ウェンディ&ルーシー プロット

「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズが主演を務め、愛犬とともに旅をする女性が思わぬ苦難に直面する姿を描いた人間ドラマ。ウェンディは仕事を求め、愛犬ルーシーを連れて車でアラスカを目指していたが、途中のオレゴンで車が故障し足止めされてしまう。ルーシーのドッグフードも底をつき、旅費を少しでも残しておこうと考えたウェンディはスーパーマーケットで万引きをする。店員に見つかって警察に連行されたウェンディは、長時間の勾留の末にようやく釈放されるが、店の外に繋いでおいたルーシーの姿は消えていた。野宿を続けながら必死にルーシーを探すウェンディだったが……。

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ウェンディ&ルーシーコメント(1)

Ltosavfatire
Ltosavfatire
なんと、旅をしないロードムービーであった。
仕事を求め、低コストな生活を送るためにアラスカに向かったのに、悪循環が生じて、ある田舎町で身動きが取れなくなる。
自分が時々見る、物事が全然進まずに苦悩する悪夢を思い出した。

この映画が面白いのは、加害者がいないことだ。田舎町は、とてもノーマルで、善意の人もいる。
問題は、すべてウェンディ自身と、彼女の貧困に存在する。
金をケチった万引き。20年前の車。ルーシーをあきらめれば、旅を続けることだってできる。
それゆえ、孤独で厳しいウェンディの境遇にもかかわらず、どこかさわやかで、自由な空気が感じられ、見終わった後で、何とも言えない後味が残った。
どこか70年代のアメリカ映画を思わせるような雰囲気。古風なラストシーンには、ある種の映像美が感じられる。
アート系作品であって、リアリズムを追求した映画ではない。

原作は、この映画の舞台でもあるオレゴン州在住のJ.レイモンドの短編集「居住性(livability)」とのこと。
ライヒャルト監督は、“ミニマリスト”スタイルの、地方社会の労働者階級を描くインディペンデント系の女性監督だそうだ。
特に何と言うほどのことのない映画ではあるが、ライヒャルトは登場人物の感情を、少し受け流して表現するのが上手い。それでいて、感情はしっかり伝わってくる。
感情表現となると、意味もなく下品な表現を好む日本の映画とは、肌合いが異なる。
もう少しライヒャルトの映画を観てみたいと思った。