大学生の初々しい恋愛と、ままならない人間関係の難しさ、夢に向かう希望と挫折をユーモア交えて描いた恋愛ドラマ。芸大の舞踊科に通い、ダンサーを目指すゆっこは、同じ大学の演劇科に通う元カレの先輩と別れた後も互いを「いいパートナー」と認め合い、同棲を続けている。そんな彼女は最近、夢をかけた留学のことや、先輩と急接近する友人・多部ちゃんの存在が気になっている。一方、平穏な毎日を送る社会人の滝は長年交際している港から結婚を意識させられていた。将来が見えずに、結婚に踏み出せずにいた滝は、大学生の時に味わったある挫折を今も引きずっていた。主人公・ゆっこ役を「別に、友達とかじゃない」の植田雅、先輩役を「うみべの女の子」の平井亜門、多部役を「猫は逃げた」の手島実優、滝役を「佐々木、イン、マイマイン」の細川岳、港役を2019年ミスiDファイナリストの朝木ちひろがそれぞれ演じる。監督・脚本は「恋愛依存症の女」の木村聡志。
階段の先には踊り場があるコメント(2)
映画 #階段の先には踊り場がある
(2022年)鑑賞
大学の演劇・舞踊科で夢を追い、日々に悩む男女五人の会話群像劇
今話題の #濱口竜介 監督作品が好きな人はハマると思います。こちらも独特の台詞回しと世界観です。
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
今泉力哉監督っぽい会話劇を感じさせながらも、個々のプロットに落とされたカラーが機能し、言葉の応酬によって、状況が思いがけない所に転がる。大学生特有の緩さも、大人の踏ん切りつかない様な感情も、みんなそう。個々が抱えているモヤモヤが透過された上で起こる議論は、可笑しくてもどかしい。俯瞰して観れる分、程よい距離感が面白い。
群像劇であるため、複雑に絡まったコードも少しずつほどけていく。その過程において、不毛な議論と作品にスパイスが効いているから、飽きが来ない。次第に見えてくるラストに対して、ガクンと1度バランスを落としかけたが、それも盛り返してくれたので、結構満足している。この尺の長さに持っていけるのは、単純に会話の輪郭をしっかりと広げられる監督なのだろうと思う。
平井亜門さんの作品を多数観ているが、過去1面倒な男に…。大学生のフワリとした性格が恋愛のまどろっこしさを生み出し、程よく散らかす。素の関西弁であろう部分も見られたし(笑)。植田雅さんもノーマルな風貌が似合う。佐々木じゃない細川岳さんは新鮮で似合うので、観ていて楽しい。手島美優さんも朝木ちひろさんも魅力的。この2人は特にズルい…。笑
199分あると知ってビビっている『恋愛依存症の女』も群像劇らしい。この監督は、作品の全体像をイメージしつつも、スクラップ&ビルドが出来る才能の持ち主だと感じる。今後とも注目していきたい。