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愛の昼下がり プロット フランス 04月23日 2021 劇場で
昼下がりの決斗 プロット アメリカ 07月14日 1962 劇場で
昼下がりの背徳 プロット カナダ 01月01日 1900 劇場で
情事の終り プロット アメリカ 05月03日 1955 劇場で
裏切りの情事 プロット フランス・アルジェリア・ポルトガル合作 12月12日 1992 劇場で
真昼の欲情 プロット アメリカ 04月17日 1959 劇場で
昼下りの情事コメント(20)
大スタークーパーは相変わらずのスタイルで西部劇でなくてもカッコいいし、ヘップバーンは清純で美しい。ワイルダーのストーリー立ても純情な娘と人生経験豊富な富豪との恋物語で定石どおり。この時代の映画は、みんなのためにこのスタイルが居心地よかったのだろう。
こういうタイプのテープレコーダーは知らなかった。きっと高価なものだったのだろう。さらに、お父さんのステンカラーの着こなしが格好よく、とても気に入った。
映画としては今日の感覚で観るとテンポが遅い。内容から推察すれば100分から110分くらいにまとめたらスッキリしてラストシーンがもっと引き立つように思う。しかし、それを補って余りある台詞の良さと、人物や小道具の伏線の丁寧な使い方にみる脚本の上手さがある。主題曲”魅惑のワルツ”を演奏するジプシー楽団、アリアンヌのチェロケース、アンクレット、妻の浮気調査を依頼したX氏、そしてフラナガンが宿泊するスイート・ルームの隣室の子犬。この映画最大の犠牲者はX氏ではなく、何も悪いことをしていないのに飼い主のマダムに叱られるワンちゃんだろう。開巻では、恋のパリの一場面に、ふたり乗りのスクーターで「ローマの休日」のパロディをチャッカリ差し込んでいる。台詞では、(うつぶせに寝る女性の86%は、秘めた恋をしている)が有名だ。ラストの父シャヴァスのナレーション(彼女は、ニューヨークで終身刑になるだろう)も可笑しい。父親の偽らざる本音が溢れている。
現実的な観点で冷静に見れば、この恋の物語は愁嘆場で終わるラブアフェアーもの。そんなストーリーなのに、初めて恋した女性が本当の涙を流す姿を見せられたら、どんな男性も太刀打ちできない。その一生に一度の涙の乙女を演じるオードリー・ヘプバーンの美しさがすべて。”女性の涙は、鉄砲より強い”を実践したアリアンヌの勝利と成就。
ここに全編の魅力が一点集中している見事な構成。
さすが、名匠ビリー・ワイルダーの名人芸。
しかし、探偵の父親は、フラナガンの浮き名の数々を熟知していながら、微笑みながら娘を見送るとは!
ま、古典的ラブコメディーだから、不問としましょう。