「未来世紀ブラジル」の鬼才テリー・ギリアムがブルース・ウィリス主演で描いたSFサスペンス。謎のウィルスによって人類のほとんどが死滅した近未来。生き残った人々は汚染された地上を捨て、地下での生活を余儀なくされていた。科学者たちは1996年にウイルスをばら撒いたとされる集団「12モンキーズ」について探るため、服役中の囚人ジェームズ・コールを過去の世界へと送り込む。誤って1990年にたどり着いたコールは不審な言動から逮捕され、精神科医キャサリンの立ち会いのもと精神病院に収容される。そこでジェフリーという若い患者に出会い、彼の助けを借りて脱出を図るが……。共演に、本作でアカデミー助演男優賞にノミネートされたブラッド・ピット、「ラスト・オブ・モヒカン」のマデリーン・ストウ。「ブレードランナー」のデビッド・ピープルズが妻ジャネットと共に脚本を手がけた。
12モンキーズコメント(20)
改めて観て、やっぱりよく出来た映画だなぁと感心しました。しかもこのコロナ騒ぎの今観るとちょっと考えさせられます。そしてやっぱりブラット・ピットは若い時から上手い役者さんだったなぁと再認識👍
タイムトラベルものは数多くあるけど、主人公が時間の行き来をする内に、それが現実なのかおかしくなった自分の脳内で創り出された妄想なのか葛藤するストーリーを上手く作った稀有な作品です。
最後のシーンの解釈はいろいろ出来ると思うのですが、それは観た人が語り合う種としてもイイんじゃないでしょうか?
本来は、人は学び、似たようなことが起きても過去の経験から、これを乗り越えていくというポジティブな意味のように思っていた。
しかし、人類は僕達が期待しているよりずっと愚かなのかもしれない。
この映画では、コールが同じ夢を繰り返し見ながら、そして、過去と今(未来)を行き来しながら、実は答えは案外近くにあったのに見過ごし、見当違いの方法に執着して、結局ウイルスの蔓延から人類を守ることが出来ない。
コロナウイルス感染症が広がり、クラスター追跡にばかり気を取られ、人々の命を救う真の手立て見失っている僕達の国の政府のようでもある。
同じことをループの中で繰り返しているようで、実は螺旋(スパイラル)を転がるように下へ下へと落ちて行く。
途中で見る景色は、前に見たシーン、そう、デジャヴのようだと思えても、実は少しずつ少しずつ下へ落ちていくなかで微妙に異なっていて、良い方向になどに決して向かっていないのだ。
作中で使われる、アストル・ピアソラのプンタ・デル・エステ組曲も、繰り返返される旋律のなかで、何か不穏な空気感を強めていく。
12モンキーズの標は、占いのホロスコープのようでもあり、西洋の星座占いにはない猿だけが配置されていて、全ての人類に同じ運命が待ち受けているのだということを示しているかのようだ。
そう、避けようのない悲劇的な運命だ。
ウイルス後の世界を描いた近未来SFだが、とても示唆に富んでいる寡作だと思う。
ウイルス後の世界を描いた作品には、邦画の「復活の日」もあるが、希望に対して、こちらは人類の愚かさと無力感を僕達に突き付ける。
ウイルスの蔓延と闘う世界を描くと作品と合わせて観てみるのも面白いかもしれない。
あれこれ示唆に富む分、僕はこちらの方が好きだ。
※ 因みに、アストル・ピアソラの代表曲リベルタンゴは、本当に名曲です。是非、聴いてみて下さい。
特にセリフ、シナリオは最低です。
映像もよくありません。
12モンキーズが動物園の動物解放事件を起こしただけの集団っていう記録は未来には残ってなかったのかな?と。
留守番電話の記録が残ってた位なのに…。
ラストは、実は犯人は隣に座っていたという皮肉と解釈したんだけど、
真相が分かり未来から来たジョーンズが、ウィルス事件を阻止もしくは純ウィルスを未来に持ち帰るという解釈を友人がしていて、
ナルホドなぁーと。
いずれにせよ、公開当時以来の鑑賞で内容をほとんど覚えて無かったので面白かった!