第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代の同名コミックを、「マイマイ新子と千年の魔法」の片渕須直監督がアニメ映画化。第2次世界大戦下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きようとするヒロインと、彼女を取り巻く人々の日常を生き生きと描く。昭和19年、故郷の広島市江波から20キロ離れた呉に18歳で嫁いできた女性すずは、戦争によって様々なものが欠乏する中で、家族の毎日の食卓を作るために工夫を凝らしていた。しかし戦争が進むにつれ、日本海軍の拠点である呉は空襲の標的となり、すずの身近なものも次々と失われていく。それでもなお、前を向いて日々の暮らしを営み続けるすずだったが……。能年玲奈から改名したのんが主人公すず役でアニメ映画の声優に初挑戦した。公開後は口コミやSNSで評判が広まり、15週連続で興行ランキングのトップ10入り。第90回キネマ旬報トップテンで「となりのトトロ」以来となるアニメーション作品での1位を獲得するなど高く評価され、第40回日本アカデミー賞でも最優秀アニメーション作品賞を受賞。国外でもフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門で審査員賞を受賞した。
この世界の片隅にコメント(20)
自分は映画単体で傑作だと信じているし、原作ファンもてんでダメなシロモノだったらこんなに反論や検証で盛り上がったりしなかっただろう。自分が思うことは、とにかく素晴らしい原作があり、映像でしかできない表現で映画化し、自分を含めた受け取った観客が平静ではいられないものができたということ。
言葉を尽くしても二時間強に込められたディテールを解析し切ることはできないし、エモーショナルな衝撃を説明することは不可能。ただこれほど繰り返し観て考える価値がある映画もないと断言しておきたい。
原作未読
当時はのんこと能年玲奈が声優として主演するアニメ映画が公開されると知り内容はよく知らないでファンとして観に行ったものだ
絵が癒し系で好き
能年玲奈がキャラに合っていた
笑いあり涙ありの良作
ただ右手を失い右手があった頃の楽しい思い出を振り返るシーンがあるがあの表現方法は嫌い
2018年TBSで連ドラとして実写化されている
時間がたっぷりあるせいかとても丁寧に作られている
役者もみんな良かったが特に松本穂香伊藤沙莉尾野真千子の3人が素晴らしかった
ちなみにアニメ化前の2011年にも日本テレビで単発ドラマとして実写化されているとは知らなかった
北川景子主演
まだ観ていないが近いうちDVDかなにかの機会で観てみようと思う
この作品を観た直後は星5つか星4.5だったがTBSドラマや『さらにいくつもの』を観た後だと評価を下げざろう得ない
素材としては最高なのに編集に問題があり勿体ない
監督が悪いのかプロデューサーが悪いのか制作会社社長が悪いのか知らないが
原作のほぼ全てを注ぎ込みたいなら120分くらいの映画には向いていない
どうせ二作品作るなら初めから120分120分(90分90分でもいいが)の前編後編で制作すれば良かった
最近の実写映画ではありがちだがアニメ映画は少ないから躊躇したか
それがダメなら『スパルタカス』とか『ベンハー』とか『アラビアのロレンス』とか『十戒』みたいに3時間越え4時間近くの大巨編スペクタルで公開すれば良かったんじゃないか
公開当時老婦人が映画館のスタッフに「おすすめの映画はありますか」と聞いていた
するとスタッフはこの作品を薦めた
しかし老婦人は「アニメは嫌いですの」と答えた
いくらジャパニメーションは日本が世界に誇る文化だとアニメオタクが熱弁を振るってもアニメというだけで拒否反応を示す大人は世の中にたくさんいるのが実状だ
連ドラは観てくれただろうか
あと「すずさんみたいになったらいつでも千円で映画を観れるよ」とアドバイスしてくれた人が身近にいるが僕はやめておきます
原爆。戦争の恐ろしさ。
現代の日常がどれだけ恵まれているか。
主人公すずは、描くことが大好きな女性。親に縁談を決められる時代、女性の自由意志がろくに認められない世界に、自分の存在を刻むかのように、目にしたものを絵に描く。すずが描く風景画は、時にアニメの中の実景を書き換える。その表現手法が新鮮だ。
小気味よい編集テンポも新味に貢献。市井の人々の生活を語るならゆるいペース配分もありだろう。だが、日常を淡々と、ごく短いカットで次々に描写を連ねる手法は、じっくりと共感することを拒むかのよう。しかし、物足りなさがあるからこそ、二度三度と観賞したくなる。
能年玲奈=のんの声の存在感も大きい。すずが「あまちゃん」のヒロインに通じる天然系キャラであることも、感情移入のしやすさに寄与している。