揺れる大地

6.9/10
合計17件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   160分
言語   まだ情報はありません
地区   イタリア
劇場で   01月21日 2017
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揺れる大地 プロット

映画史に燦然とその名を刻むイタリアの巨匠ルキノ・ビスコンティの監督第2作。シチリア出身作家の長編小説をベースに描いた物語で、プロの俳優を一切起用せず、シチリア島の漁師たちを出演させてドキュメンタリータッチに撮影した意欲作。イタリア・ネオレアリズモの代表的作品として知られる。1948年・第9回ベネチア国際映画祭国際賞受賞。小さな村で漁師を生業としているバラストロ一家。寝ずの漁を行っても網元から搾取され、貧しい生活は好転しない。見かねた長男のアントニオは、網元からの独立を決意するが……。日本では90年に初公開。2017年には「ルキーノ・ヴィスコンティ
生誕110年
没後40年メモリアル
イタリア・ネオレアリズモの軌跡」と題した特集で、修復されたデジタル2Kリマスター版が公開。

揺れる大地 俳優

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揺れる大地コメント(2)

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イタリアの名監督ルキノ・ヴィスコンティについては、僅かに「異邦人」「ベニスに死す」のTV見学経験を通して、内容と主題の追求が鋭く、真摯に人間の悲劇を描くドラマを創造する厳しい映画作家であると印象を持ったが、この一代の秀作を観て全くそれは確定されたヴィスコンティの真実であると、尊敬を含めた感動を抱く事に至った。それは、少なからずもフランスの巨匠ジャン・ルノワールに仕えて映画芸術を学び、映画監督になる前は舞台演出を手掛けたことの自然で素直な結果であろうが、この作品においては、ミラノの有名な貴族の出自でありながら、イタリア南部シチリアの貧しき漁民の生活の実情をネオレアリズモ映画として創り上げたこと自体に、自己の地位的安住に甘んずることなく芸術家として信念を貫いた意味において、立派であると云える。
一連のネオレアリズモ映画の代表作では、ヴィットリオ・デ・シーカの「自転車泥棒」しか観ていないため、この日本未公開の作品がどのような位置にあるのかは判らない。ただ、出演者全てが現地に生活する素人の人達でキャスティングされ、台詞もシチリアの方言で徹底されているリアリズム表現の拘りは凄いとしか言いようがない。主人公のヴァラストロ家の長男が、搾取する網元への不満と抵抗から独立し、不運にも挫折して、生きるために再び組合に雇われるまでの残酷な物語を冷徹に見詰めるヴィスコンティ。名画「自転車泥棒」にある親子愛の感傷はない。あくまでも貧しき者の打ちひしがれた惨めな姿であり、映像は乾きずっしりと重い。これは、漁民の朝から夜までの実生活を丁寧に克明に描写した記録性の高さと上映時間の長さに起因する。
ただ、「自転車泥棒」のラストで見せた親子愛の繋がりを唯一の”救い”として見比べれば、この作品に全くない訳ではない。負債を背負って低賃金の仕事を受け入れる長男は、朝焼けの大海原で静かに船を漕ぐ。漁師として生まれ育った主人公の宿命であり、彼の先祖と同じく魚を獲り続ける姿で物語は終る。そこにある、海と人間の繋がりが”救い”ではないだろうか。社会的優位を持つ非人間的網元への反感や批判は、その自然と人間の美しさの前では意味を持たないのである。時代と社会の仕組みへのメッセージが、直接語られることはない。リアリズムの本質がある映像美に深く感銘する。
76年 8月27日  フィルムセンター

知性を蓄えるなら文学、感性を磨くなら音楽、そして想像力を豊かにするには映画(美術)であろうと思います。その三つが備わって初めて創造力が生まれるのではと、考えてきました。優れた映画は、その感性と想像力を刺激してくれます。10代の頃に観た映画がいつまでもこころの何処かに残っているのは、無知をさらけ出すようで恥ずかしいですが、それもまた本当の自分なんだと思うようになりました。イタリア・ネオレアリズモ映画では、ロッセリーニの「無防備都市」とデ・シーカの「自転車泥棒」、そしてこの「揺れる大地」が、個人的なベスト3です。日本では、制作されてから42年後の1990年にひっそりと初公開されました。
Pgnuoehleh
Pgnuoehleh
断崖の海岸での漁師の青年とその恋人との逢瀬のシークエンス。岩場に横たわるキスシーンは、「ニューシネマパラダイス」のラストで流れる、切り落とされた数々のキスシーンの中の一つだ。
女優の顔に不自然なくらいに当てられた光が印象的で、そのショットの背景から海面から照り返しを表現してるのかもと想像していたけど、まさにその通り、このキスシーンが海でのものと分かり嬉しかった。

物語は漁師たちと仲買人たちの階級闘争史観的な軋轢を扱う。
現代的な視点からは、問題は仲買人による「搾取」ではないのだという議論を吹っ掛けることはたやすい。しかし何と言ってもこれはトトとアルフレッドがシチリアの小さな村の教会で映画上映に情熱を傾けていた時代の見方である。今から見れば大時代な問題提起である。
そうした面で、現代の観客の共感を得ることがすでに難しいこととなった作品である。