コブラ・ヴェルデ
プロット
西ドイツ
02月03日 1990 劇場で
スペースアドベンチャー コブラ
プロット
日本
12月02日 2022 劇場で
殺戮軍団 マッド・コブラ
プロット
イタリア
12月31日 1988 劇場で
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コブラコメント(9)
ザ80年代なバイオレスアクション作品。
「ロッキー」で華々しく登場し「ランボー」も当たってスタローンの絶頂期であった80年代。ここで登場するのはサングラスに機関銃にナイトロ装備の車で気障で野性的な二枚目で決めた、刑事というにはやたらと力に訴えるだけのベタベタなヒーロー。ロッキーのように朴訥で不器用でもなく、ランボーのように心の傷を癒せないまま社会になじめず苦悩するわけでもない、犠牲を厭わぬ強引な突入や邪魔な車を押しのけて駐車するように、さんざん問題を起こしながらも自分が絶対的正義だと言わんばかりのコブラ。いかにもやられ役の社会秩序を無視するいかれた悪の組織がいて、そいつらに狙われる女がいて、それに力で対抗する無法者なスタローンがいて、時々ロックが流れる中で派手な活劇が展開される。今から見るとそのような設定に古さを感じるが、この時代らしい、そしてこの時代のスタローンらしい作品。
スタローン演じるコブラと称されるロス市警きっての型破りな刑事マリオン・コブレッティは、『ダーティハリー』のハリー・キャラハンのようなカリスマ性を発揮することなく、この作品だけで早くも打ち止めの憂き目をみる。シリーズ化の目論見は水泡に帰す。
スタローンにしてみれば、嫁はんのブリジット・ニールセンとのラヴラヴ共演を果たせたんだから満足したかもしんないけど、公私混同もいいところだ。
しかも、そのスタローンと死闘を演じるナイトスラッシャーなる狂信的なカルト集団のポンコツぶりは、思わず目を覆いたくなるほど酷かった。
「新世界を作る」と言う壮大なスローガンを掲げている割には、やってることが実にせせこましいじゃありませんか!
集会で両手に持った斧を、全員でガンガン打ち鳴らす異様な光景にもドン引き。
シュワちゃん出演のアクション映画に、『ゴリラ』と言うのがあったが、今なら80年代男性アクション映画ファンが泣いて喜びそうな『コブラVSゴリラ』と言う夢の共演作品が実現出来るかも。
いかにもタイトルが 安っぽいB級アニマル パニック ムービーを連想させるけど。
「ロウ」を作ってさっさと死ねばよかったのに、と揶揄されたのはデヴィッド・ボウイだが、シルヴェスター・スタローンはいつ死ねばよかったのだろうか?
本作はまさしく、80年代という時代に抱かれ散った男たちのエクスタシーに達した映画である。
監督:ジョルジュ・P・コスマトス。言わずとしれた「ランボー怒りの脱出」の監督。
製作:キャノン・フィルムズ。言わずとしれた80年代のラウレンティス(言い過ぎ?)
主演:シルヴェスター・スタローン。言わずとしれた大傑作「ロッキー4」の監督、主演
80年代、彼らは輝いていた。
さすがに「ロウ」と一緒にするわけにはいかないが、サントラは「ロッキー3」から始めた安バンドの叩き売りが「ロッキー4」で爆発し、調子に乗ってより推し進めたMTV感覚のやっすいバンドを使ってのサントラ商法も今回もまずまずのデキ。
その頂点が、「オーバー・ザ・トップ」のサントラ、ということになるのだろう。
みんなはシルヴェスター・スタローンは「ロッキー」や「ランボー」の人って言うかもしれないけれど、オレはむしろ、「80年代は向かう所敵なしだった人」、という印象。ジョニー・デップなんて80年代のスライに比べるべくも無い。
そんな向かう所敵なしの彼が、「怒りの脱出」で大ヒットを飛ばした勢いで「ナイトホークス」でやった刑事役を再び演じた。
キャスト陣、そしてポスターの「crime is a disease meet the cure」からもこれはスタ版「ダーティ・ハリー」。
しかしそんなチンケなくくりで終わる映画ではなかった。
そのデキはまさしく80年代そのもののスタローンの味そのものが凝縮した映画となった。
「怒りの脱出」「ロッキー4」で培った、当時(あくまで当時)スタイリッシュな映像とマリオン・コブレッティの野暮い風貌のマッチング。
そして女房のとんでもないプロポーションを前面に打ち出した良く分からないロボットとの競演。
(スライ、うれしくて仕方なかったんだろうなあ。)
とにかく「男前に見える」シルヴェスター・スタローンがここにいる。
役作りも抜かりない。ちゃんとランボーよりしゃべるし、ロッキーより聞きづらくない。
コスマトスの演出もスタローンの思いに応えたかのように「怒りの脱出」以上。
ちゃっちゃと終わらせる上映時間。
彼らは時代の求める映画を彼らの持てる力で作り上げたのだ。
そのデキは間違いなく彼らの思いの通りの映画になっていたはずだ。間違いなくイケたはずだ。
続編が出来なかったのは、きっとブリジットのせいに違いない。
「オーバー・ザ・トップ」以降急激にアーノルドの「ゴリラ」「レッドブル」に押され、尻すぼみになったスタローン。
途中「コップランド」という佳作があったが、80年代の彼は確かに時代に抱かれに抱かれ、捨てられたのだ。
しかしそれでもオレは彼を追った。なつかしのAV女優のように。
そして「ロッキー・ザ・ファイナル」「ランボー最後の戦場」を境に、彼は鼻息荒く「エクスペンダブルズ」を作った。
デキは全くの駄作だが、オレはそれでも更なる駄作の可能性も感じさせる「エクスペンダブルズ2」ですら期待している。
時代に抱かれた男がいまや時代に抱かれた男たちと時代を抱こうとしている。
3Dの猛攻にあったり、やっぱりツマンネ、という結果になってもこっちは承知の上だ。
オレたちはまだまだスタローンを死なせない。