帰らざる日々

7.9/10
合計27件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   99分
言語   日本語
地区   日本
書かれた   藤田敏八
劇場で   08月19日 1978
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帰らざる日々 プロット

作家を志しながら、キャバレーのボーイをしている青年の現在と故郷の高校時代の青春を描く、中岡京平の第三回城戸賞受賞作「夏の栄光」の映画化。脚本は「危険な関係(1978)」の藤田敏八と中岡京平、監督も同作の藤田敏八、撮影は「黒薔薇夫人」の前田米造がそれぞれ担当。

帰らざる日々 俳優

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帰らざる日々コメント(2)

zwtroh
zwtroh
そんな思いにとらわれて暗澹たる気分に沈んでしまう
そんなことは誰にだってあるはず

物語は1978年26歳の現在から、1972年18歳の高校3年の夏を振り返りつつ、舞台も現在の東京から高校時代の長野県飯田に向かいそこで終わる

26歳はもはや青春は終わろうとしている歳だ
否応もなく大人になってしまう

18歳の頃はこんな大人になるとは思いもしなかった
18歳の頃の思い出は、大人になる自分を形作っている
振り返ってみればああすべきであった
もっと努力すべきだった
他にやるべきことがあったはずなのに、なぜやらなったんだろう

みんなみんな帰らざる日々のこと
今更とりもどせも、やり直しもできない
あの時そう過ごした結果が、26歳の自分だ
そしてそのまま大人になりきってしまい、もうどうしようもないのだ

いや、まだあがいてみればなんとかなるかもしれない
そんなことは幻想だと本人も分かっているのに、主人公の永島敏行が演じる野崎辰夫はラストシーンでレース用自転車を懸命に漕いで峠道を登っていく
江藤潤が演じた競輪選手を目指していた黒岩の代わりに
あいつはもう足掻くこともできない
俺があいつの代わりにあがいてやらないでどうする

なんとなく小説家を目指すといいつつ、自堕落な生活を続けていただけだ
なにやってんだ、俺

帰らざる日々はもう残ってはいない
夕日の最後の光のようなものだ

青春が終わる、閉じられようとしている
その焦燥感が見事に表現された傑作だ
poprya
poprya
東京から長野県飯田に向かう26才の男、その現在の姿と、18才の夏の出来事。甘酸っぱさ、ほろ苦さ、大人に近づきたい背伸び感、個と友のバランス。誰もが通り過ぎてきた10代と、置いてきた過去と向き合う20代の主人公の有り様は、胸にビシバシくる。
現在とあの夏の交錯するクライマックスは痺れた。永島敏行、とてもイイです。