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キャラクター 孤独な人の肖像コメント(3)
少年が恵まれない環境の中で、無愛想な母親と、主人公に冷たく当たりまくる父親(結婚していない)の確執の中、勉強に勉強を、苦労に苦労を重ね成長していく物語です。
ただ黙々と、孤独に前進していくこと。一見冷たく見えてもその裏には両親の愛が生きている。悲しいけど悲しくない、孤独だけど孤独ではない。人間本当はそれしかないんだよと、語りかけてくるような物語です。
かなり特異な男の愛情を描く映画ではあるが、それよりも記憶に残るのは息子ヤコブの半生であろう。スラム街の母子家庭のためイジメにも遭い、職がないためタバコ屋を起業する。担保がないため銀行は金を貸してくれないが、唯一貸してくれたところが父の銀行(あとでわかった)という物語。弁護士になるヤコブだが、それほど目的意識があったわけでもない。不思議、とにかく不思議だ。多分ずっと童貞だったんだろうなぁ、と想像もできる。
恋愛部分(しかも相手には恋人がいた)も薄いのだが、ラスト近くで再会する公園のシーンは、最近観た『ネバーランド』を思い起こすほど綺麗だった。