中央アジアはトルクメニスタンを舞台に、ロシア的な精神とアジア的な魂の触れ合いを、謎めいた寓話的な物語を雄大にして幻想的な映像で描く映像叙事詩。ロシア映画のみならず現代映画の最先端を開拓していくアレクサンドル・ソクーロフ監督が、78年製作の処女作「孤独な声」以来10年間の公開禁止を解かれたあと最初に製作した長編第5作。“西のアーサー・C・クラーク”と評され、アンドレイ・タルコフスキーが映画化した「ストーカー」などで知られる伝説的なSF作家ストルガツキー兄弟(アルカーディとボリス)の『世界消滅十億年前』(本邦未訳)の映画化。ただし舞台をレニングラードからトルクメニスタンに移すなど、原作は大幅に脚色されている。脚本にはソクーロフの劇映画では常連のユーリー・アラボフ(「セカンド・サークル」「静かなる一頁」)が執筆し、原作者ストルガツキー兄弟、それにピョートル・カドチニコフが協力。製作はタチアナ・ノーモヴァ、撮影は「孤独な声」以来の初期作品をことごとく担当したセルゲイ・ユリズジツキー、カメラ・オペレーターはここ数年のソクーロフ作品をほとんど手掛ける「ロシアン・エレジー」「静かなる一頁」のアレクサンドル・ブーロフ。印象的な航空撮影はA・イルニツスキー。美術はエレーナ・アムシンスカヤ、音響監督はソクーロフの第2作『痛ましき無関心』(日本未公開)以来全作品に参加しているウラディミール・ペルソフ、編集もやはりソクーロフ作品の常連レーダ・セミョーノワがそれぞれ担当。音楽はユーリィ・ハーニンがスコアを書き、シューマン、アルフレード・シニートケ、オッフェンバックなどの作品が使用されている。ソクーロフはプロの俳優は使わないことで知られ、主演のアレクセイ・アナニシノフは本作出演後、青年実業家になったといわれる。ほかにエスカンデル・ウマーロフ、ウラジミール・ザマンスキーらが共演。なお本作は92年レン・フィルム映画祭で「日蝕の日々」のタイトルで初上映された。
日陽はしづかに発酵し…コメント(1)
食後に観たせいか、かなり眠気を抑えるのに苦労した。というのも白黒に近いカラーで固定カメラによる間延びした演出が多く、ストーリーに抑揚がないからです。
主題もよく解らない、おそらく旧ソビエトによる住民への強制移住や思想教育へのアンチテーゼだと思うけど、ぼんやりした感じ。
でも評価高いよねえ、この映画。2,3回観ないとダメかな?
↓
ってことで、続けてもう一回観ましたw
他の人のレビューも読んでから2回目鑑賞したんですが、原作読んだ人のおっしゃるには、世の中、あるべきところにあるべきものがないと因果律が狂って、世の中がおかしな方向に行くということをあらゆるシーンで示しているらしいのですが、原作も知らずにこの映画だけ観てそこまで読み取れる人はいるのでしょうか?
やはり、一回目の感想と同じく、思想も居住地も職業も自由に持てない旧ソビエトの共産主義体制へのアンチテーゼという風に感じました。
監督の思惑通りに感じたかったけど、演出が難しすぎるよ(トホホ