊した。
父は除染作業送迎の“浜野朝日交通”を立ち上げ、成功。
一方、神経質の母は放射能で身体の弱い弟ばかりを心配。
あさひはその板挟み。父の成金と自分の名と同じ会社も嫌い。学校では友達も出来ず、居場所も無く…。
そんな時救ってくれたのが、田中先生。
先生と交わした約束。それが、
南相馬にある朝日座っていう、古いけど、とってもいい映画館を、立て直して欲しい…。

現在パートの“莉子”と過去パートの“あさひ”のエピソードが交錯して展開。
まず、“莉子”。
とにかく莉子が、ズケズケ物を言う物怖じしない性格。
森田はメタボな頑固親父。
「ジジィ!」vs「小娘!」と二人の丁々発止のやり取りも愉快。
閉館の危機にある映画館を救う奮闘劇。
クラウドファンディングやTV出演で借金返済のお金を募る。
好調!…が、ぴたりと客足は止まる。
買取側の画策。借金額は450万だが、取り壊しがすでにもう決まっているという事は、その人件費なども含めさらに1000万プラス。
何て悪徳なやり口!…いや、一概にそうでもない。
健康ランドなら老若男女、地域の人の為の憩いの場となれる。
客離れが激しい映画館にそれが出来るか…?
私はこれを聞いた時、厳しい現実を突き付けられたような気がした。
夢で飯を食っていけるか…?
でも、飯を食う為に人は夢を見るもの。
この現在パートはコミカルでありつつ、シビアな現実からも目を背けない。
果たして、総額1450万を取り壊しの日までに集める事は出来るのか…?

“あさひ”パート。
映画好きの田中先生。
あさひも視聴覚室で一緒にこっそりDVDを見たのがきっかけ。
親御さんたちには不人気だけど、生徒たちには人気の先生。あさひも大好きな先生に。
その後あさひは東京へ引っ越すも、そこの学校を中退し、戻ってきて先生の家に居候を始める。
一緒に住み始めて分かった、実は男にだらしない先生。すぐ惚れて、すぐフラれ…。
でもあさひにとっては、欠けがえのない毎日。
映画もたくさん見て。
教師の前は映画の配給会社で働いていたという先生。
何だか、夢や人生のこれからなど抱いていなかったあさひの目指すものが…。
歳の差、生徒と先生の立場を越えた親友に。
…別れは突然に。
それから、8年。
あさひはかつての先生のように映画の配給会社で働いていたが、今の先生のカレシから呼ばれ、再会する。
思わぬ姿の先生と…。

高畑充希の巧さ!
元々演技力には定評あるが、強気な現在“莉子”と根暗な過去“あさひ”のメリハリ、抑圧、性格付けが見事!
落語家の柳家喬太郎もユーモアと哀愁たっぷり。
年齢、本当ですか…? 体型は本当ですよ。二本立ての組み合わせはちょっと…(^^;
個性派キャストが揃った中、個人的にVIPを挙げたいのは、お笑い界からの大久保佳代子。

大久保さんが演じた田中先生。
素のようなナチュラル演技。
男にだらしない設定は、絶対大久保さんからのイメージでしょう。
優しくて、一緒にいて楽しい。
笑わせる。
教師/大人としての責任能力もある。
泣かせもする。
あさひを映画好きにしてくれた人。
あさひの人生に影響を与えてくれた人。
ベタな言い方だが、自分も学生の頃、こんな先生と出会えてたら…。
二人で暮らした日々はあさひにとっては欠けがえのない毎日だったが、それは先生にとっても。
別れの日の振り返った先生の笑顔がそれを物語っている。
それから、先生の今カレがチョー可愛いの。
ピュアな外国人青年。何だか頼り無さげだけど、彼が最後、まさかまさか!

