あなたになら言える秘密のこと プロット

「死ぬまでにしたい10のこと」のイザベル・コイシェ監督が再び主演にサラ・ポーリーを迎え、1人の女性の苦悩と再生を描いた人間ドラマ。海の上に浮かぶ油田掘削所を舞台に、過去の辛い思い出により口を閉ざしているハンナと事故で負傷したジョセフとの交流と、それぞれの哀しい過去が語られる。共演にティム・ロビンス、ジュリー・クリスティ、レオノール・ワトリング。05年ゴヤ賞の作品賞・監督賞を受賞。

あなたになら言える秘密のこと 俳優

あなたになら言える秘密のこと 写真

あなたになら言える秘密のこと Related

津島 福島は語る・第二章オンラインで映画を見る
津島 福島は語る・第二章
プロット  日本
03月02日 劇場で
舟を編むオンラインで映画を見る
舟を編む
プロット  日本
03月01日 劇場で
毒親 ドクチンオンラインで映画を見る
毒親 ドクチン
プロット  韓国
04月06日 劇場で
地に堕ちた愛 完全版オンラインで映画を見る
地に堕ちた愛 完全版
プロット  フランス
04月19日 劇場で
あとがきオンラインで映画を見る
あとがき
プロット  日本
03月01日 劇場で
アクターズ・ショート・フィルム4オンラインで映画を見る
アクターズ・ショート・フィルム4
プロット  日本
03月03日 劇場で
奇跡の子 夢野に舞うオンラインで映画を見る
奇跡の子 夢野に舞う
プロット  日本
02月23日 劇場で
QUEEN ROCK MONTREALオンラインで映画を見る
QUEEN ROCK MONTREAL
プロット  アメリカ
02月22日 劇場で

あなたになら言える秘密のことコメント(7)

enxsla
enxsla
ネタバレ! クリックして本文を読む
衝撃的な告白でそれ以前の物語が吹っ飛んだ
。映画でしか触れられない自分が、普通に生活出来ている自分がどれだけ幸せなのか思い知らされる。胸の奥がグッと重くなる作品。しかしラストで少しはその重さが減る事が救い。ナレーションの女の子の声は彼女の哀しみ?よく理解出来なかったのでもう一度観るかな…キツいな…。
gqznpv
gqznpv
ネタバレ! クリックして本文を読む
総合:90点
ストーリー: 95
キャスト: 85
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 70

イギリスの辺鄙な片田舎の平和な社会において、場違いで想像もしてなかった秘密がまるで青天の霹靂のように突然に明かされる。常人には耐えられないほどの話が。

感情を失ったかのように世間からも目立たぬようにひっそりと生きるハンナ。偶然が重なり彼女の休暇中に介護をすることになった相手は石油採掘基地で働くジョゼフ。彼は目が見えないのにほとんど口もきいてくれないハンナ相手に軽口をたたくが、実は彼には体だけでなく心にも大きな傷があった。
少しずつ彼女の信頼を得ていたジョセフが自分の苦悩をさらすことによって、思いもよらずハンナの堅く閉ざされた心の扉を開けることになった。それがきっかけで彼女は、普通の人も映画の視聴者も到底想像が出来ないあまりに悲惨な秘密を打ち明けることが出来た。それまで水面にわずかに起こる波紋のように静かだった物語は、まるで洪水を引き起こす急流のように激しく動く。

ハンナにとっては心の底に沈めておかなければ自分自身が耐えられないほどのことであったろう。心の傷を持っていたジョセフだからこそ、ハンナは普通の人には受け止めるのにあまりに重く一生自分の心の底に封印しているつもりだったことを話すことがを出来たし、また彼もそれを受け止めることが出来た。
このときまで彼女はただの生ける屍に過ぎなかった。苦しみながらただ呼吸をし若くして老いていき死を待つばかりの人生だった。しかし本当は一人で抱え込むには大きすぎて辛すぎる秘密だった。無言電話もそのためであろう。興味本位や仕事だからではなく、心からの理解者を彼女は本当は深層心理では欲していた。そして今ようやく彼女は理解者を得た。彼女に何が起きたのか、彼女は何故喋らないのか、彼女は何故人と関係を持とうとしないのかをわかってくれる人を得た。あのときから何年間も止まっていた彼女の感情と時間は、苦悩を抱えつつ今ようやく未来に向けて動き出す。

いったい誰が油田の採掘施設の事故からこのような話の展開を予想できるだろうか。まったく意表を衝かれる物語。この話は戦争被害者というだけではなく、ボスニア紛争における人道犯罪という問題を含んでいる。戦争に関わった兵士だけでなく、民間人でも非戦闘員でも何をしても虐殺してもかまわないという思想の下での被害者なのである。彼女は戦争に巻き込まれたのではなく、戦争における人道犯罪・市民の虐殺行為に巻き込まれ人権を無視した虐待を受けた被害者である。それは戦争以上に重大な意味を持つことが多い。
個人的な話ではあるが、昔から私はこのような民族浄化や極端な人権無視に興味があり多少調べたりしてきた。また偶然ではあるが一連のユーゴスラビア紛争に巻き込まれた被害者も直接知っている。それだけにこのような主題に余計に関心を示してしまう。娯楽としてだけではなく、「サラエボの花」と同様にそのような行為を世間に知らしめる意味でも大切な映画である。