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ファニー・ガール プロット アメリカ 02月22日 1969 劇場で
ファニー・レディ プロット アメリカ 08月16日 1975 劇場で
ファニー・ページ プロット アメリカ 12月22日 2023 劇場で
ファニー 紫の血の女 プロット スペイン・フランス合作 11月26日 1988 劇場で
ヤギと男と男と壁と プロット アメリカ・イギリス合作 08月14日 2010 劇場で
風と樹と空と プロット 日本 07月12日 1964 劇場で
ファニーとアレクサンデルコメント(7)
長い、長すぎる。5時間11分は、とてもじゃないが集中力が持たなかった。そのため、本作が面白いのかつまらないのか、出来が良いのか悪いのかよく分からず。
よくわかんないながらも、印象に残るのは主教エドヴァルドです。ベルイマンの父を連想させるキャラクターでした。神の名の下に家族を虐待するエドヴァルドの姿に、宗教が持つ負の側面がありありと見出せます。ベルイマンもこんな風にやられていたのかなぁ、なんて想像しました。
そんな父も、仮面が顔に食い込んで離れないとか、息子が怖いとか言っているので、ベルイマンはかなり毒親を人間化できたのだなぁ、としみじみしました。過去作『ペルソナ』でベルイマンは自分自身の二面性というか多面性を掘り下げようと試みたので、想像力がさらに鋭敏になり、悪の象徴にも人間的な苦悩があることを実感できるようになったのかもしれません。
また、主教エドヴァルドは父であり、ベルイマン本人でもあるようにも思えます。主教エドヴァルドは登場人物の中では最も複雑な内面を持っているので、どこがどう、とは言えませんが結構自分を映しているのでは、なんて想像してます。
印象に残るシーンは、ヤコビの館にいるイスマエルとアレクサンデルの邂逅でしょうか。深読みできそうな場面でもあるし、イスマエルのキャラが立っているのでポップなサイコホラーとしての単純なエンタメシーンにも思えます。
自他が融合するという、非常に揺さぶられる場面なのですが、その後の展開がサイキックで仇敵をやっつけるみたいになってるのがなんとも通俗的。七瀬ふたたび、とかのノリですからね。ベルイマンにしては珍しい。
本作を撮った後、やりきったという理由で監督業からほぼ足を洗ったわけですから、こういう大衆ウケもやりたかったのかもしれません。
ほぼ最終作である上、異常な大作なので、本作はベルイマンの集大成的な評価がされがちのようです。個人的には集大成というよりも、リミッターをカットした、遊び心全開の娯楽作品といった印象。集大成はむしろ『叫びとささやき』なのでは、なんて考えています(叫び〜も好きじゃないんですがね)。
中盤以降は物凄い緊張感の中で物語が進行して全くあきささない
流石はべルイマン監督と言わざるを得ない
確かにテレビシリーズをワンシーズン観たと思えばその長さも不思議ではない
北欧版の「渡る世間は鬼ばかり」
冗談抜きでそのテレビ番組の元ネタにだったのかも知れない
それほど全体構造は同じ
一族の様々な問題が主として女性を中心に進行するのだ
ファニーとアレキサンドルの二人の子供は狂言回しの役割
それを骨格に監督自身の子供の頃の思いでの記録を被せ、更に異常性格者の神父と二人の子供を助け匿うユダヤ人一家の対比をもって
神の相対性、生と死の端境とはを散りばめる
正にベルイマン節そのもの
映像もうっとりするほどに美しい
エピローグもまた新たに起こった一族の問題を
正に嫁と姑の二人で相談するシーンで終わる
結局、女の私達が決めちゃうのよねと
5時間という長さに恐れず、最初の2時間を辛抱できればあとは一気に観れます
それは登場人物の自己紹介と彼ら彼女らに共感していくのに必要な時間なのです
5時間は、素晴らしい豊かな物語を楽しんだ時間となるはずです
二回で一回分、一通り見ることが出来ました。
見直してみて、ベルイマン監督作品の目次にあたる、色んなものが詰め込まれた作品のように感じました。
何作か見てだんだんわかってきましたが、少年が出てきたら、それはベルイマン自身の過去の似姿だと思って見るのが、ベルイマン作品を見るときの基本的な作法のようです。
そういう見方で見ると、色んな作品に実は共通の骨組みがあるような、そんな理解が得られます。
個人的には、「家族観」に関して言うと、
ここ最近で動画と含めて見た
「万引き家族」や
「紀子の食卓」「愛のむきだし」
などと並べてみて、
家族のリアル、擬似の境目が曖昧になる、
そんな感覚を味わうのも一興かと。
そんな風に思いました。
登場の大人、特におっさん達がすべからくクズクズしくて、脆弱で一本気で情けなくてぐうの音も出ないのよ。
絢爛豪華と繊細な美と醜悪がいっぺんに堪能できてため息。
人間の弱さと強かさをあけすけに清々しく描いてて最高。希望もちょっと灯るのがいい。