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ある結婚の風景 プロット スウェーデン 03月07日 1981 劇場で
ある役者達の風景 プロット 日本 09月17日 2022 劇場で
風のある道 プロット 日本 09月13日 1959 劇場で
いま ここにある風景 プロット カナダ 07月12日 2008 劇場で
ある愛の詩 プロット アメリカ 03月20日 1971 劇場で
恋の風景 プロット 香港・日本・中国・フランス合作 03月26日 2005 劇場で
ある愛の風景コメント(8)
「しあわせな孤独」のスサンネ・ビア監督。
彼女はしあわせについて深く探っている気がする。
この映画は主人公のミカエルが戦地で捕虜になり、ともに捕虜になり、互いに家族に会うまでは頑張ろうと励ましあっていた男を、自分が生き残るために殺してしまう。
ミカエルは家族の元に戻ってから、殺した男とその家族を不幸にして取り戻した幸せの罪悪感にさいなまれる。
人の不幸の上にある幸せは幸せと言えるのだろうか?
宮沢賢治の「しあわせとは?」という問いを思い出す。
ミカエルはアフガニスタンに拘禁され、生きて再びサラと会うために、人間として最も酷烈な罪を犯してしまいます。
凄まじい葛藤のシーンに、息が詰まります。
殺伐とした砂漠の中での幽閉生活と、罪業への呵責によって、ミカエルの精神は蝕まれてしまいました。
心はすさみ、サラとヤニックがベッドを共にしたのではないかと疑心暗鬼に駆られます。
数奇な出来事をくぐり抜けてきたために、不幸にも背負ってしまった苦悩に胸が痛みました。
何故人間は苦しみ、傷つけ合わなければならないのか?
この映画は、同じくスサンネ・ビア監督の作品「アフター・ウェディング」とは違って、問題の解決を示していません。
しかし、希望を暗示するラストシーン。
苦悩を分かち合うことによって、初めて問題は解きほぐれていくでしょう。
リアルに、繊細に、丹念なエピソードを重ねていき、物言うクローズアップを多用しています。
大向こうを唸らせるような演出は思い切りカットして、人間ドラマを容赦なく描き出すスサンネ監督の手腕。
重く、深く、胸に迫り来る映画です。
原題ともなっている“兄弟”。冒頭では兄ミカエル(ウルリク・トムセン)が銀行強盗の罪で服役していた弟ヤニックを迎えにいく。犯した罪については、PTSDを引きずっている被害者に謝罪することを勧める程度で、兄は弟を信頼し、愛していることがうかがえる。しかし、成績優秀、スポーツも得意な兄と違い、弟はコンプレックスの塊りだった。そして父親との確執。いらない子として毛嫌いされていたほどだ。
兄は優秀な軍人。弟が出所した後、アフガニスタンの戦地へと赴く。通信兵を救助するという作戦に参加するもヘリが撃墜され、妻サラ(コニー・ニールセン)のもとに訃報が届く。飲んだくれていた弟ヤニックも目が覚め、サラや2人の娘の心の支えとなる。しかし、葬儀も済ませたミカエルは奇跡的に助かっていたのだ・・・もしや、2人の間に恋愛感情が芽生え、帰還する兄と最悪の三角関係になるのかと・・・と、ありがちなドラマにはならず。
戦地での過酷な捕虜生活。さらに、生きるためとはいえ犯してはならぬことを強制させられた体験が彼を罪悪感の塊りにしてしまったのだ。悩めるベトナム帰還兵を扱った映画は多いけど、舞台はアフガン戦争であり、しかもデンマーク兵。正義感が人一倍強いという性格もあったし、相談できる相手もいない。完全に精神異常をきたし、家族やものに当たり散らすといった内容です。
戦死の知らせが契機となったこともあるけど、精神的にも生活態度も立ち直った弟。対して重い十字架を背負うことになり、精神的にもマイナスに向かうこととなった兄。この2人の対照的な構図を軸に、家族のそれぞれの思いが交錯する。無邪気な娘や厳格な父、それに偏見のない愛を見せてくれるサラ。バラバラになりかけてもしっかり繋がっている家族愛を感じる作品でした。
細かな部分では、何をしていいかわからずに遺品となるレコードの整理をする母親や、新しくなった食器棚の中を神経質そうに配置換えするミカエルなんてのが良かった。それにソファでヨダレを垂らして寝ていたヤニックもリアル・・・
cf.『マイ・ブラザー』