福島ロケも良かった。
南相馬にはほとんど行った事無いが、明らかに郡山の風景が!
あの屋上から見覚えや馴染みある街並み…。

日本の女性監督も十人十色。西川美和は重厚な作品、河瀬直美監督は知的な作品…そんな中本作のタナダユキ監督は、ユニーク。
私が好きな『百万円と苦虫女』はタイトル通り苦いユーモアある作品の一方、『ふがいない僕は空を見た』は激しい濡れ場を交えた重厚な作品。
本作は一見、『百万円~』寄り。
コミカルな作風。
アニメーションで説明される映写機。これ、仕組みを知ってる人は改めて、知らない人も非常に分かり易く、面白い。また、その時の先生の台詞が本作強いては、映画そのものや映画好きの我々を表している。
映画が題材なので、実在の映画も掛かる。通なら殊更堪らない。
その一方…
ちいさな昔ながらの映画館の厳しい存続危機。
その原因の一つは…。現在のコロナ禍も絡める。
そして、忘れちゃいけない。今の福島が舞台になる限り、描かなくてはならない、3・11=東日本大震災。
直接的な描写はないが、台詞の端々に滲み出てくる。
朝日座の傾き、あさひの家族の崩壊…。
何よりもショッキングだったのは、森田の米農家の弟の震災後一年後の自殺…。
あの震災が福島にどんな影響を及ぼしたか、今もどんな影響を及ぼし続けているか。
物語への溶け込ませ方は直球の『Fukushima 50』よりずっと巧い。
閉館危機の映画館へのエールや映画愛も『キネマの神様』より胸に響いた。
これらをオリジナル脚本でまとめ、また一つ、手腕と才能と魅力的な作品を。

そう、だから映画を!
我々が観ているのは幻想かもしれない。
嘘物語かもしれない。
それに感動し、虜になる我々はひょっとしたら、根暗なのかもしれない。
でも、根暗連中は星の数ほどいる。
それでいいじゃないか。
シビアなテーマも込めつつ、作品はハートフル・ムービー。
だから勿論、最後はハッピーエンド。
ご都合主義、出来すぎなんて声もあるかもしれない。
それでいいじゃないか。
映画みたいなハッピーエンド。
そんな思いに触れて。そんな思いに溢れて。
そんな素敵な気持ちで映画館を出て、元気が貰えた。

実は当初はそれほど観る予定は無かった。
夏映画が終わり、秋映画まで開き、たまたま休み、福島が舞台だからちょっと観てみるかな…そんな程度。
予想を遥かに上回った良作!
見ておいて良かった!
年間BEST級入りになるかも…!?
福島が舞台の映画だから贔屓してるんじゃない。
だって私も、
暗闇の中で半分残像の嘘物語を愛する根暗なのだから。
HsAncaemfiri
HsAncaemfiri
『岬のマヨイガ』『護られなかった者たちへ』などに続き、こちらも東日本大震災後の人々の姿が描かれていた。

これは偶然ということもあるが、実は時期的なものもあって、災害や事件を題材として描く、特に『遺体 明日への十日間』のように、その題材に直接的に描いたものではなく、それによって人生が変動し、そこから再生していった過程を描き、尚且つ「今」を語るとなると、製作年数も入れて、どうしても約8~10年というスパンが必要になってくることも要因として大きい。

だからこそ10年経った今、東日本大震災を扱った作品が連続しているのだろう。特に今作に関しては、そんな震災を経験した人々が、次は新型コロナに直面してとしまうところ、つまり現在進行形の物語が描かれているのだ。

同じ「映画」というものを題材を扱った作品としては、『キネマの神様』も現在公開中だ。『キネマの神様』の場合は、映画制作に関わっている人々という点では、等身大の人々の姿が映し出されたていて、その中で山田組ならではの安定感があった作品といえるだろうが、残念だったのは、新型コロナの影響という点で物語に反映させている割には、そこから「映画の持つ力」という点で、あまり機能しておらず、取って付けたような感じがしてならなかったことだ。

しかし、今作は逆に、そこがピンポイントで描かれていたのだ。

今作の舞台となっている映画館「朝日座」は、 福島県南相馬市に実在している名画座だ。ドキュメンタリー『朝日座 ひはまたのぼる~南相馬・朝日座と観客達のものがたり~ 』『ASAHIZA 人間は、どこへ行く 』などのドキュメンタリーが制作されたり、「朝日座を楽しむ会」として、不定期に映画の上映イベトなども行われているなど、福島復興の象徴のひとつとしてや、文化遺産としての側面からも注目が集まっている。

そんな震災を乗り越えた「朝日座」が次に直面する、復興を妨げるような、新型コロナに耐え抜けるのか、という入り口から、「映画の持つ力」というものを挫けそうになりながらも、登場人物たちが探求していく物語となっている。

