乱れる

7.3/10
合計22件のレビュー
ジャンル   プロット
ランタイム   98分
言語   日本語
地区   日本
書かれた   松山善三
劇場で   01月15日 1964
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乱れる プロット

「みれん」の松山善三がオリジナル・シナリオを執筆、「女の歴史」の成瀬巳喜男が監督した女性ドラマ。撮影もコンビの安本淳。

乱れる 俳優

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乱れるコメント(11)

ngpsgh
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先日銀山温泉に行ったので。中盤までは加山雄三のクズ男加減にイラついてたけど、クライマックスは奥ゆかしい日本情緒全開でとても素敵な作品でした。(若い頃の加山雄三ってあまりお芝居上手じゃないのね…)
wtrimm
wtrimm
成瀬の映画の中でもダグラス•サークに接近した作風のように思う。加山雄三と高峰秀子、この2人の善良さを中心にしたメロドラマということになるのだろうか。

だが、微笑んで観ているといきなり画面に成瀬巳喜男が立ち上がってくる。加山雄三が積年の気持ちを高峰秀子に伝えるというシーン。限定された照明の中で、部屋の敷居の境界線を利用して俳優の気持ちを表現したかに見える演出。浮かび上がるような胸上のアップカット。男と女という観念が突如画面の上で再定義されていく感じがまさに。
さすがに今の感覚で観ていると高峰秀子はカマトト過ぎるような気もするが...恐らく彼女にとっては加山雄三との恋は初恋だったのだろう。そう考えると得心がいく。初恋に乱れるということを描いた映画だったのだ。
加山雄三の死はさすがに取ってつけだと思うけど。

それにしても、この年代の映画にしてスーパーマーケットと小売店という世界観をやっていたんだなという所も新鮮だった。
Nsmkpixhosg
Nsmkpixhosg
結婚したばかりの夫は戦死し婚家に残された嫁というのは、当時かなりいたんじゃないかと推察する。
実家に戻ったひともいただろうし、礼子さんのようにそのまま婚家に残ったひともいただろうし。
婚家を離れるか?止まるか?
その時、大きな判断材料になるのは、子どもの有無だったんじゃないかなあと思う。
礼子さんは結婚して半年で夫は出征し、こどもはいなかったけれど、夫の戦死の公報、空襲、店の再開。
毎日毎日必死に働いてきて気付いたら、18年の月日が流れていたということだったんじゃなかろうか?
礼子さんは幸司の7歳の時から成長を見守ってきて、
幸司から想いを伝えられるまで、彼を男としてみたことはなかったんだと思う。
年齢がもっと近ければ、もっと早い段階で意識しただろうけど(夫亡き後、夫の兄弟と結婚した女性の話もよく聞く話)。
幸司に想いを告げられて、初めて幸司をひとりの男として見た。
だからこその礼子さんの苦悩であり、
彼女の心が乱れたのだ。
そして、自宅を離れた時に、もう一段階、礼子さんに心境の変化があったのだと思う。
若さゆえに真っ直ぐに想いをぶつけてくる幸司を演じた加山雄三は適役だし、しっかりしたお嫁さんだったはずの礼子さんの心の変化、乱れを表現した高峰秀子は流石。
スーパーマーケットの進出で地方の商店街が廃れていくのも、この時代が始まりだったんだなあと興味深い。
それにしても『乱れる』というタイトルの秀逸さよ!
advpqev
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高峰秀子40歳、演じる礼子の役は37歳
加山雄三27歳、演じる幸司は25歳
劇中の会話を整理するとこうなります
19歳でお嫁に来て以来18年
夫は結婚して半年で戦死、嫁いだ酒屋も戦死公報が来た日に空襲で焼けてしまう
彼女一人が奮闘して店を再建した気丈な女性

高峰秀子の最早若くないと自覚する、女として見られる最後の時であるという、その風情が見事に出ています

加山雄三の持つ青臭い不安定さもまた演じる役にそのまま投影されて、恐るべき結末に納得感があります

本当のメロドラマとはこれです
デビッドリーン監督のメロドラマの名作逢びきに匹敵すると思います

女性であっても、大きな責任を持って仕事に没頭していれば、恋愛なんか二の次三の次で頭の中になく、気がつけば18年が経ちこの歳になってしまった
それは本作の戦争未亡人だけの話ではなく、現代では未婚の普通の女性に起こることでもあるのです

乱れるとはエロチックな言葉です
礼子の心が乱れるということなのですが、その言葉の響きどうりエロチックな心の乱れでした
一回り年下の好青年から好きだと強く言い寄られて、忘れていた女の芯が熱く燃えて理性が麻痺してしまった有り様を見事に表現している言葉だと思います

車中、礼子は幸司の寝顔をまじまじと見て泣いてしまいます
それは嫁に来たときは7歳の子供に過ぎなかった男の子を、男として見ることができるのか
抗い得ない欲求と、その解放を許さない理性の規範との胸中の戦いです

彼女はその葛藤の苦しさに泣いたのです
そして敗北したのです

何から何まで完璧な作品です
ラストシーンの高峰秀子のアップの表情にすべてが結実しています

残酷な結末は、そのこと自体の衝撃、自分から誘っておきながら愛を拒絶した自己の残酷さ、そしてそれ程までに自分を愛していたのかという驚愕
それらがない交ぜになった表情を見事に演じています
駆け寄る彼女の着物の裾もまた乱れるのです
その表情を捉えるカメラの視線も鋭いのです

二人が途中下車してバスで訪れた銀山温泉は、近頃ランプの宿として何やらインスタ映えする温泉街としてにわかに有名となっているそうです
つい先日もテレビで紹介されていて、行ってみたいと思っていた矢先でした
川を挟んだ旅館の特徴的な建物も映像に写っています
綺麗に観光地として整備されているようです
夜の光景はそれは美しいものがインスタに投稿されていました
Etteiretacxd
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結婚後まもなく夫が亡くなり、その後18年間、家業の酒店のために身を粉にして尽くしてきた未亡人礼子と、義弟(夫の弟)の悲恋がベースになった物語。1964年の成瀬巳喜男監督の作品で、脚本は松山善三氏(主人公高峰秀子さんの旦那さん)。

成瀬巳喜男氏の映画は3本目の観賞になります。
『歌行燈』、『浮雲』、『乱れて』の順に観ました。『浮雲』ほど重苦しさはないものの、時代の因習にのみこまれた「悲恋」で、突き刺さるラストでした。

礼子が「次の駅で降りましょう」と幸司と一緒に温泉宿へと繰り出して、「女」と「未亡人の立場」の間で揺れ動き、結局は寄り添ったところで「堪忍して」と幸司を突き放してしまう。なんと残酷な…と思えども、「僕はずっと姉さんが好きだった」と一途に進む幸司も向こう見ずで見てられない感はあります。

『乱れる』というタイトルがすごくて、どんな映画なんだろうと思ったが、幸司の強いアプローチで礼子の心が「乱れる」ということなのか。幸司もまた、姉さんが相手にしてくれず、燃えたぎる気持ちをどこにどうぶつけていいかわからずに、乱れているようにも思えました。

18年間も、ある意味、操を守り続け、お家のために働き続けた礼子。幼少の頃より息子のように、弟のように接してきたといえども、幸司の深い思いやりや優しさや一途な思い、ストレートな告白を受けたりしたら、女を刺激されて「乱れて」しまうだろうなあ。けれど、禁欲的で静かに乱れているところが、下手なメロドラマになっていない。