日本のいちばん長い日(1967)
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日本
08月03日 1967 劇場で
いちばん逢いたいひと
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02月24日 2023 劇場で
日本の黒い夏 冤罪
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日本
03月24日 2001 劇場で
ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ
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日本
10月02日 2020 劇場で
Firefly Dreams いちばん美しい夏
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08月18日 2001 劇場で
暗い日曜日
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ドイツ・ハンガリー合作
05月25日 2002 劇場で
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日本のいちばん長い日コメント(20)
それぞれが信じるものへの思いが強すぎて胸が痛い。
この映画がテレビで放送されているのは今日が8月6日だからでしょうか。
松坂桃李が演じる畑中少佐が、当時の幹部候補生の強硬派を代表する性格の象徴であったか。とにかく恐ろしい。実際の畑中少佐は穏やかなお人柄であったらしい。だからこその恐怖も感じ得る。
国民一丸となって玉砕を覚悟で、と国民を代表しているようでありながら、彼が市井の状況を把握している場面は一つもない。まさに事件は全てが会議室で進行する。 彼がわずか1名の同伴者と自決する場面では、心底ホッとした。
私が住む地域は、玉音放送の前夜、大規模な空襲にあったことで知られている。父は当時4歳で、爆心地から数キロ離れた場所に住んでいた。日中のように真っ赤に燃える爆撃の光景が脳裏に焼き付いているそうだ。ポツダム宣言を受諾する報せはすでに他国に届いていたはずの時間に、それでも東北の片田舎を大規模な爆撃が敢行された。一説には、米国が爆薬の在庫一掃処理のためであったとも言われている。戦争とは、結局のところ、経済を循環させるための方便という側面をもっている。
自国の2000万人を殺せば(死なせれば)、この戦には勝てるとやすやすと言ってのける将校も、「国体の維持のために軍は欠かせない、サザエの殻のようなものだ」と、昭和天皇の専門分野のフィールドで、したり顔の説得を試みる東條英機も、いざなぎ景気を超えたと得意げな、富裕層中心の経済政策を推し進める誰かと重なる。国体を支えているのは一体誰なのか。そのことの本質を当時も今も、本質的に理解できている者はいるのだろうか。
東條によるサザエの殻の喩えは、「チャーチルもスターリンも、殻ごと捨てるだろう」と昭和天皇に返される。この場面が自分にとって、本作の白眉の場面であった。
本作は1964年の同名作品のリメイクである。昭和天皇の人物像を掘り下げ、鈴木総理と阿南陸軍大臣の信頼関係のもと、薄氷を踏むような政治的バランスのもとで降伏にこぎつける様を時系列で淡々と描いたところに、オリジナル版との差異が見られる。
一見当時の上層部に対する敬意を払っているようでありながら、阿南大臣は自刃する朝方まで、酒を飲んでいる様子を克明に描写してみせる。鈴木総理も家族に囲まれながら総辞職の文面を確認するだけである。
どうしても、会議室で事件が起きている感が否めないまま、映画はプッツリと終わりを迎える。閣僚や幹部級の軍人にとっては長い数日間だったかもしれない。
当時の国民や最前線にいる兵士たちにとってどうだったのか。それは描かれないままだ。それが本作の隠されたメッセージだったのなら首肯できるのだが、そこに制作側のメッセージは感じられない。
このシーンに日本と諸外国の関係が見て取れる。
宮城事件を考える上で陸軍海軍、内閣、天皇といった上層部
の思惑を馳せつつ、考えるのに格好の材料であった。
are subject to~という表現で揉めるシーンがある。
この意味はsoftにとれば管理下に置かれる、なのだが
隷従するという強い意味に捉えた陸軍は、激高してしまう。
国体の護持には総力戦、本土決戦しかないと息巻き
これが最後までポツダム宣言受諾に際して尾を引くこととなった。
この映画は美しく描かれているが人間の腹の中は果たしてどうであったのか
そういった汚い部分も見てみたかったが。ともあれこの事について考える
きっかけとはなった。
そういった強硬派将校と阿南のやり取り、阿南と政府や天皇のやり取り。
抑えた中にも気持ちの交流を感じ取れて良い映画だった。
この時代は難しいけど、忘れちゃならない現実を映画として残す、意味のある一作。