劇中の中で、「映画を観てもお腹は膨れないけど」というセリフがあるが、それによって救われる人もいるし、希望を見出せる人もいる。誰しもがそうとは限らず、映画を観たからといって救えないものもあるけど、そんな映画が暗い世の中だから必要。

映画というものは、戦争や不況などの辛い現実から逃れる現実逃避として扱われてきた側面も実際にあるが、時には現実逃避も必要であって、そこから新しい道を見出していくのも、また映画の役割が大きかったりする。

もちろん、人によってそれが映画とは限らず、音楽だったりアートだったり…と違うわけだが、それを絶えさせない人々の姿にも希望が見出せたりするわけだ。

小さい劇場や名画座は、時代の流れやシネコンなどによって、経営を圧迫されてきた上に、災害や今回の新型コロナのような事態では、生き残れない現状がある。これは映画館だけに限らず、小売りや飲食店も同様のことであって、そこに関しては、共通したテーマがある。

映画は娯楽だから、なくたって死にはしないという考えもあるかもしれない。『サマーフィルムにのって』でも、そういった問題が扱われていたし、劇中でも「今の人は映画なんて観ないでYouTubeを観てますよ」というセリフもあった。

果たして本当にそうだろうか…飢えて死ぬということはないにしても、映画によって、救える命が少しでもあるという意味では、ないと死んでしまう人もいるのだ。映画だけならシネコンでもいいかもしれない、だけどその映画館それぞれのもつ個性や雰囲気が人を救ってくれる部分もある。

「大変なときに映画なんか観てるんじゃない!」じゃなくて、大変だからこそ、映画を観てもらいたいと私は思う。
Hkssixpgnom
Hkssixpgnom
福島県南相馬に実在する映画館を舞台に、映画館の存続に奔走する女性の姿を描いたタナダユキ監督作。映画業界のみならず、映像業界で働く、いや、映画を愛する全ての人たちへのギフトのような作品。今の世の中、映画業界に対する愛ある言葉をセリフとしてちりばめ、高畑充希と大久保佳代子がぴったりと作品に寄り添うことで抜群の説得力をもたらしている。ウルっとくる場面と同じくらい、失笑・苦笑・爆笑ポイントもあり、タナダ監督のオリジナル脚本の秀逸さが際立つ。ひとりでも多くの観客に届くことを願ってやまない作品。
Ieehsioptln
Ieehsioptln
uni試写会にて鑑賞。

「あなたは何故、映画好きになりました?」
と問いかけられるような作品です。

自分自身が映画好きになったキッカケを思い出しノスタルジックな気持ちになりました。

映画好きさん達なら何かしら自分に重ね合わせて観れる作品なのではないでしょうか?

「映画は残像効果で半分は暗闇を観てる。だから映画好きは根暗が多いのね」という台詞が最高に好きです。
私もそんな根暗の1人です!

フィクションは"嘘"という意味だけどその嘘を皆んなで泣いて笑って楽しめる。

「浜の朝日の嘘つきどもと」と言う、ちょっと難しいこのタイトルにも観賞後にはフフフと笑顔になれますよ。

"嘘つきども"とは嘘をついた人間?
それともフィクションの映画??

いろんな解釈ができて十人十色。
知らない人たちが集まって1つの物語を観て泣いて笑って、違う感想を持つ映画館。

「映画館がいつでもあると思ってるから皆んな大切にしないんだ」というセリフも印象的です。
ネット配信などでも映画が観れる便利な世の中ですが、映画館の良さを改めて感じました。

映写機を可愛くわかりやすいイラストで説明してくれたり、沢山の懐かしい映画達も登場したり…!
映画好きな根暗どもにお勧めしたい作品です!!
Gpxnsiomksh
Gpxnsiomksh
なんですかね、この感じ。
ふざけすぎず、御涙頂戴すぎず、説教臭くなく、いい意味で淡々と流れていく時間。見終わった後になんだかほっこりできる映画でした。
物語は潰れそうな映画館を建て直すといういっけん単純な話しに見えながら、登場人物の背景とそれが最後に向けて伏線になってるところなど、脚本も秀逸。また、高畑充希さん、大久保佳代子さん、柳家さん、みんな芸達者なので、自然な感じが物語の中にスッと入っていけました。
昨年テレビで後日談を見てからの鑑賞でしたが、テレビのおはなしが、「なるほど(^^)」とようやくつながりました(^^)

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